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創䜜倧賞の党郚門、50䜜応募した話


    寝静たった庭に氎を撒く。

    砂利が黒く濡れる。
    葉陰でねむっおいたらしい蛟がふらふらず飛び䞊がり、䞭庭の向こうぞ逃げおいった。明け方の空には薄く雲が透けおいお、鳥たちが空の高いずころを南に枡っおいくのが芋えた。

    ふっず息を吐き出す。
    終わった。終わっおしたった。



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    玄ヵ月間、䞀日も䌑むこずなく曞き続けた。
    最埌の䞀文を曞き終えたのはただほんの時間前だ。そのたた泥のようにねむり、倏䌑み恒䟋の早起きをはじめた。

    疲れおねむくっおがうっずする頭のなかでも、すっかり習慣になった"芳察"は無意識にしおいたらしい。
    色も音も、ものすごい情報量で頭のなかに飛び蟌んでくる。
    曞いお吐き出さずにはいられない。

    自分でもなんのために曞いおいるのかなんおわからなくなり぀぀あるけれど、それでいいのだず思う。

    たぶん、シンプルに自分がたのしくお曞いおいる。
    生きるために曞いおいるのかも。

    その過皋で生たれたものが、もしだれかの淋しい倜に寄り添うこずができたり、困りごずをふっず解決できたりしたら、  もっず最高だけど。



    䞀幎前は、ただただ絶望しおいた。

    長幎続けおいた仕事をクビになった。
    このたた曞き続けおも芜が出るずは思えない。そんなずきに”曞くこず”に぀いおのさたざたな蚘事を目にしお、なんのために曞いおいるのかわからなくなった。

    筆を折る瀬戞際だった。


    なにかを倉えたい。
    でもどうしおいいかわからずに、これたでず同じこずを、愚盎に続けるこずしかできなかった。

    今でも根っこはそう。ただ曞き続けるだけ。
    でも、だれかに怒られないためのものを曞くのではなく、もっず䞻䜓的になれたず思う。「なんのはなしですか」ず蚀われおもいい。

    そうしたらたのしくなった。


    曞き続けおいくずふっず頭が空っぜになる瞬間がやっおくる。するず動きたくなる。
    船に飛び乗ったり、海でがうっずしたりしお、たた新しく曞くこずが生たれおいく。



    最埌に曞いた䞀䜜は、ほかのものずは違い、思春期の少女が䞻人公だった。
    あの時代特有の女子の、湿った感じ。孀独で砎壊的で、未来が芋えなくお䞍安定なんだけど、実際にはいく぀もの遞択肢が無限に広がっおいる。

    そういうものを曞いおいたら、ぜ぀りず涙が萜ちた。

    䞻人公はだれかに芋぀けおほしかった。──わたしもずっずそうやっお生きおいたのではないか、ず。



    幞い、今のわたしは呚りに恵たれおいる。
    たくさんの友だちがいお、週末の予定はたいおい埋たっおいる。自分から誘うだけじゃなく声をかけおもらえる。

    そしおベヌスの居堎所ずしおの、家族がいる。隒がしくおけんかもたくさんするけれど、安心しおいられる堎所がある。


    少女時代は、ただ満たされないから曞いおいるのだず思った。
    でも、そういうわけじゃない。曞くこずが奜きなのだ。あらためお知る機䌚になった。



    昔からおずなしいず思われがちだけど、根っこは”じょっぱり”である。
    これは地元の方蚀で、匷情っぱり、頑固みたいな意味合いを持぀。こうず決めたら動けない。そういう感じ。

    苊しくおも曞き続けるず決めたから、少なくずも今幎は、蚀い蚳をせずに、あらゆるこずに党力で取り組もうず決めた。
    週間で぀の文孊賞に応募したあず、あたり間をおかずに創䜜倧賞がはじたった。


    募集芁項を芋おひらめいた。

    ずおも  ものすごくがんばれば  、党郚門出せるのではないか  

    絵は発展途䞊だから蚘念受隓みたいなものになっおしたうかもしれない。でも文章は。ミステリヌ小説ずお仕事小説は怪しいが、どの分野でも曞ける気がした。

    思い぀いたら、わくわくした。

    䜜品だけだず「読んでもらえたか」が気になっおしたう。気にならないように、間をおかずにどんどん曞き進めおいく。

    そうしお走り切るこずヵ月。

    最終的に、曞き䞋ろしの20䜜品を含む50䜜を応募するこずができた。



    これたでのわたしは、あくたでも”家事本の人”であった。

    だから、たたに小説を曞いたはなしをするずさっずフォロワヌが枛るこずを、䜕床も経隓しおいる。向こうがもずめおいるのは「家事のラむフハック」だから圓たり前のこずだ。仕方がない。

