片方だけが歪んでしまって、
私の耳にハマらなくなったイヤリングがあった。
もう片方は、
綺麗なままだった。
なぜこっちだけ綺麗なんだろうか。
どうせならこっちも、
歪んでしまえばいいのに。
歪んだものと、
歪んでいないもの。
異質な二つが、
並んでいることに違和感があった。
戸棚を開けて、
取り出して二つ、並べてみる。
一つも歪んでなかった時のことは、
もう思い出せない。
ならば、と手に取る。
綺麗な方を。
力ずくで歪ませてしまおうか。
そんなことが一瞬よぎる。
できなかった、とても。
私は急いで、
戸棚の奥へとしまった。
バタンと音がした。
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