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ダークダンス 第2話「オオクズ」

    ―ヒーローと、怪人と。そして、わたしたちの、物語―



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    ダークダンス 第1話「過去」



    本編



    二 オオクズ


    いつかの現在。

    大楠宅。

    二階建ての小さなアパートの二階にある、狭い1DKの一室。

    居間のテーブルに、大楠。

    その向かいに座り、ノートを広げて大楠の話に真剣に耳を傾けている志ず子。

    ダイニングキッチンのテーブルに、小池。

    大楠、五千円札を二枚握りしめて上機嫌に話している。

     

    大楠 で、俺もやられる思たその時!

    志ず子 ボディネーションが来たんですね?

    大楠 そう!で、一発で怪人やっつけて。それで泣きそうになってる俺の頭にポン、て手のせて言うてん。「今は思いっきり泣いていいんだよ。でも、泣き止んだら――

    志ず子 これからは君がお母さんを守ってやるんだよ」!

    大楠 そう~!あ~、こっからは、ちょっと追加料金。

    志ず子 あ。

     

    志ず子、大楠に五千円払う。

     

    大楠 どうもー。でも、俺は泣かへんかってん。

    志ず子 うんうん。

    大楠 で、ボディネーションに言うてん。「俺――

    志ず子 ヒーローになる!」

    大楠 そう!「ヒーローになって――

    志ず子 母さんだけじゃなくて街のみんなを守る!」

    大楠 そうー!で、そん時に、

    志ず子 大楠さんは「それまで街を守ってね」と言って自分がつけてたお守りを渡し、

    大楠 そうそう!

    志ず子 ボディネーションはお返しにペンダントをくれた。

    大楠 そうそうそうそうそう!

    志ず子 ふーん。

    小池 志ず子ちゃん。お金、どぶに捨ててるよ。

    志ず子 そんなことありませんよー!

    小池 話丸々暗記してんじゃん、あんた。


    志ず子、ノートをパラパラとめくりながら、


    志ず子 わたしが暗記してるのは過去の記事の内容だから。記事や報道って、人にわかりやすく伝えるためにどうしても零れ落ちるものがあると思うんですよね。あ、すいません麗香さん。

    小池 耳が痛い。

    志ず子 でもわたし、そういうものの中にこそ大切ななにかがあるような気がするんです。だから、可能な限り、自分の耳で、本人の口から話を聞きたいんです。

    小池 後半「そうそう」しか言ってなかったよこの人。

    大楠 ええやんけ細かいこと。若いのに感心やんなぁ。ボディネーションのこと知りたいて。今日日の若い奴らみんな忘れてもうてんねんから。ボディネーションが悪と戦ってくれたから、今の世の中があんねんから。

    小池 今がそんなにいい世の中?

    大楠 ん?そらそうやろ。いや悪が滅んだわけじゃないけど。昔に比べたら、随分平和になったんやから。

    小池 そうかな。

    大楠 そうやろ?ボディネーションの遺志を引き継いで、警察も頑張ってるし、昨日もテレビでやってたで?最近、治安守るために、自警団?そういうのも増えてんねやろ?

     

    小池、ため息をつく。

     

    志ず子 大楠さんは、ヒーローになりたいっておっしゃってましたよね。(ノートを示しながら)この頃。

    大楠 ん?まぁ、な。

    志ず子 大楠さんにとって、ヒーローってなんですか?

    大楠 ん?ヒーロー?あー、それは……あれやん。ほら。ボディネーションみたいに、みんなの声を――

    志ず子 力に変えて、正義を守る。

    大楠 そうそう。

    志ず子 はー。じゃあ、正義って、なんですか?

    大楠 ん?正義?正義は正義やんか。やっぱ、悪い奴やっつける、とか。弱い人助ける!みたいな。

    志ず子 はあー……うすっぺらいなぁ。

    大楠 え?

