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Elden Ring 大考察「白き黄金樹」ー後日談ー

    ビッグハットP.D

    こんにちは。ビッグハットP.Dです。

    ※ここで取り上げられる考察内容につきましては、以下の2点をご理解いただいた上で
    お楽しみください。
    1.考察内容には、他の考察者様が発見した内容も含まれること。
    (その際は出典等を記します。)
    2.考察内容は全て解釈の一例であり、読者の皆様、他の考察者の皆様の
    解釈を否定する意図は一切ないこと。
    〇ナイトレインを考察に交えることについてですが、
    公式が「破砕戦争までの世界観は共有している」と明言しています。
    ということはナイトレインにて初登場でありながら時代的に
    破砕戦争前から存在していたであろうものは、
    登場しなかっただけで本編にも存在したはずとして、活用します。
    (例:永遠の都ノクラテオ、大空洞の大結晶など。)
    破砕戦争後の出来事に関してはほとんど使わないと思います。
    不確定要素やパラレル化が起こっているので。
    まぁ、そこは臨機応変に行きます。

    この記事は、Elden Ring 大考察「白き黄金樹」の後日談的な筆です。
    先に該当の大考察をお読みいただいていることが大前提ですので、まだの方は、先にそちらから進めていただければと思います。

    はい、長い考察旅、お疲れさまでした!
    繰り返しになりますが、大考察「白き黄金樹」で語った全てもまた解釈の一例であり、決定的なものではありません。
    ただ、例えば勢力と配色による相関図や大地改革など、個人的にけっこう固いんじゃないかな、と思う内容もありました。一部でも、皆様の参考になったり、また刺激になった旅であれば幸いです。

    さて、その中でも話の流れの都合上、マリカとは少し異なる要素であるがゆえに語り尽くせなかったものがいくつかあるので、それらをこの後日談で述べていくこととします。
    ちなみにこれらは直接互いが関係しているわけではありませんのであしからず。
    内容は、
    「黄金樹の罪」
    「英雄墓」
    「風車村ドミヌラ」
    「黄金律原理」

    「メリナの宵眼」
    です。
    後日談という都合上、”大考察”と命名しておりますが、内容はミニ考察よりちょっと多いくらいの量です。・・・多分。

    では、大考察「白き黄金樹」の追加考察をお楽しみください。


    1.黄金樹の罪

    これはナイトレインに関する考察です。
    黄金樹の罪とは、このように語られています。

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    原初の夜の王が宿していた
    大ルーンと同じ性質を持つもの
    挿し木の一族は、長い歳月をかけて備えた
    来たる夜を食い止めるには
    尋常ならざる策で神を騙すしかない
    それが、黄金樹の罪を覗き見た
    一族に課せられた罰
    である

    原初の夜の王のルーン

    これについては、以下のfumi様の発想を参考に、考えを広げてみました。
    ちなみにfumi様は「挿し木の一族という名前から、黄金樹は、元々あの影の巨人たちの故郷にあった巨人樹の土地に挿し木して、できあがったのではないか。」など、かなり鋭いアイデアを展開されており、ナイトレインの核心をついているようにも感じられます。
    氏のご考察をぜひご覧いただきたいです。


    さて、大きく関係しているのは、プロローグのこちらのシーンです。

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    黄金樹はその根が夜に蝕まれており、あるいは夜をそのエネルギーとして樹立していることが描かれています。
    生を謳歌する黄金樹の源が実は夜の力に塗れていたともなれば、それは罪として扱われても仕方ありません。それが元来の姿にせよ後からそうなったにせよ。
    しかし、いったいどうして黄金樹がこのような根を持っているのでしょうか。少なくとも、現在の狭間ではそんなことはありません。

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    黄色の根、あるいは白色の根。
    白色はヤバいかもしれないが、それでも夜に染まっているわけではない。

    これについては、次のように考えることができます。

    まず、黄金樹は夜の力を源にしなくてはいけなかった事情がある。
    次に夜渡り達の活躍により、その状況から脱却することができた。

    私はこの状況全体に、大考察「白き黄金樹」でお話しした、”宵眼がエルデの獣の元へ還樹した”ことと、”マリカが宵眼の模倣をその出自としていること”が当てはまると考えます。


    〇完全に死んでいない宵眼を宿した黄金樹

    宵眼の願いはエルデの獣を抱き、獣を母の愛情への飢えから解放することであると、先の考察で述べました。しかし宵眼の本性が銀の勢力の闇であることは変わりません。ウルとラウフの娘なので。
    ですから、黄金樹に取り込まれることで黄金樹は銀に蝕まれてしまい、その根元が名も無き永遠の都と繋がって銀の成分を取り込もうとする、あるいは各地の大樹根の先端から土壌の死や銀を取り込もうとするように、いわば根の網の改変が行われていったと思われます。
    もちろん黄金樹がもたらす祝福にもこれが混じり、空気の様子もだんだんと銀交じりの毒へと化しておかしくなっていったことでしょう。
    このように考えると、黄金樹の罪である根元の秘密はいったんあり得る状況になってきます。

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    そしてこれが露わになったのは、マリカがエルデンリングを破壊したタイミングです。先述したように、エルデンリングとは現在黄金律の所有物であり、黄金律が望む世界、つまり大いなる意志の「お気に」になるためのいい子ちゃん状態を保つ、本性の封印と化しています。
    その封印が砕かれると、デミゴッドたちがそうであったように、世界の真の姿が露わになります。
    すると、この根元の夜の事象は、取り込まれて大人しくなっていた宵眼のうちにある闇の側面、銀の力の権化が露わになったものだと考えられます。


    ◯なぜ黄金樹は夜の成分を取り込んでいたのか

    今述べたように、宵眼が内に入り込んだ影響が、エルデンリング崩壊時に悪影響を及ぼしたのはあると思います。
    しかしそもそも、すべてを黄金に塗り替えられるはずの黄金樹が、なぜ宵眼を取り込んだところで、それの浄化をできなかったのか。
    理由は二つあると考えられます。

    第一に、マリカや獣がそれを望まなかったことです。
    そりゃそうです。宵眼は母性で獣の元へ向かったのです。母が恋しい獣が、それを止めるはずもありません。
    マリカも宵眼を尊重したい(宵眼にもありのままの心でいてほしい)ので、浄化を試みることはしなかったでしょう。
    しかしそれを成就するには、この根元の夜問題を解決しないといけません。

    第二に、そもそも黄金樹を樹立させたマリカが、宵願の成分を持っていたことです。
    むしろこれこそが、黄金樹の罪の真の所以と言えるでしょう。マリカの正体は宵眼のコピーですので、どれだけ表面をエルデの黄金で輝かせたとしても、所詮それはメッキに過ぎません。マリカが黄金樹を樹立させた時点で宵眼のコピーたる銀の成分が混じっているのです。
    ですので、その根元はもともと沈められた名も無き永遠の都にまで伸び、銀の成分を肥料として要していたのです。
    これは実に都合の悪い必要悪です。黄金律は黄金樹を用いて影の地を分離しまた狭間の星全体をノクステラの月から隠す必要もありました。かつ黄金樹はエルデの獣の無尽蔵な生命エネルギーによって生を謳歌する最良の触媒です。だからこれを用いない手はない。
    しかしその樹立を行える、大木を黄金に染め上げられる神人マリカは、あくまで宵願のコピーをその出自とする。それがゆえに神人たる能力を得ることさえもできた。
    黄金律にとって、頭の痛いジレンマ。
    ですので、その罪はある時までマリカと黄金律の間で完全に秘匿されていました。


    ◯挿し木の一族が垣間見た黄金樹の罪

    挿し木の一族とは恐らくゴッドフレイの出自だと考えられます。
    彼らは周囲の死や倒した相手の力を自分のものにすることができるという、そういう力を有していました。

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    ゴッドフレイもセローシュの力をいただき、戦士として復活する。
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    ゴドリックの接ぎ木の力もその成れの果て。ただ、ゴドリックは相手を殺して力を得るのではなく、相手を直接つなげて力を得るという、挿し木の能力を「接ぎ木」という能力に変貌させて用いた。あるいは、挿し木の能力の元々の所業こそが、この”古い”とされる「接ぎ木」なのかもしれない。(接ぎ木の外なる神みたいな、この力を司る者がものがいる。)

