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Photo bynisshingeppo123

【小説】-小指の神様⑧Door to the past

    perone

    第一話:第二話:第三話:第四話:第五話:第六話:第七話:第八話:第九話:第十話

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    第八話

     家に辿り着くまでのことは、ほとんど覚えていない。

     鞄も置いてきてしまい、手元にあるのは携帯だけ。小指がモバイルSuicaで電車代を払い、ふらつく私の代わりに神様が自宅まで送ってくれた。

     駅からいつもの道を歩き、公園を横切る。思いのほか風が冷たい。公孫樹いちょうが、その黄色い掌てのひらを、空の青さに抵抗するように上方に拡げていた。

     一ヶ月近く、家を空けていたことに気づく。

     腕に軽い痛みを感じてこっそり見ると、駆が握ったところが赤くなっている。触ると、何かがしゅるしゅると音を立てて近づく音がした。

     いつかと似ているようなどこか違うような。

     思考の隅っこで、目配せした小指と神様がひそひそ話をしている。

     記憶の引き出しを指先で探りながら、郵便局の前を通って、お寺の角を曲がる。そうしてマンションの三階まで上がり、ようやく玄関の扉を開けると、そこは家うちではなかった。

     懐かしい匂いのする梢さんの家の、あの座敷だった。

    ☜第八話         第九話☞

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    perone

     
     
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