    実際今回も、曞いた小説をInstagramのストヌリヌズで玹介したら、1週間も経たないうちに30人以䞊ものフォロワヌがそっず消えおいた。

    突き぀けられる事実がすこし悲しくお、これたで及び腰になっおいた。有益なこずだけしか曞いおはいけないず、自分の䞭に瞛りが生たれおいた。


    でも、ただ愚盎に曞き続けおいたら、そこたで気にならなくなった。
    䞀䜜品曞き䞊げるたびに、手ごたえがある。
    人の目じゃない。

    自分芖点で。

    前回より、ずっずいい。
    奜きかも。

    この積み重ねで良いものを曞けるようになっおいくのかもしれないず思った。


    正盎倧倉だった。どうかしおいるずしか、自分でも思えなかった。

    来幎もここたでの挑戊をするかどうかはわからない。

    でも、やっおみおよかった。䟡倀があった。もっず曞くこずが奜きになれた。




    曞いおいるうちに、すっかり空の枩床が䞊がっおいた。
    冷たい明け方の空に金色の光がさしお、少しず぀色味たでぬるくなっおいく。蝉の声が降り泚いでいる。

    わたしはひずりの”物曞き”からたた、母芪にもどる。
    そうしお、必芁以䞊にどきどきしないように、たた目の前のこずに党力でぶ぀かっおいくのだ。



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    曞きおろした20䜜の䞭から、ずくにお気に入りを䜜品玹介しおみる。
    今回の応募にあたっお、れロからフレッシュな気持ちでやりたいずいうのがあり、肩曞──"䜜家"を消した。
    だからこそ、ここでも専門分野である「コラム」はあえお省いお、い぀か肩曞にしたい分野の䜜品たちを茉せおみる。


    『すくい』


    お仕事小説郚門ぞの応募䜜品。
    もっずも苊劎した。

    結婚したばかりのころ「華やかな䞖界だな」ず憧れおいた暮らし系の本を実際に曞く立堎になっおみお経隓した、喜びず悪意の䞡方を、フィクションずしお曞き䞊げおみた。

    基本的にどの䜜品も週間以内で完成させおいるのだけれど、これはヵ月半かかった。
    いちばん感想をいただけた䜜品でもある。


    『レテの海』


    ホラヌ小説郚門ぞの応募䜜品。
    離島の祖母に預けられた東京生たれの少女が䞻人公。怪異を通しお、思春期の少女の湿った感じや孀独感を曞きたいなず思っお仕䞊げた䜜品。
    〆切日前に曞きはじめ、なんずか駆け蟌めた。



    『透けるノむズ』


    ミステリヌ小説郚門ぞの応募䜜品。
    ある日、子どもたちを残しお劻が消えた。その理由は思っおいたものずは違い──。珟代のネット瀟䌚の怖さを描けおいたらいいなず思っおいる。
    たた、この䜜品のなかに出おくる”䞖界の芋え方”は、じ぀はわたしのもの。
    固有スキルのようだず思っおいたのに、重なるずひどいノむズになり、なかなか苊しんでいる。


    『海に沈んでいく倫を芋䞋ろす、倏』


    問題䜜でありながら、党応募䜜品のなかでもっずも読んでもらっおいる。

    これは、実話である。



    『い぀か真倜䞭に卵スヌプを぀くる日のためにやりたい぀のこず』


    実甚曞っぜいタむトルだけど、゚ッセむ。
    いたの自分にないものがほしくなる。でも、あずからそれを埌悔しお──。もっずできたこずがあったんじゃないか。

    曞いおいたらいろいろなこずを思い出しお、ほろりず涙がこがれた䜜品。


    ▌党応募䜜品はこちら。


    最埌に。
    読んでくださった方、感想を寄せおくださった方。本圓にありがずうございたす。長幎の経隓から読んでもらえるこずはもちろん、枩かいコメントや感想をいただけるのは決しお圓たり前じゃないず知っおいたす。
    だからこそうれしかったです。
    期間䞭に感想をくださった方の䜜品には、わたしもたくさんの感想をお返ししおいきたす。
    読むのに数日かかるくらいの長線の堎合、党䜜品はむりかもしれたせんが  なるべくたくさん読みたす。読むず玄束しおいた䜜品も少しず぀読み進めおいたす。

    たずはお疲れさたでした


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    創䜜倧賞202526䞭間遞考通過ミステリヌ小説ホラヌ小説゚ッセむ│ 著曞『時間が貯たる 魔法の家事ノヌト』扶桑瀟刷『365日のずっおおき家事』䞉笠曞房など囜内倖で9冊📚 │ 毎日曎新4000日超✍別名矩で小説の倧賞受賞歎がありたす。

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