    彼ら挿し木の一族、特にゴッドフレイはマリカとともに黄金樹樹立戦争に挑む時、とっておきの後ろ盾があったと思われます。
    それがこれです。

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    螺旋を描いた形をした、白い細枝

    折れそうに細い、枯れ枝のタリスマン
    死亡時にルーンを落とさず
    替わりに、このタリスマンが失われる

    それは、古い時代に枝打ちされた
    黄金樹の一部であるという

    犠牲の白枝

    ゴッドフレイがなぜ死を恐れずに脅威へと立ち向かうことができたのか。
    それは、マリカから分け与えられた黄金樹の細枝が、彼のお守り袋に入っていたからです。

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    ゴッドフレイの幻影や、マルギットから入手できるお守り袋。
    恐らく彼らは、この袋の中に犠牲の白枝を一本入れていた。

    指読みの老婆が、王に
    あるいは王たらんとする者に贈る

    萎びた手編みの小袋
    タリスマンの装備数を増やす
    二本指の声として、永遠を生きる指読みは
    王の乳母でもあるという

    お守り袋

    戦争に挑む直前、金太郎であるゴッドフレイはお守りをもらうため、マリカの許可のもと鉞担いで、黄金樹の枝をエイッと斬り落としました。しかしそこで、とんでもない真実を目の当たりにしてしまったわけです。

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    犠牲の白枝の先端、螺旋を描いている。
    そもそも黄金樹の一部なのに白色とはこれいかに。

    螺旋を描いた、白い細枝。黄金樹の正体。
    螺旋はエニル・イリムよろしく、もとを辿れば銀の勢力の思想そのものです。種に刻まれた懐柔の力、相手に取り込んでその心と体を乗っ取る彼らのやり方は、まさにDNAのような形をした螺旋が象徴です。
    そして枝が白色になったこと。
    ゴッドフレイは黄金樹が、「白き黄金樹」であることを知りました。
    多分マリカもこれには言い逃れできない、あるいはゴッドフレイにこれからの覚悟があるのか確かめるために、わざと見せたのかも知れません。

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    マリカの意志を強く受け継いだメリナも、主人公を一度試す。

    …ごめんなさい。私、貴方を試してた
    本当に、祝福が貴方を導くのか
    …そして貴方が、それに挑む人なのか

    でも、杞憂だった
    トレントは、最初からあなたを信じていたのに
    …私は不実だった
    私にもひとつだけ、できる導きがある
    円卓。導かれた褪せ人、英雄たちの集うところ
    そこに貴方を、連れていくことができる

    メリナ

    ゴッドフレイはしかし、マリカを愛し、共に黄金樹樹立を達成することを誓ったでしょう。勿論、彼女の優しい律なき黄金も尊重したはずです。
    なにより、ここでイエスと言えば、強い相手と永遠に戦える。そんな夢のような世界が待っているなら、断る必要なんてどこにもないわけです。(孫悟空かよ。)

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    戦い大好きの性格は、挿し木の一族の一部(約二名)にも受け継がれたような・・・。

    しかし、挿し木の一族は同時に、黄金律から厳しい戒告を受けたはずです。マリカの真の正体は本来、マリカとラダゴンと指たちの、秘めたる事情だったのですから。
    そこで、挿し木の一族はいつか来るであろう夜に備えることを命じられました。ようは、根っこの夜の成分をどうにかしろという指令です。そして夜対策委員会の委員長に任命されたのが、ゴッドウィンであると考えられます。

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    夜渡りは、鷹、そして死に生きる者といった、ゴッドウィンの特徴を兼ね備えている。
    (画像:Elden Ring Nightreign デビュートレーラー)
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    円卓はゴッドウィンの名のもと、夜に備えるための会議室としても機能していたのだろう。

    そのためにゴッドウィンはストームヴィル城を攻めて制圧するなど、必要なことをしていったと思いますが、彼もまた銀の懐柔を受けてしまったのでしょう。ただ優しかったがために。
    恐らく銀を淘汰するのではなく、古竜と盟約を結んだように、銀の勢力とも仲良くできないか試したのではないでしょうか。その結果、彼もまた銀の成分をその身に取り込んでしまうのです。あるいはそうすることで上手くいく可能性に賭けたのかもしれません。

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    ゴッドウィンは、黒ずんだ泥濘を目から流して死ぬ。
    銀の成分をその身に宿したのだろうが、それも夜に備えるための一つの手段だったか。

    そんな彼の死体を安置するのに選ばれた場所は、確かに罪深き挿し木の一族の終わりなき償いに、ピッタリな場所であります。ひでぇ律だこと。

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    彼の死の力を利用して、銀の成分を取り除く。そのために、彼の亡骸は黄金樹の根元に安置する。
    たしかに、根元にある銀の成分を取り除くのに、これほど合理的な方法があるだろうか。

    そして、挿し木の一族たちが見出した対策手段は、大考察「白き黄金樹」で述べたように、宵眼のコピーたちの手を糸で縛り本人たちの意思を問わず祈らせ、その上にリムベルトのコピーを生成し、夜を誘う餌にするというものです。

    尋常ならざるこの策は功を奏し、夜はリムベルト(模倣品)に集まっていくことになりました。


    〇宵眼のコピーを土台とした理由

    宵眼のコピーを土台とした理由は大きく二つです。

    まず一つは単純で、この宵眼コピーたちを英雄墓(宵眼模倣生産工場)から出しても黄金律にとっては不都合しかないので、処分する必要があったということです。
    そのため、この夜の誘い出しに彼女たちを利用することで、合理的に世界から存在を抹殺することができます。

    もう一つは、夜を誘い出すのに、彼女たちの力が最も最適だったからです。
    彼女たちは宵眼のコピー、うまくいけば宵眼本人のようになることができて、夜を呼び寄せることができるようになります。
    ですので、彼女たちを土台とし、挿し木の一族たちは強大な相手と戦い続けて相手の力を奪い続ける。そして強力な力をもってして死ねば、それが大地の礎になっている宵眼のコピーへと流れ込み、夜を誘い出す力と死から芽吹く大地創造を行うことができるようになる。
    だから、彼女たちを利用したのです。むしろ、彼女たち無くして尋常ならざる策は成就しなかったのです。

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    無数に生まれた宵眼のコピーたちは、リムベルトの土台として利用され、
    祈り、夜を誘うことになった。

    丁寧に編まれた緒
    それは、本来秘されるべき場所に
    留まった少女たちに握られたものである
    挿し木の一族は誓い合った
    すべて明かさぬまま、その身を捧げると
    しかし彼女たちは、そうするには幼すぎた

    糸ぎ獯

    この「身を捧げる」と誓い合ったのは挿し木の一族です。少女たちではありません。少女たちを土台にし、そのうえで戦い、そして力を奪い、強大な能力を得た状態で死ぬ。そして宵眼のコピーにエネルギーを吸収させ、夜の誘い込みとリムベルトの生成を行う。
    この繰り返しで、どんな夜さえも誘い込むことができるようになります。
    そして、この様子こそがつまりElden Ring Nightreignの物語の主な状態と言えましょう。
    永遠のように夜を渡る夜渡り達。彼らはみな挿し木の一族です。先祖が構築したこの尋常ならざる策の舞台で強くなり、夜を払い、そして時には夜に飲まれ、大地に溶ける。この繰り返しの果てに、夜明けがあるはず。
    少なくともそれが挿し木の一族の計画であり、彼らの唯一の希望なのです。


    〇夜の力

    エルデンリングによってメッキ状態になっていた黄金樹も、マリカや取り込んだ宵眼によって絶えず夜の成分を飲み込んでいました。はじめからマリカが必要としていた夜の成分はエルデの獣が浄化していたでしょう。しかし宵眼を取り込んだことでエルデの獣がその浄化を放棄し、夜の成分がチャージされていったと考えられます。

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    黄金樹は夜の成分を吸い、エルデの獣がそれを浄化していた。
    樹立戦争後に宵眼が還樹し、浄化は放棄された。
    この時期から、黄金樹みるみる成長し、また同時に豊穣は色褪せていったのだろう。

