
【青ブラ文学部】失敗の旅|因果応報.サランラップ.有害|ショートショート
失敗の旅は、ちょっとした油断から始まる。
「悠、お前、寮の冷蔵庫に何入れたんだよ?」
恵が怪訝そうに眉をひそめる。
「ああ、夜食に作ったゆで卵だよ。何その顔?」
そう言って冷蔵庫を開けた瞬間――俺は固まった。
「……なんだよこれ。俺、こんなことしたか?」
そこにはサランラップを何重にも巻き付けた、正体不明の物体が鎮座していた。
必死でほどこうとするも、ラップは有害なまでに意地を張り、指にまとわりついてはバチバチと反発する。
まるで、これまでの俺の失敗が次々と蘇ってくるかのようだった。
恵がボソッとつぶやく。
「……因果応報ってやつだな」
笑ってごまかすしかない。
旅はまだ続く。
今日も俺は、自分が撒いたサランラップの糸に絡まりながら、また一歩、失敗を重ねていく。
了

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