メインコンテンツへスキップ
見出し画像

あの戸棚をもう一度、開けようと思えた日 #171

    もう歪んでしまって使えなくなった
    あのイヤリングを、
    しまっておいたあの戸棚。

    それをまた、開けようと思えた。

    あれからどれくらい経っただろうか。

    かなり長い時間が流れていたのか。
    そこまで経っていないのか。

    ただ、気がつけば季節は流れ、
    景色も変わっていた。


    戸棚の前で、深呼吸をする。

    恐る恐る手を伸ばした。

    震える手で開ける。

    …あった。

    前と同じ場所に。
    前と何一つ変わらず。

    ちゃんと、歪んだまま。

    本当はもう違うのかもしれない。


    私は見た。

    そして、そっと閉めた。

    身体だけが、最後の時を覚えていた。

    大切だけど、
    もう私の耳にははまらない。

    この耳に何もないままでも、
    もう大丈夫。

    そう気づいた時、
    一筋だけ、涙が流れ落ちた。


    ※追記
    かみこてさんがこの記事を詩にして、
    記事にしてくださいました。

    心に余韻が残るような、
    素敵すぎる詩なのでぜひ✨


    ◯関連記事

     
     
     
    敏感な心で生きる、INFJの28歳、専業主婦。 8歳と5歳の娘の母です。 日々の小さな心の揺れや、 その奥にある気持ちを言葉にしています。 慌ただしい毎日の中で、ふと深呼吸できて、 少しだけ自分を取り戻せる場所になりますように。

    あなたへのおすすめ