    古い黄金樹の祈祷のひとつ
    (略)
    かつて、黄金樹は豊穣であった
    そして、それは束の間であった
    すべての生命と同じように

    黄金樹の回復

    加えてエルデンリング崩壊により、黄金樹の内にあった無尽蔵な夜が発生してしまいます。
    この時、狭間の地は一旦の終焉を迎えたはずです。文字通り、世界はどうしようもなく壊れ、夜の中に歪み、埋もれていってしまったのですから。
    これを”無かったことにするため”に、夜渡りたちは挿し木の一族が残した原初の夜の王のルーンを破壊するわけです。(これについての詳しいことは、ここでは述べないでおきます。別枠でいずれ考察する予定なので。)

    さて、夜が近づくと、巨大な影のような存在が大量に見えてきますね。

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    (画像:Elden Ring Nightreign デビュートレーラー)

    これが何なのかは、正直よく分かりません。
    ただ、これほど無尽蔵の夜の力が解放され、しかも黄金樹が失われたともなれば、おそらく遥か空の彼方で冷戦状態になっていたノクステラの月が、狭間を飲み込むことをできるようになったはずです。
    そもそもナイトレインは、そういう状態が舞台だと思われるので。
    (ノクステラの黒い月については、大考察「王都と16の星団」でお話したとおりです。やつは従者たる16の月うち14を失い、エルデンリングが夜の律となることを願って待機状態です。)

    ですので、この巨人たちは、「ノクステラの月の住人たち」と考えられないでしょうか。
    彼らは狭間に、宵眼を迎えに来たというわけです。
    あるいは同時に、狭間を侵略しに来た。

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    最後に帰っていく巨人は、挿し木の一族が残した金に触れ、金と銀が融和しています。本来の宵眼の思い、あるいはマリカが持っていた律なき優しい黄金の一部が入ったから、侵攻を止めた、争いをやめたのだと考えられます。
    つまり、分かたれていたはじまりの因果が、再び一つに回帰し、終わりを迎えたということです。

    そしてその巨人が向かった先は、狭間の外。この一体は、後にマリカが褪せ人たちを呼び戻すための使い、あるいは触媒になったのではないでしょうか。

    あるいは巨人たちは、黄金樹の由来に大きく関わっていたという可能性もあります。
    fumi様のご考察のアイデアを少しお借りして、「彼らの故郷に並ぶ巨人樹の一つを、狭間に持ってきて挿し木の一族が挿し木した。それをマリカが黄金に染めて黄金樹となった。」という場合も考えられます。
    そもそも巫子の村の小黄金樹を見る限り、マリカは樹木を黄金に染めることはできても、実際に樹木を(無頼漢のアーツのように)ニョキッと樹立させることはできません。
    そしてそれとここまで述べたことをまとめると、黄金樹の種、あるいは黄金樹の苗は、もともとノクステラの月の物だったのでは、と考えることも可能です。おそらくかつてのアステール飛来時に巨人樹だったそれを金の勢力に奪われた、あるいはわずかな対抗策として巨人樹の種子か苗を飛来させていたのでしょう。
    それとも、ローデイルに永遠の都を建設しはじめた時期頃に、宵眼がノクステラの月から白き巨人樹の苗を戴いていたのかもしれません。
    いずれにせよ、ノクステラの月が巨人樹を狭間に贈り、それが金の勢力に奪われるというシチュエーションは十分にあり得ます。

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    黄金樹の聖杯、霊樹の聖杯、影樹の聖杯はまだわかる。
    巨人樹の聖杯って何?しかも象徴しているのは夜の色。
    これってノクステラの月にある聖樹的なものなのでは?
    それが何らかの理由で狭間の地にもたらされており、「白き黄金樹」の正体なのかもしれない。

    そしてマリカの抱いていた律無き黄金は、本来その巨人樹に宿っていたもので、ウルとラウフから宵眼に受け継がれた、ノクステラの月の秘宝だったのかもしれません。
    誘惑と裏切りがはじまりの因果なら、ノクステラの月もまた、元々は暗黒と一つだった。そう考えれば、回帰のための鍵を持っていたとしても、不思議ではありません。
    メリナが律なき優しい黄金を受け継いだように、マリカも巨人樹の大事な要素を宵眼から受け継いだ、というわけです。対応は取れていますね。
    きっとまだ貴き者たちの英雄墓から大母が抜け出す前に、忍んで宵眼がそこを訪れて、コピーの一人にこれを渡したのではないでしょうか。その時宵眼が連れていたトレントが、その子に反応したのかもしれません。それが後のマリカだった。
    まさにメリナと主人公のような状況が、かつて宵眼とマリカにあったと思われます。

    ただ、このあたりは憶測ばかりです。ナイトレインもからんでますし、今後まだ追加要素も期待できます。ゆっくり、別枠で追って調査していきます。


    〇挿し木の一族が大罪人?

    ところで、黄金樹の罪とは別に、挿し木の一族は大罪人だと捉えている文言が、ナイトレインで登場します。

    地下廟についての一節
    「夜の始まりの大罪人。その罪は、一代では到底贖えぬ
    故に子らを導こう。夜が終わる、その時まで」

    円卓:地下廟

    これは、「挿し木の一族が夜を導くきっかけになってしまったから」ということで語られていますが、ここが黄金樹の根元とうまくかみ合いません。
    黄金樹が夜を吸い上げる、夜を集めるきっかけになっているのであれば、そちらがそもそもの罪です。「黄金樹の罪」という言葉が存在していながら、なぜ挿し木の一族が罪人扱いされなくてはいけないのか。

    いったん挿し木の一族が大罪人であるというのは間違いないと仮定しましょう。そこで、私は以下の三つの説を考えています。

    ①黄金樹の罪の身代わりとして挿し木の一族が罪をかぶることになった。
    ②元々影の巨人たちの故郷由来である巨人樹の幼い苗を、挿し木して黄金にする手助けをした。
    ③挿し木の一族が、本来の予定と違って夜に備えきれていなかった。

    ①は読んで字のごとくなので、それ以上に深堀の余地はありません。
    ②についても先述の通りです。こちらについては確信はありませんが、巨人たちにとってはだいぶ罪深いといえましょう。加えて、その樹木が夜の成分を養分として育つ性質があったなら、確かに狭間にとってもよろしくなかった。
    これも罪の一つとしてあり得ますが、これについてはいったんこれ以上立ち入らないでおきます。

    そこで、③の可能性について少し突っ込んでみます。

    先述してきましたように、挿し木の一族は黄金樹の罪を垣間見たことにより、夜に備える罰を下されます。ここではあくまで「罰」としているだけで、彼らを大罪人と扱っているとは言い切れません。
    しかし、この夜に備えることが不十分になれば、それはかなり大罪と言えるでしょう。
    ですので、挿し木の一族はもしかして夜に備えることができていなかったのではないか、そのせいで、本来回避できた夜の訪れが来てしまったのではないか。と考えられるのです。

    では、夜に備えるのはなぜできなかったのか。
    夜に備えるとは、”無数の宵眼のコピーに大地の底で祈ってもらい、リムベルトパターンを無数に形成、そうして夜を本来の世界から逸らして危機を回避する”、という作戦です。これが尋常ならざる策の一つです。

    しかし、おそらく挿し木の一族のうち数名は、これをしなかったのだと思われます。
    なぜか。
    それは、宵眼のコピーを大地の底に埋めず、助けて連れ出してしまったからでしょう。つまり、誘惑と裏切りです。

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    丁寧に編まれた緒
    それは、本来秘されるべき場所に
    留まった少女たちに握られたものである
    挿し木の一族は誓い合った
    すべて明かさぬまま、その身を捧げると
    しかし彼女たちは、そうするには幼すぎた

    糸ぎ獯

    宵眼のコピーたちはただ生まれただけで、何の罪もありません。それに皆、幼気な少女たちです。それを無理やり糸で縛って祈らせ、石化させて夜の贄とするのは、罪人巫子壺よろしく正気の沙汰ではない作戦です。
    それに心を動かされ、彼女たちの数名を助けてしまった一族がいても、不思議ではありませんね。

