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あの戸棚を開けてしまった日 #127

    開ける必要のない場所があった。

    歪んでしまって、
    もう使えなくなったイヤリングを、
    しまっておいたあの戸棚。

    その戸棚を、開けてしまった。


    しばらくは
    もう開けない、もう見ないと決めていた。

    それなのに、
    引き出しを引けば簡単に開いてしまう。

    うっかり引いてしまった。

    そっと、中を覗く。

    触らない。ただ見るだけ。

    ハッと我に返って、
    すぐに閉めた。

    もう私の耳にはまらないことくらい、
    わかっているのに。


    もう開けない。

    開ける必要がないから。

    でも、たまに、
    どうしようもなく寂しくなったときだけ。

    開けてしまってもいいのだろうか。
    見てしまっても、いいのだろうか。

    この戸棚に閉じ込めた、歪んだものを。


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    敏感な心で生きる、INFJの28歳、専業主婦。 8歳と5歳の娘の母です。 日々の小さな心の揺れや、 その奥にある気持ちを言葉にしています。 慌ただしい毎日の中で、ふと深呼吸できて、 少しだけ自分を取り戻せる場所になりますように。

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