    志ず子 あ、あ、ごめんなさい。違うんです!わたし思ったことがついポロっと出ちゃうんです。

    大楠 なんも違えへんで。

    志ず子 あ、違うんです!あの、大楠さんはヒーローになりたいって思ってたような方だから、なにかもう少し人とは違う答えが返ってくるのかな、とか思ったんですけど。

    小池 無理無理。この人に深みのある答え期待しても。

    大楠 は?(小池に)じゃあ何?正義って何?お前も曲がりなりにも記者やろ?エロ雑誌とは言え。

    小池 エロ雑誌じゃないわ。

    大楠 じゃあ答えてみぃや。正義ってなんやねん。

    小池 知らないよそんなの。なんで答えないといけないの。


    大楠、小池を指さし、


    大楠 あー!答えられへんねん!答えられへんねん!記者やのに!正義について考えたこともないねん!


    と、言いながら、小池の目と鼻の先まで顔を近づける。


    小池 恥ずかしいっつってんの!

    大楠 いい大人が答えられへん方が恥ずかしいよなぁ?お前答えろよ?人のことバカにしてんから。

    小池 志ず子ちゃんにとって正義ってなんなの?

    大楠 汚な!お前!



    志ず子、ノートを見つめ、


    志ず子 わかんないんです。わからないんで、今こうやっていろんな人にお話聞いてるんです。

    大楠 なんやそれ。次お前――

    志ず子 大楠さんはなんでヒーローにならなかったんですか?

    大楠 え?いや、それはぁ……。

    小池 なれるわけないでしょこの人に。社会人だってまともにできないんだから。

    大楠 は?お前に何がわかんねん!

    小池 あんたのこと知ってる人だったら誰でもわかるから。

    大楠 ちょう、お前答えろよ。

     

    部屋のドアが開く。

    マチ、飲み物や菓子などが入った買い物袋を提げて部屋に入って来る。

     

    小池 あー、ありがとうマチちゃん!

    大楠 答えろよ。

    志ず子 おかえりなさい。

    マチ いいえー。あー、重……。

     

    と、袋をテーブルに置き、大楠に手を出す。

     

    大楠 ん?

    マチ お金。

     

    顎で大楠が握りしめている札を指す。

     

    大楠 ああ、小池のおばちゃんにもらい。

    小池 は?なんでわたしが払うの。

    大楠 お前が連れて来たんやろ?志ず子ちゃん。

    志ず子 あ、わたしが払いますよ。

    小池 いや、大丈夫。志ず子ちゃんからお金取ってるでしょ。

    大楠 ええやろ。経費で落とせよ。

    小池 落ちるわけないでしょこんなん。

    大楠 なんでやねん。記事にしたらええやん。

    小池 誰が読むの。

    大楠 そんなん、現にこうして大学生が話聞きたい言うてわざわざ来てんねんから。

    小池 志ず子ちゃんは特殊中の特殊。大衆は興味ないから。ボディネーションとか正義のヒーローとか。

    大楠 そんなんわからんやろ。若い人なんか知らんだけで。

    小池 雑誌のページ数は限られてんの。

    マチ もめるのはあとで好きなだけもめてもらって。とりあえず。

     

    マチ、小池にレシートを差し出す。

     

    志ず子 あの、ほんとに、わたし払いますから。

    小池 いや、いいから。

     

    小池、マチにお金を払う。

     

    マチ 好きに飲んで食べてください。

    小池 “オオクズ”。

     

    と小池、袋の中を見る。

     

    小池 ちょっとこれ、ほとんどビールじゃん。

    大楠 一本ちょうだい。

    小池 信じらんない。

     

    チャイムが鳴る。

     

    志ず子 はーい!あ、間違えた。返事しちゃった。

    小池 はじめて来た家よく自分ちと勘違いできたね。

    志ず子 一瞬。

    小池 一瞬でもすごいよ。

    荻野目 (ドアの向こうから)大楠さーん。

     

    大楠、気配を殺しつつ、ドアの死角に移動する。

     

    大楠 (マチに)おらん言うて。

     

    小池、ドアを開ける。

     

    荻野目 大楠さんのお宅、ですよね?

    小池 はい。

    荻野目 大楠義治さんは?

    小池 (指さし)へばりついてます。

    大楠 ……。

     

    荻野目、のぞき込み、ドアの脇の壁にへばりついた大楠を発見する。

     

    荻野目 大楠さん?