    恐らくそれは、円卓の地下に眠る棺8体、あるいは夜渡りの人数分(今後のDLCで増員される可能性もあるため、人数は不確定。)です。だから彼らは、宵眼のコピーを連れ出してしまったことの罪滅ぼしとして、永代まで夜を渡り続けることになってしまったのでしょう。

    まさに、宵眼のコピーを救出することは、誘惑と裏切りそのものです。それすなわち、はじまりの因果ですから、夜の発生の因果となってしまったのです。助け出した分の宵眼コピーの力が足りないため、夜を抑え込めなかった。計算が合わなくなったわけです。

    一方、連れ出された宵眼のコピーたちはどうなったのでしょうか?それは容易に想像できます。
    挿し木の一族の末裔である夜渡り達に注目すると、彼らはみな夜の力で増強していく事が分かっています。つまり、挿し木の一族だけでなく、銀の勢力の血が混じっています。ですので、助けられた宵眼のコピーたちは、挿し木の一族たちと狭間の内外で共に暮らし、子孫を繁栄させるきっかけとなったのでしょう。
    そして、エルデンリング崩壊と共に、その表面上の平和の真実が露わになった、そんなところでしょうか。

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    夜渡りのレベル表示に注目。明らかに夜のルーンの力で強くなっている。
    これはアーツに関しても同様である。
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    夜渡りが強くなればなるほど、夜もまた強くなる。
    尋常ならざる策の一つの強みだろう。
    (画像:Elden Ring Nightreign ロンチトレーラー)



    2.それぞれの英雄墓の現状

    大考察「白き黄金樹」では、英雄墓=大量の宵眼模倣生産工場であることを導きました。
    ところで、これらの工場は現在、どういった状況なのでしょうか。
    それを調査してみます。
    英雄墓は現存する限り、全部で5つ存在します。

    ・貴き者たちの英雄墓(アルター高原)
    ・巨人戦争の英雄墓
    (巨人たちの山嶺)
    ・アウレーザの英雄墓
    (王都外郭)
    ・ゲルミアの英雄墓
    (ゲルミア火山)
    ・辺境の英雄墓
    (リムグレイブ)

    地域的に、リエーニエ、ケイリッドには存在しないようです。

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    大地改革前を考えると、全て北方にまとめられているともいえる。
    英雄墓はどうやらリエーニエをとケイリッド、
    つまりノクステラとノクローンがある地域を除いたところに造られたようだ。

    このうち、貴き者たちの英雄墓と巨人戦争の英雄墓は、それぞれ大母と雪魔女が宵眼模倣を連れ出して逃げていったということを大考察で導きました。
    ただ、英雄墓は全て宵眼模倣が誕生する場所ですので、現在も指の巫女としてこれが生まれ続けている状況でしょう。したがって、基本的に指の巫女たちはこの二つの英雄墓から今もなお発生し、褪せ人の元へと向かっていく強強だと思われます。
    そしてほかの英雄墓に対しては、黄金律がかなりきちんとした対策をとっていることが分かります。


    〇貴き者たちの英雄墓と巨人戦争の英雄墓

    先述した通り、この二か所については大母と雪魔女がコピーたちを連れ出して去っていると解します。
    このような対応は、この二つの英雄墓が似ていることからも導けます。
    光源装置によるトラップ、そしてボスがザミェルの古英雄であること。そういった事情から、両者は無関係の墓ではなさそうなことが見て取れます。
    また、巨人戦争の英雄墓は、それが造られた時代と「巨人戦争」という時代が全く合致していません。英雄墓は銀の勢力の技術が用いられていることから、金と銀の交流時代に造られていることが濃厚です。そうなると、この英雄墓の由来は巨人戦争よりもずっと昔です。
    ここを”巨人戦争の”英雄墓としたのは、雪魔女が宵眼のコピーを連れ出して空っぽになっていたところを、黄金勢力が歴史改変のために利用したのではないでしょうか。

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    巨人戦争の英雄墓にはトロルのはく製がある。
    ここにはもともと女神像の大きいタイプがおかれており、それをあたかも巨人戦争が由来の英雄簿に見せるため、トロルのはく製に置き換えたのではないだろうか。
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    他の英雄墓で、大きいタイプの女神像は珍しくもなく現存している。

    中には確かにトロルのはく製のような者が並べられていますが、ここにはもともと、アウレーザの英雄墓のように、例の女神像が並べられていたと思われます。このように、あたかも巨人戦争の黄金勢力側についた者たちを弔う場として利用して、銀の勢力が立ち入る隙を無くしたのではないかと考えられます。(もちろん実際に弔うという気持ちはあったかもしれませんが。)


    〇アウレーザの英雄墓とゲルミアの英雄墓

    この二つは対策の構図が全く一緒なので、同一の勢力が編み出した手段だと考えられます。アウレーザの状況を見るに、黄金勢力がとった対策ということで間違いないでしょう。

    まず、アウレーザもゲルミアも、戦車が往来しています。動くものがあったらすぐにこれが起動して、すりつぶして轢き殺します。
    そしてどちらも骸骨がいること、特にアウレーザはバジリスクもいることから、こいつらは消毒用として配置されているのでしょう。(バジリスクの死の霧は死に生きる者たちを生み出してしまうものの、銀の成分の消毒に役立ちます。)
    処理した死体はそれぞれ奈落あるいは溶岩に放り込み、片付け完了。
    そして、巫女が発生する根元はそれぞれオルドビスや赤狼といったかなり上位のクラスで監視させています。
    このような完璧な処理方法によって、この二か所から巫女が送り出されることは無いでしょう。

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    アウレーザやゲルミアの英雄墓を行き交う戦車トラップは、侵入者を撃退するだけでなく、英雄墓内で発生した巫女など宵眼のコピーを始末するための物でもあると考えられる。

    なぜここまで徹底するのか。それは簡単です。
    アウレーザはその位置からも分かるように、金の勢力にとって誉ある騎士や英雄たちが祀られているはずです。それらのエネルギーを宵眼模倣などという銀の産物に使われることを、潔癖主義の黄金律が許すはずもありません。戦車の数がやたら多いことからも、徹底ぶりが窺えます。
    一方ゲルミアは、大考察「ラウフとゲルミア火山」より、ラウフ樹の寝床であると考えられます。このことから宵眼模倣などというものを発生させるわけには絶対に行かない。
    そのような事情で、どちらの英雄墓もかなり徹底した処理がされているのでしょう。


    〇辺境の英雄墓

    となると、辺境の英雄墓はいかがでしょうか。
    ここは、女神像の数から特に宵眼模倣が多く発生したと考えられ、またそれを誇張するように巨大な女神像もあります。

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    接ぎ木の貴公子が守る、巨大な女神像聳える礼拝堂。

    ただし、入り口はインプの封印で塞ぎ、戦車も動かし、出口には毒沼を敷き詰め、発生した模倣達はいずれかの方法で死ぬか、あるいは野垂れ死にます。対策は取られているようですね。
    特にここは接ぎ木の貴公子がいることも特徴にあり、他にもストームヴィル関係の敵が霊体として出現します。
    ストームヴィル城に攻め入ったのがゴッドウィン、そしてリムグレイブが彼の管轄下であったと考えると、恐らく挿し木の一族が宵眼模倣を連れ出してリムベルトを作ったのは、ここではないかと考えられます。
    そのような意味で、この英雄墓は特別な場所だと言えましょう。

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    最深部には、根っこが直接接続している意味深な棺がある。

    そして、最深部の棺。これは謎ですが、ここから根が発生している、あるいは、この棺めがけて根が伸びていると見ることも可能です。
    すると、ここには根が養分とすべき夜にまつわる何かが眠っていたのではないでしょうか。夜の種火的な何かです。聖体ともいうべきものかもしれません。
    ナメレスは死体の山からはいずり出た後、世界を呪う憎悪から夜の雨を導きました。その後、彼はこの場所を訪れてここにあったそれを暴き、夜の王の資格を得たのではないでしょうか。もしかして、彼の握る月光剣がここに眠っていたとか?分かりませんが、夜にまつわる何かがあったのは間違いないのではないでしょう。
    (自説ではナメレスは、かつてのリムグレイブ、リムベルト王国の無名騎士だったと導いています。)


