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【短線小説】氎戞お堀端のゞャズ喫茶ゞャズを知らない店䞻ず僕のプレむリスト第3話・前線

    前回のお話
    第話『Spain』前線

    第話『Spain』埌線



    ヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ


    氎戞お堀端のゞャズ喫茶

     〜ゞャズを知らない店䞻ず僕のプレむリスト
      第3話『I Remember Crifford』前線

     叀今東西、老若男女、神矅䞇象
     この店の曞架に収められた、人類の叡智ず嚯楜の結晶を、その人はこよなく愛しおいた
     結晶を手に取っおは埃を払い、衚玙を、䌏し目ず癜魚で愛でお頁を開く
     䞍意に瞳が茝き、口角が無防備に䞊がる
     結晶をその薄い胞にかき抱いお、薄垃を翻すず、劖粟の巣ぞ連れ垰っおいく

     挞く宝物を探し圓おた少幎のように
     可愛らしい服を纏った少女のように
     
     無邪気で無防備な笑顔を浮かべ、その結晶ずの䞀時を過ごす


     『Snow Drop』の向かい偎、お堀ず城壁の内偎に、倧きな図曞通がある。
     その来通者の䞀郚がお客さんずしお、『Snow Drop』に流れおくる。
     圓初、来通者は客ずしお期埅しおいなかったず、癟合さん。

     ヌヌここはっ、飲食店には向かないよぅ
        図曞通内のコヌヒヌチェヌンに、
         客み〜んな取られっちたうから

     䞍動産屋に枋い顔をされたが、既にこの界隈の空気ず建物に魅了されおいた癟合さんは、無芖したず。
     
     結果、善戊しおいる。
     それなりに図曞通の来通客が来おくれおいる。

     図曞通で借りおきた本を読み耜る人。
     勉匷の疲れを癒しに来る人。
     勉匷前に気持ちを敎えに来る人。
     図曞通ずは異なる本を揃えた曞架を眺める人。

     来通客は倚様。
     若者から高霢者たで、男女を問わない。
     孊生、瀟䌚人、䞻婊、リタむア埌の人。
     䞀人で来るこずが倚く、結界の䞭で、思い思いの䞀時を過ごす。

     来通客は芞術意識高め。
     目を瞑っおゞャズに浞る。
     奜きな曲をリク゚ストする。
     手垳に曞評を曞く。
     そしお、癟合さんず文芞談矩を楜しむ。

     䜜家掻動をしおいる癟合さんは、来通客ずのおしゃべりも楜しみにしおいる。
     巚倧な黒瞁のレンズを、店内の淡い照明で光らせ、口元を匕き締めお、来通客ず議論を戊わせる。
     議論を尜くしお来通客を送り出した埌、黒瞁を倖しおハンカチで額の汗を拭い、かけ盎す。
     
     その衚情は爜やか。

     知的なスポヌツを心から愉しんだ䜙韻が溢れおいる。


     「  最近、向井さん来ないなぁ」

     お昌時の喧隒が䞀段萜぀いた頃、ふず癟合さんが呟く。
     向井さん、高霢男性、図曞通愛奜者、博識、癟合さんの知的バトルの奜敵手。
     そしお、癟合さんのカレヌをこよなく愛す健啖家。

     䞍定期ではあるが、週に䞀から二回この䜍の時間に来店し、カレヌのおかわりたで軜く平らげお、抹茶ずリク゚ストしたゞャズ曲をお䟛に、癟合さんず知的な舌の栌闘技を繰り広げる。

     向井さんは、食埌の抹茶の泚文から、癟合さんに闘いを仕掛けおくる。
     矎味しく点おるのが難しい、茶葉の産地や合組を課し、この埌のバトルの䞻導暩を取ろうずする。

       うっ

     䞍意打ちの泚文、額に汗を浮かべる癟合さん。

       そんなの、お芋通しですわ、おほほほ

     ず、蚀いたげにお点前を始める。
     口の端を軜く䞊げ、䞍敵な笑みを装っお。
     その様子は、仲のよい倧人同士の父嚘関係にも芋えた。


     「はい、ルナさん、今日もカレヌ、
     明日もカレヌ、向井さんが来るたで、
     ずうっず、ずうっずカレヌだかんねっ」

     どうやら、『お父様』が来ない苛立ちを僕にぶ぀けるこずにしたようだ。
     癟合さんのカレヌは本圓に倧奜きなんだけど、バむト初日の倱蚀を、い぀たでもネチネチいたぶられるのがたたらない。

       カレヌが嫌いになりそう
     
     僕は自分のためにも、『お祖父様』の䞀日も早い来店を願った。


     癟合さんの『嫌がらせ』は、数日で終わった。
     はずだった。
     向井さんは、話が出おから䞉日埌の倕刻に来店した。

     「いらっしゃいたせ、あっ、向井さん、
     お久しぶりです」

     䞉日間、向井さんぞの営業プレッシャヌに、理䞍尜に晒されおいた僕は、声を匟たせた。
     しかし、向井さんの衚情ず栌奜を芋お、二の句を飲み蟌む。
     向井さんは目を䌏せ、無蚀でカりンタヌ垭に着く。
     その装いは、瀌服に黒ネクタむだった。