    大楠 はい。

    小池 今少しならお金持ってますよ。

    荻野目 え?

     

    大楠、ドア口へ。

    荻野目、名刺を渡しながら、

     

    荻野目 わたくし、国家公安委員会国民防衛対策室、室長の荻野目と申します。

    大楠 は?

    榊 室長補佐の榊です。

     

    榊も名刺を渡す。

     

    大楠 ……。

    荻野目 少しお時間、よろしいでしょうか?

    大楠 え。なんですか?税金やったら払いませんよ。

    荻野目 あ、いえ。

    小池 なんで税金で国防室が来んの。

    荻野目 大楠さんにご相談が。

    大楠 相談?取り立てとかじゃなくて?

    荻野目 違います。

    大楠 え、なに?

    荻野目 ……お邪魔しても?

    大楠 あ、はあ。

    荻野目 失礼します。

    榊 失礼します。

    小池 あ、土足でいいですよ。

    大楠 ええわけないやろ。

     

    荻野目・榊、室内へ。

     

    荻野目 (小池らを見て)賑やか、ですね。

     

    大楠、座りながら、

     

    大楠 あ、記者と、学生さん。僕の話聞きに。あと娘です。

    マチ 元です。今は他人。

    大楠 あほか。親子に元もクソもないやろ。

    マチ あるよ。

    大楠 ない。

    マチ ある。

    大楠 お年ごろってやつで。あ、どうぞ。

     

    大楠、荻野目・榊に座布団をすすめる。

    荻野目、座りながら、

     

    荻野目 記者さん?

    小池 小池と言います。

    荻野目 失礼ですがどちらの?

    小池 雑誌です。

    大楠 三流のね。週刊バズーカっていう。なんかこんな(大きな胸)おねーちゃんが表紙になってる。

    荻野目 あー。

    小池 笑ったな。今。

    荻野目 いえ。

    大楠 で、話っていうのは?

    荻野目 はあ……。

    榊 あ、すいません皆さん。ちょっと、よろしいでしょうか?

     

    榊、皆に席を外すように促す。


    一同 ……。


    皆、榊の顔を見たまま、何も答えない。

    小池は、缶ビールを握りしめたまま。

    マチはカフェオレのペットボトルを手にしたまま。

    志ず子はスナック菓子の特大サイズの袋を手にしたまま、黙って榊の顔を見ている。

    皆が無言の中、志ず子は、ゆっくり菓子の袋をあける。


    榊 すみませんが。ご理解ください。

     

    榊、圧を強める。

    が、やはり皆、黙って榊の顔を見ている。

    志ず子、榊の視線を受け止めながら、ゆっくりと菓子を口に運ぶ。

    志ず子がスナックを噛む音だけが響く。


    榊 ……。

    荻野目 ああ、いいや榊。皆さんにも残ってもらって、話を聞いてもらいましょう。

    榊 え、しかし。

    荻野目 皆さんにも、応援してもらいましょう。

    榊 いや、でも――。

    荻野目 ただ皆さん!今からここで見聞きすることはすべて、くれぐれも内密にお願いします。記事にするのは当然のこと、一切の他言も無用に願います。万一情報が漏洩するようなことがあれば、場合によっては逮捕者が出ることになります。お約束いただけない方は、席を外してください。

    一同 ……。

     

    小池・志ず子・マチ、互いに顔を見合わせる。

     

    大楠 ちょっと、たばこ買いに行ってきます。

     

    大楠、席を立とうとする。

     

    荻野目 大楠さんはこちらに。

    大楠 黙ってる自信ないなぁ。

    荻野目 大楠さん。あらためて突然の訪問、お許しください。何度かお電話させていただいたんですが。

    大楠 あ、ホンマですか?僕、知らん番号出ないんで。

    マチ 取り立てかもしんないしね。

    大楠 そうそう。

    榊 留守番電話にもメッセージを入れさせていただいたんですが。

    大楠 あ、留守電も聞かないんですよ。

    マチ 取り立てだったら精神衛生上よくないもんね。

    大楠 そうそう。

    榊 はあ。

    大楠 え、で。

    荻野目 はい。単刀直入に申し上げます。大楠さん、ボディネーションになっていただけないでしょうか。

    大楠 は?