    こうしてみてきましたが、各英雄墓はほとんどがもう宵眼模倣が生み出されないように徹底した処理工程が確立されています。
    それでもまだ指の巫女が現れるところをみると、恐らく貴き者の英雄墓、巨人戦争の英雄墓はそれを黙認している可能性がありますね。大樹根はおそらく黄金樹によって改変され、今黄金樹と繋がっている英雄墓はもう貴き者たちの英雄墓とアウレーザの英雄墓だけかもしれません。
    そうなると、指の巫女の発生場所は貴き者たちの英雄墓となりましょうか。だから、黒き刃の暗殺者とゴッドウィン系列のランサクス、王都古竜信仰騎士たちがあの一帯を護衛しているのですね。
    巫女たちを赴くままに生き、旅立たせるために。だから、「貴き者たち」と呼ぶのでしょうか。



    3.風車村ドミヌラの惨劇

    〇秘密の目的

    貴き者たちの英雄墓から旅立つ模倣巫女たち。
    古くは彼女たちの行き場は、近場の風車村ドミヌラだったかもしれません。
    ここではその路線で考えを巡らせていきます。

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    可憐な花咲き誇るドミヌラの村。
    彼女たちはもともと、貴き者たちの英雄墓から来た宵眼模倣の巫女たちを受け入れ、かくまう役割を担っていたのかもしれない。

    そうなるとドミヌラはおそらく、マリカがかなりテコ入れした村だということになりますね。また、「年乙女」という祝祭の主役が青(というか紫)色の布を纏うようですが、これが匿われた巫女のことでしょう。イメージカラーも近しいです。

    模倣巫女たちは貴き者たちの英雄墓から出てくると、ランサクスや黒き刃、ゴッドウィンに忠誠を誓う王都古竜信仰の騎士たちに見守られながら、ドミヌラにやってきて、たどり着くと歓迎され、村全体で大いにお祝いする。
    そういう文化の村だったのではないでしょうか。
    マリカが大切にしそうな文化ですね。
    そしてだからこそ、ここに神肌も招かれているのでしょう。彼らは宵眼模倣を護る用心棒としての役割もあるのだと思います。
    稀人たちや村にやってきた先輩巫女たち、賓客として呼んだ神肌も交えて祭りを盛り上げる・・・ように見せながら、実は模倣巫女たちをかくまう場所としても機能していた。そしてマリカはあくまで自分の故郷の同胞たちだからと主張し、黄金律にその村の全てを黙認させた。
    やりますね、マリカ。風車村ドミヌラは、まるで巫子の村のように素敵なところになっていったことでしょう。

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    通常の布は、現黄金律のシンボルが掲げられているが、
    下部はちゃっかり原初黄金樹の一部であるトンガリが描かれている。
    宵眼の抱いた律の形をリスペクトしているのだろうか。
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    「年乙女」のみが纏うとされる色違いの布。そこには神肌の模様が描かれており、
    宵眼模倣が誕生を歓迎されているようにも感じる。
    その年にやってきた宵眼模倣を歓迎するための物だろう。
    すると、模倣は年に数人くらい誕生する計算だったのかもしれない。

    風車の村、ドミヌラの祝祭で用いられる
    踊り子たちのフード
    青く染められた美しいそれは
    祝祭の主役、年乙女にだけ許されるものだ

    祝祭の青フード
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    神肌は宵眼模倣が匿われている村だと聞きつけて、
    祭りになると賓客として招かれておきながら、一方で守護神的役割も担ったのだろう。


    〇醜く変貌していく風車村

    しかし皆様、忘れちゃいけません。これはフロム・ソフトウェアが製作したゲーム「Elden Ring」です。そんな平和な場所が平和なまま終わるわけがありません。美しく素晴らしい平和な姿があるなら、それが崩れ行く様はその美しさとフェアなほど醜くなるものです。いつもの哲学ですね。

    村の平和も束の間、だんだんとドミヌラの空気も怪しくなってきたでしょう。
    事の発端は乳母たちの処刑ではないでしょうか。
    おそらく乳母たちは、このドミヌラの村から王家に仕える預言者兼乳母として上京した者たちだと考えられます。しかし、彼女たちはいつしか、黄金樹の破滅を預言してしまいました。
    仕方ありません。彼女たちも元々、宵眼の模倣ですから。黄金樹(エルデの獣)に宿った宵眼の追憶が、彼女のかつて見た、小黄金樹が焼ける景色を映し出してしまったのでしょう。
    そして、銀の勢力が今、反旗を翻そうとしているということも。

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    もっとも不吉な預言に由来する祈祷
    (略)
    預言者は、黄金樹を見上げ絶望する
    もうすぐに、種火が滅びを燃え上がらせる
    …黄金樹を焼くは、原初の大罪
    人の身には決して許されぬことじゃ

    灍ぎ大罪
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    火の大罪は絵画「飛べない鳥」から入手できる。
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    絵画の場所はドミヌラの崖際。
    この絵画の名前はもともと「預言」であろう。ゴッドウィンがドミヌラの絵師に描いてもらった絵画を円卓へ持ち運ぶ際、自身が統治するリムグレイブ地方で描かれた絵画「飛べない鳥」と名前をすり替えたのだと思われる。おそらくラダゴンのドミヌラへの警戒を逃れるためではなかろうか。

    乳母たちがもたらした大罪の預言をきっかけに黄金律、とりわけラダゴンが不可侵条約を破り、ドミヌラに騎士兵士を連れてやってきたのでしょう。村は乳母たちの故郷ですからね。
    ラダゴンは村に入るなり何も言わず、村人たちの顔をよく見ると、眼を閉じた者ばかり連れ出して、皆を霧の森へ追放してしまいます。そして彼女たちの眼を潰し、そこに分解者たるミミズを植え付けて、小黄金樹の守り人として生きる罰を与えました。
    黄金律にとって宵眼模倣の血は、分解者によって正しく取り除かれるべきですからね。
    こうして、霧の森に棲むミミズ顔たちの誕生です。

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    貴婦人のような服を着たミミズ顔のボス。
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    ドミヌラにあるのと同じ可憐な花に囲まれて、悲しそうにうずくまるミミズ顔たち。
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    ミミズ顔の纏う布は、ドミヌラのそれとも似た質感である。
    ふちに並ぶけばけばみたいなのもそっくり。
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    ドミヌラの布のふちにも、ぼろぼろのけばけばがついている。
    全身に纏う布、というつくりも同じである。

    おそらくこのような惨状を見かねたフォルサクスやランサクスが、ゴッドウィンと相談をして霧の森のミミズ顔たちを数名さらい、ファルム・アズラへと送ったのではないでしょうか。
    「時の狭間や狭間の外にいくことで、彼女たちを元に戻せないだろうか。」
    そのような淡い期待を込めて。
    しかし、それも徒労に終わってしまいました。

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    ファルム・アズラのミミズ顔はもともとここにいたわけではなく、霧の森から古竜たちによってこの一角に運ばれてきた。ここは狭間の外。あるいは時の狭間の近く。彼女たちを元に戻せないかという希望があったのだろう。しかしその結果は、ご覧のとおりである。


    一方、現状のドミヌラを見ると、どうやらラダゴンの介入とはまた違った要素で村がおかしくなっているようです。

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    踊りすぎて目が回ったのか?
    いや、どうやら木のそばに立つヴァヴァアは腕を抑えて苦しそうにしている。
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    死体のそばで鉈をなめるヴァヴァア。
    あたしったら、血の味覚えちゃった<3

    腕はミミズ顔のように異様に伸びて、何やら内側にあるものに蝕まれているような様子です。どうやらこの辺りは空気も曇っていますし、よからぬものが漂っているみたいですね。
    空気といえば、銀の勢力はエルデンリングが壊れた後、王都をはじめ高地の空気に金属成分を混じらせて、漂い始めています。(大考察「ラウフとゲルミア火山」にてご説明したように、銀の勢力、とりわけラウフの持つ成分は空気中に混じります。)
    これがドミヌラの巫女たちの内にある銀の成分と反応して、彼らを異形化させてしまっているのかもしれません。どうやら彼女たちの血は毒も宿しているようなので、幽鬼のような感じでしょうかね。

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    ヴァヴァアは腕をかみ、血をまき散らす攻撃をする。これにあたると毒の状態異常値が蓄積する。
    幽鬼が体内から毒をまき散らすのと似ている。
    眼も赤く、赤の勢力の元締めであるラウフの介入を感じさせる。

