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【小説】-小指の神様⑊Funeral

    perone

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    第䞃話

     私たちは、䞀定の距離に近づくず自然に吞い寄せられる磁石のようだった。

     目線が合っお気配が觊れお気が぀くず、どうしようもないほど融ずけ合っおしたう。

     磁力線が途切れる時間に、私は自分のこずを話した。昔のこず、子ども時代のこず、梢さんのこず。

     駆は、黙っお聞いおいた。そこに他人が口を挟む䜙癜はないずいう静かな距離感で受け入れおいるように芋えた。

     しばらくするず私は、圌のマンションから䌚瀟に通うようになった。


     そしお土曜日、゜ファで二人、惰だらけおテレビを芋おいたら、久しぶりに母から電話が入った。

     小指が銖を振り「でるのやめたら」ず枋ったけど、神様があっさり取る。開口䞀番に母は蚀った。

    あ、莉子
    お葬匏、決たったから

     「誰の」ず驚く私に母は「梢さんのに決たっおるでしょ」ず笑う。

     どうやら以前、話しおいた倱螪宣告が確定したようで、梢さんの財産を凊分するにあたり芪戚の手前、葬儀を挙げたいずいう。

    遺䜓はなくおも
    倧䞈倫なんだっお

     続けお「来月の䞉日。あなたも戻っお出垭しお。瀌服はこっちで準備しずくから。今、それで忙しいのよ、たた色々決たったら連絡するわ」ず捲たくし立お、䞀方的に電話を切った。


     そんな倧事なこず、どうしお勝手に決めおしたうのだろう。「遺䜓はなくおも倧䞈倫」ずいうフレヌズが頭の䞭で反芻はんすうする。

     梢さんは梢さんであっお、遺䜓なんかじゃない。ただ䜕も芋぀かっおいない。圓惑する私に「どうかした」ず駆が蚊ねる。

    梢さんのお葬匏、来月だっお

    ああ、芋぀かったの

    ううん

     事情を説明するず駆は「良かったじゃん、区切りが぀いお」ず切り出した。

     そしお「䞃幎経っおも、行方がわからないようなら、もう亡くなっおるだろ。そうじゃなくおも同じようなもんだ。法埋で決たっおるなら尚曎」ず二本目のビヌルを口にしながら蚀う。

     私は耳を疑った。吃驚しお蚀葉がでおこなかった。蟛うじお「それはそうだけど・・」ず呟く。

     圌は起き䞊がるず、テヌブルにあるピスタチオを二、䞉粒剥いお、口に攟り蟌みながら蚀った。

     「莉子、よく考えおみろよ。梢さんずやらはもういない。でも今は、そのずきいなかった俺がいる。そうやっお倉わっおいく。昔の堎所や誰かにしがみ぀いおたら先に進めない」

     そしお壁に掛かる『猫を抱く少女』に、さっず芖線を送っおから戻り、私の方を芋お続けた。

     「うちの芪父は、あっけなく死んだ。空枯で倒れお、病院に運ばれたずきにはもう駄目だった。心筋梗塞っお聞いたけど、どこも悪くなかったし、出匵の前の晩は、俺ず普通に飲んでた。あたりに急で、今でも䜕凊かで生きおるんじゃないかず思うこずもある。でも、もういないんだ。そう認めるしかない」

     「お前がそうやっおぐちゃぐちゃしおるうちに、人生は勝手に、時間はどんどん過ぎおいく。䜕が倧切かわかっおないず、そこに焊点を合わせないず、悪い方ばかりに流される」

     流される颚船。

     そしお茫然ずする私に向かっお「そうやっお犄でもないこず考えるより、テニスでもしお動いた方がいい」ず蚀っお残りのビヌルを飲み干した。

     空気を読めない小指が、駆の声を真䌌お「そうだよ。運動䞍足だし」ずちょこたか螊り始めたのを芋お、神様が窘たしなめるように手を匕き、キッチンの奥ぞず連れお行く。

     どちらかずいうず普段、駆は口数が少ない方だった。こんなに饒舌な圌は芋たこずがない。

     それは酔っおいるせいかもしれないし、これたで溜め蟌んでいたからかもしれない。でも、そんな蚀い方しなくおも。動いた方がいい

    じゃあ、垰る
    私は蚀った

    そういうこずじゃないだろう
    呆れた顔で駆が返す

    そういうこずでしょ

     泣き出したい衝動を抑えお立ち䞊がり、玄関ぞず進む私の腕を、駆の手が掎んだ。

    莉子・・

    離しお

     䞀瞬、匷く握っおから、目を合わせない私を芋お、圌はゆっくり手を匕いた。そしお黙っお゜ファに戻るずチャンネルを倉えおテレビを芋始めた。

     迷い぀぀、結局、私はそのたた倖に出た。どうしおいいかわからなかった。

     ある意味、駆は正しい。でもそれは、私の手が届かない高さにある正しさのように思えた。背埌で扉が閉たるずき、䜕かが終わっおいく音がした。

    ☜第六話          第八話☞

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    perone

     
     
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