    荻野目 大楠さんに二代目ボディネーションになっていただいて、この街の悪と戦っていただきたいんです。

    大楠 いやいやいや、え?

    小池 ちょっとそれ何の冗談?

    榊 我々はいたって真面目です。

    大楠 いや、真面目って。え?

    荻野目 ボディネーションがこの世を去って以降、心の支えを失った国民たちの想いは今やバラバラです。国民にかつての自信と誇りを取り戻すために、この国には新たなヒーローが必要なんです。

    大楠 ちょっとよくわかんないですけど。

    マチ この人が戦うなんてできるわけないじゃん。

    大楠 そうそう。僕腕立て十回もできないですよ。

    荻野目 それは問題ありません。榊。

    榊 はい。

     

    榊、ケースを開け、中身を見せる。

    中身は白シャツと白ズボン。

     

    榊 新しいボディネーションスーツです。

    荻野目 「国民の声を力に変えて」。かつてボディネーションはそう言って悪と戦っていました。ただそれはあくまで、ものの例え。しかしこの度我々が開発したボディネーションスーツは、国民の声を物理的に力に変えることができます。

    大楠 物理的に?

    榊 ボディネーションが悪と戦う際は、その様子をすべてライブ配信します。テレビ・ネットはもちろん、街中に設置された大型ビジョンにも映し出します。そして視聴者から得た反応をその熱量、内容までAIが解析し、エネルギーに変換、リアルタイムでこのスーツの人工筋繊維に送ります。

     

    大楠、ボディネーションスーツを手にしつつ、

     

    大楠 人工筋繊維?これに?

    荻野目 つまり、みんなに応援されればされるほど、このスーツは大きな力を発揮することができるんです。

    大楠 ……。

    榊 また攻撃・防御などの戦闘時におけるあらゆる判断も、スーツに内蔵されたAIが行います。その判断・反射速度は地球上のあらゆる生物を凌駕します。

    大楠 そんなすごいもん内蔵されてんの?これに?

    小池 とても見えないけど。

    荻野目 つまり新しいボディネーションには本人の戦闘スキルは必要ないんです。

    志ず子 え、じゃあ誰が着ても一緒ってことですよね?そもそも、ネットでわざわざみんなの声拾わなくても、最初からパワー出るようにできなかったんですか?

    大楠 ホンマやわ!

    荻野目 それではダメなんです。かつてボディネーションがいたころにはまだ国民の中に正義という意識があった。しかし今、皆が物事を考える際に大きな尺度になっているのは、損か得かということばかり。自分の中に価値判断になる核がないから皆がお金や社会的な成功といったものにすがろうとする。その反面、正しく生きようとするものが、笑われ、搾取され、愚かだと後ろ指をさされる。大楠さんもそのような想いをしてこられたんじゃないですか?

    大楠 んー……。

    マチ この人正しく生きようとしたことなんかないよ。

    大楠 そんなことないよ。俺だって昔は人一倍正義感強かったんやから。

    マチ 想像つかない。

    荻野目 このボディネーションスーツで悪と戦うことで、国民一人ひとりに、自分が社会の正義を担っているんだという意識、悪を倒しているんだという自信を持ってもらいたいんです。

    小池 それにしてもなんでこの人なの。この人みんなに“オオクズ”って呼ばれてんの、知ってる?

    荻野目 このボディネーションスーツを着るのにふさわしい人間は誰か。我々は開発段階から慎重に議論を重ねてきました。その結果、国民の心を大きく動かすには、あなたのもつ物語がふさわしいと判断したのです……。

    大楠 物語?

    荻野目 少年時代のあなたとボディネーションのエピソードはかつてこの国の人々に大きな感動を与えた。かつてのあの少年が、ヒーローなき今、ボディネーションの遺志を継ぎ悪と戦う。この物語が国民の大きな共感を呼ぶんだと……マザーネーションが。

     

    荻野目、この辺りから若干の悔しさをにじませる。

     

    小池 マザーネーション?