    そして風車は、むしろ銀の成分を高地全体に送り込むための触媒となり、ますます狭間の地には銀の毒が蔓延していきます。
    王都を離れる貴人たちも、みな野垂れ死んだり、体内を泥濘の蛆虫に食い尽くされる始末です。
    ドミヌラはもはや、銀の勢力の施設として機能を持ち、平和な姿はどこにもありません。

    空気に毒が混じり、姿の見えない脅威となって
    都をはじめ清浄な土地が侵されていく。
    この発想は、フロム的にもしかしたらコロナから
    発想を得たのかもしれませんね。
    Elden Ringの製作時期とコロナ蔓延期は重なっています。

    彼女たちに残されている道は、銀の成分を受け入れ人あらざるものへと変貌していくか、人として抗うために、踊り続けることなのかもしれません。
    それが挿し木の一族、流水の剣の伝承でもありましたから。
    だからこそ、ミリセントが共闘できる場所なのでしょうかね。人として宿痾に抗うために、舞う。そのヒントが彼女なのだろうと思います。

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    処刑場。
    混種が恨みを込めて村人を殺すのは、ラダゴンの指令か、あるいは混種なりの村人への慈悲か。
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    ネズミであふれかえっている風車小屋があるように、この地一帯はすでに泥濘に侵されている。
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    褪せ人と指の巫女と思われる二人を、泥濘に侵された者たちと共に焼き、踊るヴァヴァアたち。
    彼女たちなりに、巫女だの泥濘だのといった宿痾に抗うための、必死の抵抗なのかもしれない。
    踊りは流水の剣、またそれと同様の剣技が伝わっているラーナの踊り子のように、
    空気中の銀に抗い、それを燃やし、命を繋ぐための重要な手段である。

    ラーナの踊り子たちの真っ赤なドレス
    舞いや踊りの攻撃を強化する
    ラーナの舞踏は、燃えるような熱情である
    極まった踊り子は、その名前すら失くしてなお
    熱い舞いを終えることはない
    熱情が冷めるのは、命が終わる時だけだ

    踊り子のドレス

    そういえば、腕をかむと言えば「あの子」も腕をかんでトランスします。

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    腕をかんでトランス状態になる。

    大考察「白き黄金樹」で述べましたように、ハルモニアなどと同様で葬儀屋もおそらく宵眼のコピーだと考えられます。彼女は夜渡りの中でも、挿し木の一族に助けられた模倣たちの血を多く受け継いだのでしょう。
    そしてその血は、やがて毒や人あらざる力を宿す。
    宵眼模倣たちの、宿痾ともいえるものでしょう。

    そしてドミヌラのヴァヴァアたちは全員この血吐き攻撃をします。
    もうここにいるのは、模倣巫女の成れの果てだけなのかもしれません。
    だから、神肌はむしろ祭りを楽しんでいられるのではないでしょうか。
    ドミヌラはもう、銀の勢力に制圧されたようなものですからね。

    そんな村の彼女たちが片方しか三つ編みを残していないのは、マリカへの忠義でしょうか、それとも、これもまた宵眼模倣達の知られざる宿痾なのでしょうか・・・?
    それは分かりません。しかし、決してこれだけはは悪い意味はないと信じたいですね。

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    可憐な乙女たちは、宿痾に抗い続けるため、永遠に踊り続ける。



    3.黄金律原理

    〇二つの原理

    エルデの獣が意志を持った状態の黄金律と比べると、黄金律原理というものは全く異なる思想、体系だったことが読み取れます。
    黄金律原理は二つの原理で説明されており、普通に読むだけだとかなり難解なのですが、その中の本質を抜き出して考えると、かなり明瞭な意味があります。

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    因果性原理。因果とははじまりであり、誘惑と裏切りと同義。

    黄金律原理主義の祈祷
    その根本をなすひとつ
    小さな因果の輪を体に宿し
    一定量の攻撃を受けると、自動的に反撃する
    原理主義は、黄金律を二つの力で説明する
    それ即ち回帰と因果であり、因果とは
    万物を関係性の連環となす、意味間の引力である

    因果性原理
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    回帰性原理。回帰とは終わりであり、全てがありのままの姿に戻ることである。

    黄金律原理主義の祈祷
    その根本をなすひとつ
    あらゆる状態異常と、特殊な効果を消し去り
    あらゆる擬態の正体を暴く
    原理主義は、黄金律を二つの力で説明する
    それ即ち回帰と因果であり、回帰とは
    万物が不易に収斂しようとする、意味の引力である

    回帰性原理

    これと一方で、黄金律の大本となる”黄金”についても、以下のように語られています。

    …ミケラ様は、仰っていた
    はじまりは、誘惑と裏切りだった
    黄金はそうして生まれ
    また、影も生まれた

    針の騎士、レダ

    棄てられたミケラの大ルーン
    完全に壊れており、恩恵が戻ることはないが
    ただ、魅了に抗う力だけが残っている
    ミケラは、影に隠された塔に向かった
    その黄金の身体も、力も、宿命も
    全てを棄てて
    はじまりから続く因果を超えて
    全てを抱く、新しい神になるために

    ミケラの大ルーン

    黄金律原理は「因果」と「回帰」によって説明され、また因果とははじまりと結びついていることが示されています。
    となると、回帰は必然的に終わりと結びついているわけで、確かにエンディングに関わるアイテムにちゃんと「回帰」という言葉が使われています。

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    死衾の乙女、フィアが宿したルーン
    エルデの王が、壊れかけのエルデンリングを掲げる時
    その修復に使用できる
    それは、2つの欠環が合わさった聖痕であり
    死に生きる理を、律の一部とするものである
    黄金律は、運命の死を取り除くことで始まった
    ならば新しい律は、死の回帰となるであろう

    死王子の修復ルーン

    つまり、黄金律原理というのは以下のように考えられます。

    「はじまりの因果、すなわち誘惑と裏切りによって黄金を生み出し、また影も生む。その先で誘惑と裏切りという因果を越えられれば、それが何らかの律へと回帰する。」

    意味の引力とか意味間の引力というのは難解ですが、少なくとも因果と回帰については上述したような意味で成立していると考えてよいでしょう。
    すると、これが律の原理であるなら、例えば金仮面の完全律が何をしようとしていたのかは明確になります。

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    金仮面卿が見出したルーン
    エルデの王が、壊れかけのエルデンリングを掲げる時
    その修復に使用できる
    それは、黄金律を完全にせんとする
    超越的視座のルーンである
    現黄金律の不完全は、即ち視座の揺らぎであった
    人のごとき、心持つ神など不要であり
    律の瑕疵であったのだ

    完全律の修復ルーン

    金仮面は神から心を取り除く、完全システム的な律を構築しました。これは、確かにはじまりの因果を越えられるものです。なにせ心がないなら、誘惑と裏切りは起こりませんからね。
    こうやって、いかにはじまりの因果を越えていくかによって、新たな律が生まれる。これが黄金律原理、本来の黄金律の姿だと言えましょう。

    もちろん、このような「回帰」という概念は、糞喰いの見出したルーンにも当てはまります。

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    糞喰いが宿した忌まわしいルーン
    エルデの王が、壊れかけのエルデンリングを掲げる時
    その修復に使用できる
    それは、子も、孫も、その先も
    永遠に続く忌み呪いの病巣である
    律のすべてが穢れてしまえば
    すべての穢れは、穢れでなくなる

    すべての呪いに祝福あれ

    忌み呪いの修復ルーン

    ずいぶんと厄介な修復ルーンですが、これはこれで、はじまりの因果によって分かたれた黄金と影、それが再び混じり合って、大いなる一つへと戻っていく過程が示されます。したがって、黄金律原理の回帰とみなせる十分な答えとなります。

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    そして、言うまでもなく特に修復ルーンを使用しない場合は、ラダゴンが修復しようとした形がそのまま壊れかけの形で回帰するのでしょう。
    これまでの中からエルデの獣の意志を取り除いた状態ですね。

