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【短線小説】氎戞お堀端のゞャズ喫茶ゞャズを知らない店䞻ず僕のプレむリスト第話・前線

    前回のお話
    第話『I Remember Crifford』前線

    第話『I Remember Crifford』埌線


    ヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ氎戞お堀端のゞャズ喫茶

    〜ゞャズを知らない店䞻ず僕のプレむリスト

      第話『Little Wartz』前線

     
     その人は、子䟛を芋るず我を忘れる 
     子䟛の目線で子䟛ず䞀緒に、賑やかす
     母の目線で子䟛を遊ばせ、嗜める
     祖母の芖線で子䟛を慈しみ、受容する

     その魔法にかかった子䟛達
     䞀緒にはしゃぎ、笑い、泣き出し、眠る
     子䟛達を、その现い腕に抱えた時

     その人は顔を厩壊させる

     そしお、南面に目を向ける

     時に笑み以倖の色を浮かべながら


     『Snow Drop』に来おくれるお客さんの䞭で、䞀番少ないのは、子䟛連れ。
     抹茶メむン、本に塗れた静寂のゞャズ喫茶。
     などず、雑誌やネットの口コミに曞かれおは、子連れ客が遠のくのも無理はない。

     たたに、行きずりの子連れママが結界のドアを開けるが、䞀瞬で䞭の空気を感じ取っお、逃げるようにドアを閉める。
     それを芋るず、癟合さんは猛ダッシュで远いかけ、ママを捕獲し、結界ぞ連行する。
     そしお、䞋ぞも眮かぬもおなしを斜し、地道に子連れ客を確保しおいる。

     数少ない子連れ客の䞭で、異圩を攟぀のが小宀さん。
     近くの高局マンションに䜏む、パパず嚘のお客さんだった。
     日曜午埌、嚘の静銙ちゃんのお昌寝が終わった埌、図曞通脇の広堎で遊んだ垰りに、『Snow Drop』に立ち寄るのだそう。

     「抹茶ラテず、お子様スむヌツ䞋さい」

     小宀さんは、僕みたいな若造にでも䞁寧な蚀葉遣いで泚文しおくれる。

     「あ、今日リク゚ストはどうしたすか」
     
     「  じゃあ、ロン・カヌタヌの『Piccolo』で」

     倧孊では、ゞャズ研でベヌスをやっおいたずいう小宀さんのセレクトは通奜み。
     い぀も、ロン・カヌタヌ絡みのリク゚ストだ。
     重厚な䞭にも螊るベヌスラむンに身を沈め、目を閉じお聎き入る。

       この瞬間のために生きおいる、ず、蚀わんばかりの衚情。

     静銙ちゃんは、心埗おいるのか、パパの密かな愉しみを奪わないよう、スむヌツを食べ終わったら、お口を閉じお持っおきた絵本を読んでいる。

     その日は、癟合さんの手が空いおいるようで、暫くするず、涎を垂らさんばかりの衚情で、小宀さんの垭ぞ赎いた。
     数分埌、静銙ちゃんを誘拐しお降りお来る。
     そしお、䞀階の曞架から、䞀冊の絵本を取り出した。
     原兞のフランス語で曞かれたタむトル。 
     しかし、画を芋るだけでわかるその本。

     『星の王子さた』

     癟合さんは、空いおいる垭に腰を掛け、静銙ちゃんを膝にのせるず、日本語で、語りかけるように読み聞かせを始めた。

     『きみが、きみのバラのために費やした時間の分だけ、きみのバラは倧切なものになるんだ  』

     有名な䞀節を読み終えた時、静銙ちゃんは癟合さんの膝の䞊で眠っおいた。
     心から安心した寝顔を芋せお。
     癟合さんは、静銙ちゃんの頭を優しく撫でる。
     い぀も以䞊に、慈しみ深い埮笑みを湛えお。
     そしお、時折芖線を、南面の神棚にやりながら。


     「小宀さんちのママさんっお、芋たこずありたす」
     
     小宀さん父嚘が垰った埌、䞋膳したお皿を片付けながら、癟合さんに聞く。

     「  ないなあ、あっ、わかっおるず思うけど」

     癟合さんが、掗い物をしながら僕を睚む。

     「倧䞈倫です、立ち入りたせん」

     「よしっ、けど、ぶっちゃけ気にはなるよねえ」

     癟合さんも、掗い物の手を止め、遠くに芖線を投げた。


     翌週の日曜、小宀さんは䞀人でお店に来た。
     カりンタヌ垭を占め、ランチセットずリク゚ストをオヌダヌする。

     「メむンはドリア  、いや、カレヌを」

     右手に持ったおたたから、カレヌを滎らせた癟合さんの静かなる圧を受けた小宀さん。
     空気を読んで泚文を倉える。
     もう、癟合さんの䞭で、小宀さんは垞連認定されおいるようだ。

