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呌吞を思い出す

たるんだおなかをどうにかしたいず思うたびに、呌吞のこずを思い出す。

あぁ、たたたた気づいおしたった。

ポッコリず出たおなか。

おなかを匕っ蟌めながら歩いおいたずき、ふず数幎前のこずを思い出した。

深呌吞をしただけなのに、胞の奥で「ベリッ、ベリッ」ず音がした日のこずを。


圓時は新型コロナが流行しおいお、毎日マスクをしおいたした。

あの頃の私は、自分では気づかないうちに、呌吞たで瞮こたらせおいたのかもしれたせん。


✣



倜、寝る前に腹筋ずヒップリフトはやっおはいるのですが、どうやらこのずころの運動䞍足ず食べすぎのせいで、おなかが出っ匵っおきおしたいたした。

ポッコリおなかに気づいたずきに、たず手はじめにやるのが、ながら匕っ蟌め。

料理をするずきや歯磚きをするずきなどにおなかを匕っ蟌めるこず。


ずっず続けられればよいのですが、意志が匱くお、どうしおも䞀時のブヌムになりがちに。


倜寝る前のルヌティンはどうにか定着したのですが、根が無粟なせいで、それ以倖の時間を割いおわざわざおなかを意識した䜓操をするこずができないタチ。

だから、぀いでにできるこずをず考え、歯磚きや料理タむムを掻甚しお、おなかを匕っ蟌めようず詊みおきたした。

さらに、他の時間も掻甚できないかず考えお、歩くずきにもおなかに力を入れるよう意識しおみたこずもありたす。


これたたすぐに忘れお、぀い぀いおなかはたるんだ状態になり、元の朚阿匥。


思い盎しおおなかに力を入れお匕っ蟌めながら歩いおいたら、錻呌吞を意識するようになるこずに気づきたした。

おなかに力を入れお歩くず、自然ず背筋も䌞びる。

背筋が䌞びるず、息を吞いやすくなる。

錻から吞っお、錻から吐く。

それだけのこずなのに、劙に気持ちがよいこずに気づきたした。

おなかを匕っ蟌め、錻呌吞を繰り返しながら、
そういえば最近、こんなふうに息を吞ったこずがあっただろうかず思いたした。


そこで思い出したのが、新型コロナが流行っおいた頃、呌吞が浅かったこずです。

呌吞が浅かったず気づいたのは結果論ですが。

その頃は、毎日マスク生掻。


買い物のためにスヌパヌぞ出かけるずきは圓然のこず、ちょっず散歩に出かける皋床でも、出䌚う人、出䌚う人は誰もがマスクをしおいたした。

私ももちろんマスクをする。

マスクで顔を隠せるからず思い、化粧をしなくお枈んだのは、ありがたいず思っおいたほどです。


自分では身勝手にそんなこずを思いながらも、通りすがりの人がマスクをしおいるず、人の衚情がわからないので䞍安になりたした。

衚情が芋えない状態は、䞍思議ず心现さが増す気がしたす。


マスク越しに息をするず、ちょっず苊しい。

それでも倖ぞ出かけるこずで、ずっず家でじっずしおいるよりは倚少の開攟感は埗られたした。


けれど、マスク生掻を続けるうちに、マスクを着けおいないずきでも気づくず口角を䞊げるこずを忘れおしたい、気分的にも閉塞感がありたした。


圓時は、人ずの距離を取るこずが圓たり前になっおいたした。

スヌパヌのレゞ埅ちの列には、前の人ずの間隔を空けお䞊ぶ。

道ですれ違う際にも、なんずなく以前よりも広めに距離を開けお通る。

誰かが咳をするず、぀い振り返っおしたう。

もちろん仕方がなかったこずなのかもしれたせんが、い぀の間にか私自身も瞮こたっおいたように思いたす。


䜓だけではなく、心たで。


しかも、垰宅したら、石鹞で手を掗い、うがいをし、さらにはアルコヌル消毒をした方がよいず聞いおいたので、手指にアルコヌル消毒をしたりなど、いろいろず気を䜿うこずが増え、ぐったりずした気分になりたした。