    そうして、「因果」と「回帰」が始まりと終わりに結びつくと、次の事物にも結び付きます。つまり、「行儀のいい振り」と「赴くままの姿」です。
    「万物を関係性の連環となす、意味間の引力である」というのは外部と個人との関係によって成立するこのを指しており、一方で「万物が不易に収斂しようとする、意味の引力である」というのは個人の中に全てがまとめられることを指しています。
    親の前でいい子ちゃんになろうとしている幼子が、様々な誘惑と裏切り、色々な関わりの中で経験や知恵を吸収し、それを自分の中に落とし込んで本当の意味でいい子になる。あるいは、最初はマネをするだけ、模倣にすぎない行儀のよい態度が、あらゆる経験を通じて本物の態度になる。
    因果と回帰とは、生物の教育原理、他者と自分、そういった物事に結びつくものなのだと考えられます。

    となると、王に近づいた者たちは、そろって回帰が得られなかったことが敗因と言えましょう。
    因果性原理ばかり使って回帰を得られなかったのがギデオン、いつまでも自分の中に黄金律の真実を回帰できなかったのがラダゴンといったところでしょうか。
    皆、はじまりの因果を越えることはできていませんでしたね。

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    知力と信仰で黄金律を得たつもりになっちゃダメなのよ、ラダゴン。
    やっぱりそれだけでなく、ありのままの自分も受け入れられなきゃ。

    火の巨人の、燃えるような赤髪を
    編み込み束ねた太鞭
    巨人たちは、皆一様に赤髪であり
    ラダゴンは、自らの赤髪に絶望したという
    それは巨人の呪いだったろうか

    塨人ぎ辤鍪


    〇大いなる意志のやり方

    こうなると、黄金律原理はとにかく誘惑と裏切りを乗り越え回帰にたどり着くのが絶対条件となることが分かります。そうすることで新たな律を敷くことができるのですから。
    すると、黄金律をちゃんと生み出すには、まずそもそも誘惑と裏切りが起こらなくてはならないという前提が発生しますね。
    誘惑は銀の勢力の専売特許ですから、金の勢力はそれに対してカウンターをとるように裏切りを行います。そうすると、はじまりの因果が起こり、律を生み出す準備段階に入ります。そして、見事それを乗り越えられる状態が出来上がったとき、回帰が起こり、晴れて金の勢力の勝利、黄金律が新たにまた完成する、ということになります。

    そのように考えると、実は大いなる意志は、別に獣や指たちを見限って捨てているわけではないのではないでしょうか。
    黄金律原理に従えば、裏切りが必要条件であり、また誘惑と裏切りとかいう難しそうな因果を越えて回帰をもたらすには、大ボスである意志が干渉するのはむしろ避けるべきです。
    ですので、大いなる意志ははじめに統治の指南だけ獣や指たちに行い、いざ銀の勢力が大きな動きをした(メーテールを壊すなど)時に、カウンターを取って銀の勢力を徹底阻止、それから交信を断って、残された金の勢力たちにあがいてもらう。そうすれば、彼らが誘惑と裏切りを乗り越えられる力を身に着けていく。

    まさにフロム・ソフトウェア作品みたいなもんですね。丸投げされて右も左も分からないけど、あがいてなんとかやっていると、どうにか戦えるようになる。攻撃の誘惑を我慢したり、様々な裏切りを乗り越えて、エンディングにたどり着けるようになります。これと同じような流れを、星侵略単位で行っているのが、大いなる意志と言えましょう。

    このあたりは、月や星々、あるいはカーリア王家、ウルやラウフが積極的に介入する銀の勢力とは対照的ですね。銀の勢力がトップダウンなら、金の勢力はさながらボトムアップというところでしょうか。
    だから、絶対王権っぽいラダゴンはだめで、温かく見守るマリカは成功したのでしょう。

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    前線を突き進む王配ラダゴンは、やはり黄金律には向いていない。
    ルールを握るトップが先陣を切るのは、戦いならともかく、運営と管理の手法には悪いようだ。
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    失敗しても温かく受け入れ、無条件の肯定をしてくれるボトムアップ方式が、
    結局のところ黄金律原理には向いている。大いなる意志はそれをよくわかっているのだろう。

    それに、大いなる意志は暗黒、つまり宇宙の背景が勢力です。それに比べてノクステラの月はなんだかんだ星を無数に従えていると言っても、その規模の大きさは大いなる意志に遠く及びません。
    星一つくらい取られたとしても、大いなる意志はそこまで痛手には感じていないでしょう。それくらい余裕があるゆえの、侵略手段でしょうか。これまでもそうやって息子や娘たちを星に送り込んでは、途中から丸投げして、うまく律を敷かせることができていたのでしょう。

    しかし、今回はどうだったのでしょうね。なにせ指殺しの刃なんていうものを銀の勢力は作り上げました。

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    銀の勢力の最強チートアイテム

    永遠の都、ノクローンの秘宝
    遺体から生まれたとされる刃
    永遠の都の大逆の証であり
    その滅びを象徴する、血濡れた呪物
    運命なき者には振るうことはできず
    大いなる意思と、その使いたちを
    傷つけることができるという

    指殺しの刃

    さすがに夜の律が敷かれる場合は、大いなる意志も警戒しなくてはいけないのではないでしょうか。エルデンリングの力を侮らない方がよさそうです。



    4.メリナの宵眼

    もし狂い火エンドかつメリナが生存状態であれば、ブチギレした彼女を見ることができます。

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    ブチギレ

    そして、何より衝撃的なのは、メリナの左目が開いており、そしてその色は暗紫、つまり宵眼だということです。それが画面ごしにプレイヤーめがけて向けられ、エンディング。ある意味最も恐ろしい終わり方です。
    このエンディングはおそらくエルデンリング物語の中で最もバッドエンドと言えるものでしょう。そのことについて述べていきます。
    それに、なぜメリナは宵眼を抱くのか。これについても考えてみましょう。


    〇狂い火エンドは「エンド」ではない

    そもそもの話からします。
    狂い火エンドは、実のところ世界観的には全くエンドとは言えない代物です。なぜなら、黄金律原理が示すような回帰が、まったく成されていないからです。
    アイデアの発端は考える金仮面卿様の以下の御説よりお借りしたものですが、そこから私なりに考えを広げてみます。
    まず狂い火を司る三本指というのは、恐らく銀の勢力に対し劣勢かつ金の勢力に打つ手がなくなった負け戦の状況になったとき、一緒に吹っ飛んで夜の律を阻止するためにある金の勢力の最終手段を担っています。
    つまり、星を破壊する緊急核自爆システムのようなものだと考えられます。ここまでは、氏の御説と同じです。

    大いなる意志は、狭間の星合戦で銀の勢力に負けるのはさすがにまずいというのを分かっているのでしょう。そのための、引き分けカードとして三本指を用意したのですね。
    そして、これの起動方法はとても簡単で、エルデの王候補者に丸腰になってもらうだけです。つまり王の候補者が丸腰ということは金の勢力の敗北が決まったということでしょうから、三本指が全てを大いなる一つに戻し焼き溶かすために、そいつへ狂い火を受領します。
    ヴァイクは鎧も来てるし武器も持っているしで、全く金の勢力が劣勢でなかったから、受理させてもらえなかったのでしょうね。とりあえずそこら辺の銀の勢力を溶かせる戦力として、狂い火を植え付けたといったところではないでしょうか。

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    三本指は、本当の緊急事態にならない限りは戦力として狂い火を植え付けていくだけだろう。
    ミドラーは恐らく対話の末に、真の力を受理してもらえなかった。
    恐らく三本指的には、まだ世界を滅ぼすには時期尚早だったのだろう。
    ミドラーが仮に世界を焼きたいと願っていたとしても。

    三本指も、世界の状況はシャブリリを通じて分かっていますから、さすがにだんだんと、「もう詰みなんじゃないか」と諦観に入っていたのではないでしょうか。そんな時期に、主人公はやってきてしまったのですね。
    ですので、あとは状況に応じて狂い火を植え付けた指の巫女などを使って、主人公を起爆装置として誘えば準備完了です。(誘惑)

    そして、最後にマリカの望み、エルデの王誕生を裏切って、星を焼き溶かすだけです。(裏切り)

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    うおおおりゃあああ!!!

