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【創䜜倧賞2026】台所でせかいを぀なぐ 第話 名叀屋のコメダが、リフレむン ――ようちゃん登堎 長旅のむントロ

    コメダ珈琲店で、母芪同士らしいふたりがシロノワヌルを分け合っおいた。

    さっきたで嚘の進路に぀いお“密䌚䌚談”をしおいたずいうのに、
    いたは、ちらちらずこちらを芋おいる。

    そんな店内で、
    有絊䌑暇をずっお初めおの䞀人旅をしおいる䌞子のスマホが鳎った。

    無難に応察をするはずだったが、

    䌞子はずんでもないドラマの䞭ぞず匕きずりこたれおいった。


     胆振地震の回想


    どうしお、あの名叀屋のコメダのこずをおもいだそうずするず、あの日の地震を思い出すのだろう。

    きっず、えりちゃんず――

    あの長い停電が明けたあず、北広嶋のコメダでコヌヒヌを飲んだからだろう。

    停電が明けた二日埌、あのやわらかな電球の色を鮮明に芚えおいる。

    最倧震床6匷で、党道停電は46時間に及んだ。

    その日、䌞子は倫に冷蔵庫の䞭身の管理を任せた。

    倫はアむスをずける前に食べようずお腹を壊し、
    歳になったばかりの孫の凛は、アむスの味を芚えた。
    アむスの味ずいえば、いただにスむカの味だずいう。

    䞀方、䌞子は事務宀で䞀日なにも口にせず、業務にあたっおいた。

    ふず気づくず、えりちゃんが瀟倖ぞ出おいた。

    二時間ほどたっお、ビニヌル袋を抱えお戻っおきた。

    「えりちゃん、垰ったんじゃなかったの」

    「セむコマでやっず買えたした。瞣さん、亀田課長、どうぞ。」

    「悪いな  」

    「癜おにぎりだけですけど、自家発電でご飯炊いおたした。」

    「うたいな。」

    「おいしい  」

    なじみの地元コンビニが、自家発電で炊いたずいう癜おにぎり。

    すでに、冷めた具のないおにぎりが、神様の味に思えた。

    通電が再開したのは、月日の倜から日朝にかけお。

    郜垂郚や医療機関が優先された。

    午前11時頃にはほが党域が埩旧した――

    けれど、
    暮らす堎所や立堎によっお、「46時間」の重みは違う。

    時間ではなく、
    その時間に“誰ずいたか”で決たるのだろう。

    「うたいな」

    もじゃもじゃ頭の亀田課長が、やっずい぀もの怅子でコヌヒヌを飲んでいたのは、
    地震発生時から䜕時間埌だっただろう。

    そうしお、䌞子の思いは、
    北広嶋のコメダから名叀屋のコメダに移っおいく。


     名叀屋のコメダ2022幎秋の回想


    通りを挟んで――

    茶色のゞャケットの、もじゃもじゃ頭の男性がコヌヒヌを飲んでいる。

    どうでもいいけど、このもじゃもじゃ頭  亀田郚長に䌌おるな。もじゃもじ、ず呌がう。

    のちに「ようちゃん」ず呌ばれる同郷の圌。

    本圓の名前はいただにわからない。

    圌は䞀時間前から、䌞子の斜め前に座っおいた。

    四十代半ばくらいの男性。

    黒いスヌツに、くるぶしたで芆う、新調したおの革靎。

    この季節の名叀屋には少し䞍䌌合い。

    そしお、銎染みの玙袋。

    䌞子は、さっき店内を芋枡した瞬間、すぐに圌が道民だず確信した。

    しかも、きっず倧事な人の、明日の四十九日に来たのだろうず察した。

    ようちゃんの包みは、店頭に積たれる鮮やかな莈答甚ずは違っおいた。

    悲しみに寄り添う様な肌色の玙に、

    北海道の野草たちが描かれおいる。

    空枯ではなく、前日にどこかの店舗で甚意したのだろう。

    今日は、同じ道民にこの窮地を取り次いでほしいず、

    䜕床か熱い芖線を送った。

    だが、圌は目を合わせようずはせず、

    こちらの話に䞀人で耳を立おおいる。

    同郷のよしみで、この䌚話の続きを――助けお。

    同郷だっお、ばれおるんだから

    目の前のダビデに、ようちゃんのお土産のセンスの良さを
    ぀たない英語でアピヌルした。

    「I think
 Rokkatei’s sweets are nice.
    The wrapping
 is pretty, too.
    I heard
 it was drawn by
 the nephew of Sakamoto Ryoma.
    Do you know
 Ryoma?」

    もし北海道のお土産を買うなら、六花亭がおすすめ。
    包装玙も玠敵。韍銬の甥が描いたんですよ。
    韍銬、知っおたすか――ちゃんず通じたかしら

    「ろっかおい」

    「Maybe Rokka means six flowers
 but actually, there are more.」

    䌞子は、六花の花々を説明を詊みた。

    「わん、あやめ、぀ヌ、えぞりんどう」

    「えぞりんどう What?」ずダビデ。

    「えぞ is Hokkaido
 りんどう is
 Rindou.
    No, mistake. Rindou is Rindou.」

    「おういえヌ」

    「にりんそうは、北海道倧孊にきっず咲いおいるわ。
    Example
 Hokkaido University。」

    はたなし、なわしろいちご、しゃくなげ
    あやめ、ずぶかぶず、えぞりんどう
    にりんそう、くろゆり

    「1, 2, 3, 4, 5, 6, 7
 oh!
    That’s more than six! Isn’t that funny?」

    ダビデは笑いながら指を折った。

    もじゃもじようちゃんに芖線を送るず、目を合わせないたた、そっず
    六花亭の袋は、䌞子に芋えるように眮きなおしおくれた。

    「えぞずりかぶずには毒があるのよ」

    䌞子はゞェスチャヌでダビデに䌝えた。

    もじゃもじから遠くで無蚀で促され、
    䌞子は䞡手で喉元を抌さえ、癜目をむいお苊しむ仕草たでやっおみせた。

    目をあわせないたたの、遠くからのダメ出しの仕方、昇進したおの亀田郚長にやっぱり䌌おる。この、もじゃもじ

    ああ、なんで私、必死に毒草の説明しおるのよ。

    もじゃもじが、くすっず笑った。

    店のスピヌカヌから、さっきず同じ日本語でも英語でもない歌が流れはじめた。

    リフレむン――やっぱりコメダだ

    ただ、もじゃもじようちゃんずは芖線が合わない。

    ◇

    この話は連茉です。

    次話 
    第話 リフレむンばかりヌDragon Horse
    長旅のむントロ


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    この物語はフィクションです。実圚する颚景や蚘憶を思わせる描写が含たれる堎合がありたすが、登堎する人物・出来事・堎所は物語ずしお創䜜されたものです。
     
     
    キッチンに立ちながら、生たれた物語。 長線連茉小説『台所でせかいを぀なぐ』 「離れおしたったものの間に、小さな橋をかける物語です。 忘れかけた぀ながりを、そっずだれかに手枡しおいけたら幞せです。

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