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第125話 「院生エレジー」

    「公募の神様」

    努力とコネが内定決める 絶対いつか出会える筈なの
    沈む夕日に寂しく一人 拳握り締める私
    土日返上深夜残業 ポストは何処にでもあるんだから
    今度論文 期待している 友達の引用に
    目立つにはどうしたらいいの 一番の悩み
    正確であればいい そんなの嘘だと思いませんか
    某密合 不採用の予感 きっと誰かを狙ってる
    放る in Lab 公募の神様 この人でしょうか

    指導教官必要なのよ 初応募の提出書類って
    出身大学 引用指数 さりげなくチェックしなくちゃ
    待っていました選考通知 早く封筒破って見せてよ
    今後の発展 お祈りしてる 相変わらずの決まり文句
    幸せになれるものならば 業績よりもコネ
    今回は見送らせてと 早速拒否ちょっと信じられない
    某密合 こうしてる瞬間 きっとあなたを落してる
    放る in Lab 公募の神様 願いを叶えて
    某密合 ポイする瞬間 なにより無意味な郵便物
    放る in Lab 公募の神様 どうもありがとう

    よくあたる学会誌に そういえば書いてあった
    今日会う人に落される 今年も来年も再来年もずっと
    もう厭ー!
    某密合 研究計画 一年たったら紙きれ
    放る in Lab 公募の神様 書類を揃えて
    某密合 いつまでもずっと この苦虫を噛んでいたくない
    放る in Lab 公募の神様 コネをありがとう

    「もしかして二番手」

    もしかして もしかして 私の他にも誰か
    いいネタで 書いてれば 没っていいのよ構わずに
    もしかして もしかして お前の徹夜の訳が
    さっきの文献の所為ならば 馬鹿だなガウスが相手だよ
    ねえ教授 凡人だから尚更 わたし 小細工をしてしまう
    子供みたいな 手を使うなよ オーマイガッとても拙い
    辞書を引き 翻訳しましょう
    院生の行く先は 一つ

    なにげなく なにげなく 試薬を違えるなんて
    お酒に酔った 所為かしら それとも教授が慣れてるの
    こんなにも こんなにも クリソツなデータはない
    一度で終える積もりなら 連れてはこないさ このラボに
    ねえ教授 素直に信じていいのね わたし 偽善者になりそうよ
    いつもみたいに パクってごらん お前の捏造好きだよ
    外は雨 もう帰らない
    二人は今夜また 徹夜

    ねえ教授 異国の一流な人に 先を 越されたことがあるの
    仕方がないさ 無名の院生 綺麗に忘れてしまえよ
    二番手は もう受理されない
    生き残る論文は 一つ

    「代案問答」

    冷たい視線に 素顔を隠して 見上げる書留郵便
    好きな研究してるだけ 悪い事してないよ
    航空郵便で 公募出しまくれ 海外ラボに釘付け
    門外漢じゃ分からない 評価が見たい
    封筒破る瞬間の 無能の絡印焼き付けろ
    夢は素敵なコネクション もっともっと貰いたい
    歳をくっても 任期切れても 不採用でも 止められない
    代案問答だね AH AH 幾つもの書面
    AH AH うまく言えないけれど バカな物だよ
    あの時感じた AH AH 予感は本物
    AH 私を動かしてる 損な公募

    幾つも応募して 手順も覚えて 健康診断も上手くなったけど
    初めて清書する時には いつも震える
    プレゼン書の山 埋もれもがいても 未だ退く訳に行かない
    欲張りなのは生まれつき コネ取りはこれから
    耳で溶けて流れ込む 下馬評たちを閉じ込めろ
    学会なんかじゃ売れない 論文書いても売れない
    応募書類を 使い回して 机を蹴って 面接試験
    代案問答だね AH AH 幾つもの書面
    AH AH うまく言えないけれど 不採用だよ
    あの時感じた AH AH 企業は本物
    AH 私を動かしてる 損な公募

    何にも知らない AH AH 学部に戻って
    AH AH やり直したい夜も たまにあるけど
    あの時感じた AH AH 気持ちは本物
    AH 今 私を動かすのは 代案問答

    「Get Credit」

    最後の公募に落ちた駄目な私を 最近悩ますものは下世話な噂 AH
    二人の教授はいつも輝いてる候補を それなのに
    黒い応募者 チャンスを狙ってる
    朝の掲示に目を細め噂交わす(二人に)
    土足で踏み込むあいつ 変 変 おっちゃんステップ
    だけども 教授の固い情報(漏らさない)
    ふざけた奴には 推薦あげない
    いつの時代も人事は教授と教授のコネ
    素直な気持ちのままで いつか就職したいね

    目の前に並んだ就職情報 私が選んだ一つは小企業だった 応援
    競争率は最低潮 ずっと独走体勢 それなのに
    鉄の人事部 罠を仕掛けてる
    呼ばれもせずに現われて口を出す(惚け社長)
    大きなお世話のあいつ 変 変 おっちゃんステップ
    一時の内定と人は言うけど(このまま)
    採用されたら最高だね
    今も昔も募集は教授と会社のコネ
    引け目なんて感じないで ずっと応募続けようね

    いつの時代も人事は教授と教授のコネ
    素直な気持ちのままで いつか就職したいね
    今も昔も募集は教授と会社のコネ
    引け目なんて感じないで ずっと応募続けようね 応援

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    142話までは「パブロフの屁」(ぱりぱり噛めん:Parikame) のテキスト復刻版です。見出し形式「第○○話」がテキスト本編、「no.○○」が対応するダイジェスト図解版です。ご贔屓いただけると新作公開の励みになりますのでよろしくお願いいたします。え?頑張らなくていい……ですか

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