    つまり、狂い火エンドはあからさまに誘惑と裏切りが要素に盛り込まれており、このことから、黄金律の状態を再びはじまりの因果のところへとリセットするのがこのルートということになります。
    ですので、物語的には「エンド」ではなく、振り出しに戻った状況となります。
    おそらく狂い火の王となった主人公は狭間の星を全て焼き溶かして自爆させた後、再び次の標的となる星に飛来して、黄金の流星となるかあるいは狂い火の伝道者(シャブリリ的存在)となって、次なる黄金律完成まで潜むことになるのでしょう。


    〇残されたメリナと指笛

    ただし、狂い火の王はここで、メリナだけ焼き損ねてしまいます。
    なぜ霊をも溶かす狂い火に星が焼かれたにもかかわらずメリナが生き残ったのか、それは単純な理由で、黄金樹が身代わりになったからですね。
    黄金樹は、枝打ちしてお守り袋に入れると身代わりの存在となることは、先述した通りです。

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    白枝が身代わりとなる効果を持つなら、黄金樹自体もまたその力を有するのは自明。

    折れそうに細い、枯れ枝のタリスマン
    死亡時にルーンを落とさず
    替わりに、このタリスマンが失われる

    それは、古い時代に枝打ちされた
    黄金樹の一部であるという

    犠牲の白枝

    つまり、黄金樹が狂い火によって破壊されたとき、それが誰かの代わりとなったため、行き残すことができる人物がいるということです。
    そして、それがメリナだったのです。

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    彼女は霊体から実態へと復活し、その場に残っていた金の指笛を拾います。それは狂い火に焼かれており、恐らくトレントは生き残っていないでしょう。
    しかし、この指笛がトレントのダイイングメッセージでもあり、メリナにとっての希望となりましょう。
    なぜなら、これは柔らかな金でできており、黄金律ではなくマリカの黄金、優しいだけの律無き黄金が由来だからです。
    これが、残された希望のエルデンリング。
    そしてそれだけは、狂い火でも焼かれないことが証明されました。

    これがあれば、メリナはもう不死身です。理由は、宵眼を抱く意味と共に明らかになります。


    〇メリナが宵眼を抱いた理由

    そして、いよいよなぜメリナが宵眼を抱いたかについてです。

    おそらくメリナの左目は、別にもともと宵眼を抱いていたわけではないと解します。
    というのも、まずマリカは器であり、メリナはそのマリカの子ども。そして特に、マリカの優しいだけの律無き黄金を受け継いだ子です。律無き黄金は先の大考察で述べたように、あーだこーだと何かを決めつけるのではなく、ただ優しく包み、肯定する器です。
    ですので、メリナも器としての要素を持っており、自分、あるいは誰かが望んだ受け皿となってその瞳を開く。そのときに色が決まるのだと考えられます。(不確定性原理的な要素。)

    誰がメリナの瞳の器に意志を与えたのか。
    マリカはすでに神になると決めたときから、意志を抱くつもりもありませんでした。であれば・・・。

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    この色・・・。

    それは、黄金樹に宿っていた宵眼の他に居ません。
    だから、メリナの左目は宵眼の色に決定されたのです。

    黄金樹やエルデの獣に宿っていたように、黄金樹が狂い火によって焼かれ破壊されたときに、メリナに宵眼が宿ったのです。そして、かつて自分の娘たちが殺されたときのように、復讐を叫びます。狂い火の王を殺せと。
    そして宵眼は本来、神です。星の原理上、狂い火の王が「王」として存在しているため、もちろんそれに対応する「神」もいるはずです。そしてこの星の遺物である柔らかい金(エルデンリング)がある限り、この原理も残り続けます。
    ですので、メリナはここで宵眼を宿し、主人公を殺すための「死神」となったともいえるでしょう。
    神になるための多大なエネルギーは、身代わりとなった黄金樹で十分です。
    メリナは実体どころか、神として復活し、主人公を殺すことを使命として宇宙へと追いかけます。

    そうなると、メリナも実は神人だったということですね。
    そして神人とは、瞳が器の状態で開かれない定めなのだと考えられます。

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    ラニ本人と思われる霊体姿も、左目が開いていない。これは神人ゆえだろう。
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    BonfireVN様の解析動画より、ミケラの素顔は両目が開いている。(開けられる。)しかし・・・
    (画像:Miquella - Face Reveal)
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    ミケラと同じ宿痾を抱いて生まれたマレニアは、両目がふさがっている。(開けられない。)
    やはり神人とは、開いている眼と開いていない眼が半々のようだ。
    そして開いていない眼が、次代の器となる。

    まとめると、メリナが宵眼を抱いたのは、神人たるメリナに神であった宵眼の意志が器として入り込み、それが瞳の中に映し出されたからだと考えられます。


    〇運命の死

    しかし、一点だけ疑問が残ります。
    なぜ、メリナの髪の毛は静電気を大量に含んだみたいな逆立ち方をしているのでしょう。
    なぜ、メリナは最後に、「運命の死」と口にするのでしょう。
    もちろん、もう黄金樹も霊樹もありませんから還樹はできませんし、黄金律がない今、何があっても”死=運命の死”ということになります。そもそも運命の死と普通の死を言い分ける必要もなくなります。

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    めっちゃ髪が逆立ってるやん。

    …狂い火を、受領したのね
    だったら、貴方とはもう、相容れない
    共に旅をするのも、もうこれまで
    …そして、覚えておいて
    もし貴方が、本当に、混沌の王になったなら
    …私は貴方を、殺すだろう
    それが、貴方にルーンの力を与えた、責任だから

    …さようなら、貴方
    トレント…

    メリナ

    狂い火の王…
    …必ず、辿り着いてみせる
    …そして貴方に
    運命の死を

    メリナ

    運命の死とは、言い換えれば「終わり」です。もっと言い換えると、それはつまり「回帰」を指すのではないでしょうか。

    ここからは憶測ですが、おそらくメリナは、狂い火の王を見つけ次第心中すると思われます。
    なぜなら、彼女は現在、狭間の星の概念における絶対の神となっており、そして狂い火の王は絶対の王です。そして神が律を司るため、メリナがいる限りお互いは不滅、ゆえに不死身です。ですので、誰も現状、メリナに対しGOD SLAINができない状況です。
    おそらく狂い火の王でもメリナは殺せません。なぜなら主人公が神狩りに利用していた、はじまりの因果を越えるための柔らかな金の指輪が、メリナの手元にあるからです。
    つまり、両者が滅ぶには、相打ちしか方法がありません。
    そしてそれはつまり、この星の要素として生き残ったメリナと主人公が、大いなる一つへの「回帰」をすることに繋がります。
    そうして回帰がもたらされると、ようやく新しい律が黄金律原理によって完成します。それが優しい黄金の律となるのか、それともメリナに宿った宵眼によって夜の律になるのかは分かりませんが、新たな律は生まれます。
    これが、メリナの、彼女が自分で決めた使命です。それは一切ぶれていません。

    …貴方がもし、狂い火に向かっているのなら
    それだけは、やめて欲しい
    あれは、触れざるもの
    全ての生を、その思いを喰らう混沌
    この世界がいかに壊れ、苦痛と絶望があろうとも
    生があること、生まれることは
    …きっと、素晴らしい

    だから貴方に、王を目指す貴方に、それだけは否定して欲しくない
    …狂い火に向かうのは、やめて欲しい

    メリナ

    金でも銀でもいいから、回帰をもたらして再び何らかの律の下、新たな芽吹きが生まれる世界を作る。
    そのために、主人公と共に滅びる。
    これこそ、メリナが主人公へと向ける「運命の死」ということになるでしょう。

    なんてロマンチックなヒロインなんだ。

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    一番良いのは、
    狂い火受領⇒黄金樹を焼く⇒時の狭間で狂い火を除去⇒エルデの王になる
    というルートだろうか。
    使命がなくなったとて、生きてはいける。彼女の覚悟には悪いが。
    エルデの王になったら、まずメリメリとちゃんと話そう。



    はい。これにて、大考察「白き黄金樹」にて皆様と共有したい深遠の考察旅は、回帰となります。
    お疲れさまでした。皆様にとって良い刺激になればと思います。

    では、今後の考察もお楽しみに!


    ビッグハットP.Dでした。

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