    榊 このプロジェクトのプロジェクトマネージャーを務めるAIです。

    小池 AIが決めたの?

    荻野目 そうなんです……。

    小池 この人に?

    荻野目 この人に!

    大楠 (榊に)この人、俺にやってほしないんちゃうん?

    小池 そんな大事なことAIに決めさせていいの?

    荻野目 マザーネーションの提案を受け委員会が正式に決定をしたんです。

    志ず子 でも、AIだったらそれこそ自分の損得で動かないからいいんじゃないですか?

    小池 でもこの人だよ?これ!

    大楠 これやで?

    小池 とてもヒーローなんて務まんないと思うけど。

    荻野目 その点もマザーネーションはプラスに働くと考えています。決して特別ではない、自分たちと何ら変わらない身近にいそうな人間が、大衆の声を力に変えて悪と戦う。これが今の時代の新しいヒーローにふさわしい姿だと。

    小池 いや、この人特別にクズなんだけど。

    大楠 そうそう。

    荻野目 ですよね!わたし、キャリアのすべてをかけてこのプロジェクトを進めてきたんです! 何年もかけて!反対派の嫌がらせやらおっさんらのセクハラに耐えながら!それがようやく最終段階に入ったところで、上の人間が予算消化するために導入したあのAIが!こんな……こんな……。

     

    荻野目、顔を背けながら大楠を指さす。

     

    マチ おばちゃん、指震えてるよ。

    小池 気の毒になってきたわ。

    大楠 あの、全然俺、断りますよ?

    荻野目 それはそれで困んのよ!もうここまで膨大な時間と予算ぶっこんでんの!ここでまた人選白紙に戻すってなったらもうわたしの進退問題にかかわってくんの!それ覆そうと思ったら、また何人のじじいと寝なきゃならないか……。

    榊 荻野目さん落ち着いてください。

    荻野目 あいつら勃ちもしないくせに……。

    榊 荻野目さん。中学生もいますよ。

    小池 相当体張ってきたのね。

    志ず子 すごい世界ですね。

    大楠 あの、何歳くらいから勃たなくなるんですかね?

    榊 大楠さんもやめてください。話を戻しますよ。いいですか?

     

    荻野目、進めてくれ、という手振り。

     

    榊 大楠さんにボディネーションになっていただくにあたって、多少のイメージ作りはさせていただきます。一応こちら。

     

    榊、数枚つづりの書類を大楠へ。

     

    榊 住民税・国民健康保険・国民年金等々、これまで大楠さんが一市民として支払うべきだったものは過去に遡ってすべて支払っていたことにさせていただきました。

    大楠 え?

     

    大楠、書類をめくりながら、

     

    大楠 うわー、すごー!アコム、アイフル、ニコニコローン!

     

    皆、書類に注目。

     

    小池 十年前のTSUTAYAの延滞料まで。

    大楠 ありがたー!

    小池 これ、財源税金でしょ?国民怒るよ。

    榊 官房機密費から払ってますので、国民が知ることはありません。

    小池 はー。

    マチ あ、母さんの名前。

    榊 離婚されてからこれまでの養育費もすべて振り込ませていただきました。

    大楠 うおー!国家すごー!これが一番追い込みきつかってんなぁ。

    マチ スマホ、母さんの名前「取り立て レベル5(ファイブ)」って登録してるもんね。

    大楠 うん。

    志ず子 5が最高なんですか?

    大楠 3。

    志ず子 はー。

    大楠 (マチに)ちょっと半分ちょうだいや。

    マチ なんでよ。

    大楠 だってお前俺のおかげでこんな。

    マチ おかげじゃないでしょ。誰のせいで母さん苦労してると思ってんの!……わたしだって。

    大楠 ……。

    荻野目 大楠さん?そちらはあくまでボディネーションになっていただくための下準備です。報酬は充分な額をお支払いさせていただきます。引き受けて、いただけますね?

    大楠 ……。

     

    一同が大楠に注目する中、

    暗転。



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