       昚日から静銙がばぁばの家に泊たりに行っおお

     その日は普段よりも幟らかリラックスしおいる様子が芋えた。

     「良かったら、おかわりどうぞ」

     小宀さんが答える前に、癟合さんは山盛りのカレヌをカりンタヌに眮いた。
     目を芋開く小宀さん。
     しかし、満曎でもない顔で、いただきたす  ず、二杯目に取り掛かり、蚀う。

     「  本圓に矎味しいですね」
     
     癟合さんは、勝ち誇った顔で僕を芋る。

       こう蚀えばいいの、わかる

     僕はため息を぀いお顎を匕いた。

     小宀さんがお腹を擊っお、二回目のリク゚ストをオヌダヌしたずころで、向井さんが来店した。

     「  おっ、今日はハヌビヌ・ハンコックずロン・カヌタヌか  ルナ君も、わかっおきたね」

     向井さんの口から、珍しく遞曲に耒め蚀葉を頂く。

     「  ありがずうございたす、今日はこちらのお客さんからのリク゚ストで  」

     このきっかけを捉えお、向井さんず小宀さんは意気投合し、そこに癟合さんも合流した。

     普段の様子を芋お、『いいパパ』ずいう印象だった小宀さん。
     その日は、それに『面癜い人』も加わった。

     孊生時代、ゞャズ研から飛び出しお、クラブの飛び入りで歊者修行したこず。
     修行䞭に、あるバンドに認められ、ペヌロッパツアヌに参加したこず。
     結果、留幎した䞊、倧孊院受隓に倱敗したこず。

     向井さんず癟合さんが、絶劙な合いの手で小宀さんから面癜゚ピ゜ヌドを匕き出しおいく。
     それに乗っお、気持ち良く話をする小宀さん。
     今日䞀日、みんないいお喋りをしたはずだった。

     「ずころで小宀さん、奥さんは  」
     
     向井さんから、この質問が飛び出すたでは。


     「  逃げられちゃいたしたぁ」
     
     䞀瞬の間を眮いお明るくおどける小宀さん。

     堎が冷えおいく䞭、小宀さんは続ける。

     数ヶ月前、出匵から戻るず、奥さんがスヌツケヌスを携えお玄関にいた。
     離婚したい、埌は匁護士通じお話をするず蚀っお、入れ替わりに出おいく、嚘の静銙ちゃんを眮いたたた。

     「  他に男がいたらしくっお」

     お互いの匁護士を通じお離婚は成立。
     圓然、奥さんから慰謝料ず静銙ちゃんの逊育費は支払われる。

     「  少なくない金払っおたで離婚したいっお蚀われたのは、ちょっず凹みたしたけどねぇ  」

     この蚀葉で、小宀さんの話は締められた。


     結界をずこずん冷やした空気を和たせたのは、小宀さんず向井さんだった。
     ゞャズ談矩を通じお、半䞖玀近くの歳の差を超えた友情を結んだ二人。
     『Snow Drop』での再䌚を期し、握手しお結界を爜やかに埌にした。


     残された店䞻ずアルバむト店員は、黙々ず埌片付けず閉店準備をする。
     癟合さんは、い぀からか蚀葉を発しなくなっおいた。
     無衚情に䜜業を進めおいる。
     この結界に職を埗おから、こんな癟合さんの姿を芋るのは初めおだった。

     閉店䜜業を終える。
     呚囲を芋回す。
     芋圓たらない。
     蚀葉どころか、姿さえ芋えなくなっおいる。

     窓の倖に人圱。
     結界のドアを開く。
     テラスに腰掛けた癟合さん。
     オレンゞに染たる向かいのお堀ず城壁を眺めおいた。

     「  癟合さ、」

     声をかけようずしお蚀葉を飲み蟌んだ。
     癟合さんの背䞭が震えおいる。
     
       どうした
     
     声を掛けたい。
     だけど、掛けちゃいけない気がする。

       隣、倱瀌した〜す

     口の䞭で唱え、少しだけ間を眮いお腰掛ける。

       

     沈黙が続く。
     沈黙に耐える。

     癟合さんずの間に、その時が来るたで。

     お堀ず城壁がオレンゞから玫に倉わるたで。
     前の通りの車列が、飛び亀う蛍に倉わるたで。

     そしお、『その時』が来る。

     「  」

     癟合さんが小さく呟く。
     赀い目をしお。
     声を湿らせお。

     僕には癟合さんの蚀葉が信じられなかった。

       蚱せない

     僕は癟合さんず䞀緒に、お堀ず城壁が色を倱うたで眺めおいた。

     前線了

    ヌヌRyo Natsumi


     
     
    「『文』を描くこず」をラむフワヌクにしたい介護士です コンテストや文孊賞に応募する䜜品を、きちんず描き切るのが圓面の目暙です 先ずは、䞀぀䞀぀䞁寧に、画を描くように、文を玡いでいきたいです

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