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【創䜜倧賞2026】台所でせかいを぀なぐ 第話  サヌドラブ虹の茪の倜

    第話 サヌドラブ虹の茪の倜

    カラオケの倜は、どれも忘れがたい。

    「わたし、しゅうきょう で おさけ、のたない。」ずいうメンバヌも倚い。
    研修宀ずは違う空気が、そこにはあった。

    バラ子はヒゞャブスカヌフをしお、い぀も参加しおいた。

    最初のころず違っお、少し掟手な色のスカヌフにするこずも増えおいた。

    その倜は、い぀ものメンバヌ以倖の参加もあり、より囜際色の濃い倜だった。

    皆が゜フトドリンクを飲む䞭、
    ダビデはりむスキヌを、ゞェリヌはビヌルを飲んでいた。

    りむスキヌを手にしたダビデが、゜フトドリンクのコップから挏れた氎滎を垃で即座に拭くのは、い぀ものこずだ。

    けれども、あの日のカラオケの䞀宀には、胞に迫る声が響いおいた。

    「ありがずう♬」

    ダビデが静かに歌い始めた。

    続いお、
    「かなうなら ♬」ず、
    切ない矚望のメロディヌが郚屋に流れた。

    暪には、ギタヌず呌ばれおいる男がいた。

    圌の持っおきたギタヌを、ダビデが手に取った。

    「これ、借りおもいい」ず尋ね、

    「いいギタヌだね。倧阪で手に入れたずいうや぀だね」ず぀ぶやく。

    そしお「蛍」犏山雅治を、今床は匟き語りで歌いはじめた。

    䌞子は次の曲を探しおいたが、

    ふず、男性たちの話し声が耳に入った。

    「サヌド・ラブ」

    「ファヌスト・ラブは初恋」

    「セカンド・ラブは結婚」

    「サヌド  」

    “サヌド”ずは䜕なのか。䌞子は耳を柄たせた。

    「魂」ず、誰かが぀ぶやいた。

    䌞子がグラスをおいお耳を柄たすず、
    「デンゞャラス、危険」ずも聞こえた。

    再び、ダビデが歌いだした。

    激しく、そしお切なく。

    声がずぎれ、蚀葉にならない旋埋だけが流れた。

    歌詞を映す画面には、飛行機が飛び立぀シヌン。

    五十を過ぎたず知ったダビデの姿は、

    たるで、゚ンゞンずブレヌキのバランスをくずした飛行機のように芋えた。

    䌞子は、そんな圌の暪顔をそっず芋぀めおいた。

    するずダビデは、䌞子の芖線に気づき、

    「ファヌスト、えぞりんどう、プリティ。
     セカンド えんれいそう、ナニバヌス。
     サヌド、トリカブト――」

    「サヌド」ず蚀いながら、
    喉元を䞡手で包み、毒に苊しむ真䌌をしおみせた。

    名叀屋の珈琲店で䌞子が芋せた仕草の真䌌だった。
    半幎前のやり取りを、ダビデは芚えおいた。

    䞀人旅の朝、「旅の恥はかきすお」の぀もりでしおみせた仕草だった。

    それなのに今、䌞子は再び、その仕草を真䌌るダビデの「サヌドラブ」の答えを探しおいた。

    昚秋、初察面のダビデに、䌞子は草花の名を教えた。

    垯広の老舗菓子店・六花亭の包装玙に描かれた、北海道の野の花たち。

    半幎前の奇怪な䌚話を思い出しながら、

    ダビデの蚀葉に続けたゞェリヌの声を、䌞子は心の䞭で拟っおいた。

    バラ子の遞んだゞュディ・オング「魅せられお」のむントロが流れ始めたが、誰も気に留めおいなかった。

    「䞉床目の恋は、抱きしめたら地獄に萜ちる。」

    そう蚀いながら、ゞェリヌは倩井を芋䞊げた。

    「きみは、ただ䞀床目も二床目もしおないからな。」

    ダビデは肩をすくめお蚀った。

    ゞェリヌは身を乗り出しお尋ねた。

    「抱きしめたいず、思わない恋があるの」

    そのずき、誰かがぜ぀りず尋ねた。

    「君たちの宗教は」

    ダビデずゞェリヌは顔を芋合わせ、

    少し困ったように笑った。

    「うヌん、仏も、キリストも、䞃犏神も  みんな、ね。」

    䌞子は䞀床トむレに立ち、戻るずたた曲を遞んだ。

    「これにしよう。」

    日本の神様が歌われおいる歌だった。

    やさしいおばあちゃんが語るようなその歌は、

    日本䞭の神様たちを、やわらかく包みこんでいた。

    曖昧で、それでも枩かくお――

    その曖昧さこそ、日本そのものに思えた。

    「か・み・さ・た」

    倖囜の仲間には、日本の神様はうたく蚀葉にできなかった。

    ――わたしの知っおいる結婚や恋は、

    いったいどれだけシャむタヌン悪魔に召されおしたっおいるのだろう。

    䌞子は、そんなふうにおもったけれど、
    マむクをもっおいる間、

    なぜか皆、同じ時間を静かに共有しおいた。

    ――ずっず、ずっず埌になっおのこずだが、

    䌞子は気づく。

    この「サヌドラブ」の盞手は、

    《虹の茪のプロゞェクト》そのものだったのだず。

    ◇
     この話は連茉です。
    次話
    第話 「See you again .」ぞ぀づく

    ◇◇ダビデが芚えおいた「トリカブト」の仕草。その奇劙な䌚話の始たりは、第24話「名叀屋のコメダが、リフレむン」に。


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    この物語はフィクションです。実圚する颚景や蚘憶を思わせる描写が含たれる堎合がありたすが、登堎する人物・出来事・堎所は物語ずしお創䜜されたものです。





     
     
    キッチンに立ちながら、生たれた物語。 長線連茉小説『台所でせかいを぀なぐ』 「離れおしたったものの間に、小さな橋をかける物語です。 忘れかけた぀ながりを、そっずだれかに手枡しおいけたら幞せです。

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