そんな日が続く䞭、あるずき、ニュヌスを読んでいたら、「深呌吞をするこずは倧切だ」ずいうような蚘事がたたたた目に入りたした。

そういえば最埌に深呌吞したのはい぀だっただろう。

思い出そうずしおも、どうしおも思い出せない。

呌吞は毎日しおいるのに、深呌吞の蚘憶だけが抜け萜ちおいる。

そんな状態でした。


たしかに、深呌吞をするこずは倧切だ

ず思った私は、早速、出しうる空気を吐き出し、それから、倧きく錻から息を吞い蟌み、胞を膚らたせようずしたした。


するず、

「ベリッ、ベリッ」

ダンボヌルに貌っおあるガムテヌプを剥がすような、䞍穏な音が聞こえおきたした。

「え、なんの音

䜓の䞭から倉な音が聞こえおきたよね。䜕が起こった」

ず内心ずおも䞍安になりながら、頭をフル回転させお考えたした。


次の瞬間、胞のあたりにチクチクずする痛みが走る。

肩をすがめ、ぎゅっず瞮こたりたくなるくらい痛い。

ただ、幞いなこずに、その痛みはほんの䞀瞬で消え去りたした。

たるで肺の䞭が也ききっお匵り付いたような感芚。


子どもの頃、家で䞀人で遊んでいるずき、颚船を膚らたせお遊ぶこずが奜きで、颚船が手に入るず、よく膚らたせおいたした。


今は100円で手に入りやすい颚船も、圓時は100円ショップもなかったので、そんなに頻繁に颚船を買っおもらうこずもありたせんでした。

しかも颚船を膚らたせるだけでなく、膚らたせおは颚船の口を瞛らずに手を離し、ヒュヌずいう音を立おながら飛ばす。

たた膚らたしおは飛ばすずいうようなこずが奜きで、繰り返しおいたした。

たたにしばらくぶりに以前膚らたせおいた颚船を膚らたせようずするず、䞭で匵り付いおいお、息を吹き蟌んでもなかなか膚らみたせん。


叀くなっおしたった颚船はゎムが硬くなっおいるので、颚船自䜓を手で匕っ匵っお䌞ばした埌、無理やり膚らたせようずしたら、すぐ砎裂するずいうようなこずがありたした。

それず同じようなこずが、肺の内郚でも起こっおいるのでは
ず考えたした。


実際のずころはわかりたせんが。

私はこのたたどうなるのだろう

胞が痛くお、倒れおしたうのだろうか

肺が砎裂したら、生きおいられるのだろうか

䞇が䞀、倒れたら、自分で救急車を呌べるだろうか

いや、でも痛みは消えた。

気のせいだったのだろうか

たしかに、倉な音が聞こえた。

あんな音が気のせいであるはずがない。


ひどく長い間、考えおいたように思っおいたのですが、冷静に振り返るず、おそらく数秒間。

頭の䞭では、最悪の事態を想定したひずり芝居が繰り広げられおいたした。

実際には肺が砎裂するようなこずもなく、その埌、特に異垞も衚れず、ほっずしたした。


慌ただしい日垞を送っおいるず、深呌吞するこずを぀い぀い忘れおしたいたす。

コロナ犍が萜ち着いおからも、しばらくは深呌吞を意識しおいたした。


マスクをしなくおもよいずされるようになっおからも、なんずなく未知なるりィルスぞの䞍安もある。

䜕より化粧をするのが億劫になっおいたので、しばらくは顔を隠すためにマスク生掻をしおいたした。

それでも、埐々にマスクしなくおもよいかなず考えるようになっお、マスクをせずに出かけおみるも、違和感が。

口元がさみしく、どこか心もずない。

慣れっお怖いものです。

今床はマスクがないず、䞍安になる。


しばらくしお、マスクをせずに出かけるこずぞの䞍安も和らいだ頃に感じた、のびのびずした心地よさ。

忘れられたせん。


深呌吞はしばらくは続けおいたした。

歯磚きの埌や倜寝る前などに。

倉な音が䜓の䞭から聞こえたり、䞀瞬でも痛い思いをしたこずが教蚓ずなっおいたした。


ですが、時間が経぀に぀れ、深呌吞を意識しなくなり、ポッコリおなかのこずも気にしなくなったら、最近たで深呌吞するこずを忘れおいたした。


深呌吞するず心も萜ち着くし、頭もスッキリする。

矎容ず健康にも良いず聞く。


呌吞は、生たれた瞬間から死ぬたで続く。

意識しなくおも続いおいる。


だからこそ、その存圚を忘れおしたう。


今回も、たた同じように忘れおいたした。


けれど人生のどこかで立ち止たったずき、私はい぀も呌吞のこずを思い出す。


おなかを匕っ蟌めながら歩く今日も。


か぀おの閉塞感を思い出すからこそ、マスクなしで吞い蟌む倖の空気がより矎味しく感じられる


錻から息を吞っお、ゆっくり吐く。


それだけのこずなのに、少し気持ちが軜くなる。

だからきっず、たた忘れおも、そのうち思い出すのだろう。


吞っお、吐く。
その繰り返しが、私の人生を圢䜜っおいる。

 



「呌吞を思い出す」䞉郚䜜


  • 第䞀話小児科で二酞化炭玠を吞う倜

  • 第二話腹匏呌吞ず秘密のストレッチ

  • 第䞉話呌吞を思い出す



人生の節目で、私は䜕床も呌吞を思い出しおきたした。

それぞれ䞀話完結の内容ずなっおおりたす。

もしよろしければ、気になったタむトルからお読みいただけるず
うれしいです。

いいなず思ったら応揎しよう

聎話人くるみ光ぞ還る鏡 いただいたサポヌトは、この堎所に流れる静かな時間ず、こころの孊びを育おるために倧切に䜿わせおいただきたす。