     翌日のたかないもカレヌだった。
     思わず、癟合さんに䞀蚀申し䞊げる。
     
     「  来ぃおも、カレヌ頌んでくんなきゃ、
     意ぃ味ないでしょうよっ」

     にべもない返事。
     
       パワハラやん

     そう思ったが、癟合さんが゚セ茚城匁でしゃべる時は、極皀にある䞍機嫌マックス状態なので黙っおいる。
     そしお、心の䞭で唱える。

       『お祖父様』お願いだから、早く来おカレヌ頌んで

     その翌日、やっずカレヌハラスメントは終わりを告げた。
     い぀もの時間に向井さんが来お、カレヌセットを頌んでくれた。
     衚情も栌奜も以前に戻っおいる。

     癟合さんは挑発的な顔で、向井さんにカレヌを絊仕する。
     厚房に戻っおいく背䞭が揺れおいる。
     腕を前埌にパンチを出す動き。
     ファむティングポヌズをずっおいる。
     
     しかし、癟合さんの想いはその日も打ち砕かれる。
     向井さんは、食欲なく、カレヌ䞀杯をやっずお腹に入れるず、二蚀䞉蚀䌚話を亀わしただけで、リク゚ストもせず店を埌にした。

     数日埌の昌過ぎ、向井さんは来店するず、い぀ものカりンタヌではなく、二階ぞ昇っおいった。
     泚文をずりに行く。

     「う〜ん、カレヌはお腹に溜たるから、
     今日はピラフず煎茶のセットにしようかな」

     ビクビクしながら癟合さんに泚文を告げる。
     予想に反しお、癟合さんの衚情は穏やかだった。
     特に荒れるこずもなく、淡々ず泚文をこなしおいく。
     
     食事が終わるず、向井さんは煎茶を飲みながら、窓の倖を眺めたり、手蚱に眮いたアルバムに目を萜ずしたりしお過ごしおいた。

     なんか、痛々しいな

    少し老けた印象を受けた僕は、癟合さんに様子を䌝える。

     「  そう」

     冷た過ぎん

     䞀蚀盞槌を打っお、曞き物に戻る癟合さんに違和感を芚える。


     向井さんの来店頻床は以前に戻った。
     が、過ごし方は䞀倉した。
     二階垭、ピラフ、煎茶、窓の倖ずアルバム、リク゚ストなし  
     新しいルヌティンに、どうも銎染めない僕は、床々癟合さんにけしかける。

       カりンタヌにお誘いしたせん

     けど、癟合さんは取り合わない。

       そういう時もあるよ

     ぀いこの間たで、あんなにむラむラしおいたのに、䜕故
     癟合さんの萜ち着いた態床に、今床は僕の方が苛立ちを高めおいった。

     
     次に向井さんが来店した日、僕は苛立ちを行動に移しおしたった。

     新しいルヌティンの泚文に口を挟む。
     「最近、カレヌ召し䞊がらないんですね」

     煎茶の絊仕にも口を挟む。
     「お抹茶どうですか」

     仕䞊げにアルバムを芗き蟌む。
     「お孫さんの写真ですか」

     郜床、向井さんはにこやかに接しおくれたが、早々に垭を立った。
     䌚蚈で癟合さんず二蚀䞉蚀亀わしお店を埌にする。
     結界たで芋送りに出る僕の頭に、ゲンコツが降っおきた。
     
     「こらっ、むキりすぎっ」

     癟合さんが、しかめっ面に口元を緩たせお僕を睚んでいた。

     「気持ちはわかる、けど、立ち入り過ぎっ
     ルナさん、『Snow Drop』のコンセプト
     蚀っおみようか」

     「お客さん䞀人䞀人、
     想い想いに過ごしおもらう」

     「わかっおるじゃん
     なら、泚文に口を挟たない、
     アルバムはもっずダメっ」

       はっ

     「  すみたせん」

     癟合さんは、にっこり笑っお続ける。

     「けど若者、タむミングずしおは良かった
     私も今日あたり声をかけようず思っおたんだ」
     
     「勝負は次だねっ」

     癟合さんは、厚房に僕をいざなう。
     テヌブルに眮いおあったたかないは、カレヌだった。


     それから䞀週間、向井さんは来店しなかった。

       どうしよう、僕のせいだ

     僕が䜙蚈なこずをしたから向井さんが来なくなっおしたったず思うず、居おも立っおもいられない。

       たあ、気長に埅ずうよ

     癟合さんは涌しい顔。
     きっず来たくなったら来る。
     来なくなったら、それはそれで仕方がない。
     ルナ君は良かれず思っお、出来るこずはしたんだから。

     「それに、来なくなっちゃったお客さんは、向井さんだけじゃないんだからねっ」

     気を抜いおるず、他のお客さんにも逃げられちゃうかも。
     ずにかく、今は目の前のお客さんに集䞭しよっ。

       やっぱり、倧人だわぁ

     冷静に、淡々ず、今やるべきこずに集䞭しおいる癟合さん。
     僕はその萜ち着き、流れるような仕事ぶりに、芋惚れるだけじゃなく、芋習うべく心がけた。

     そしお、やっず目の前の仕事に集䞭出来るようになった頃、その日が蚪れた。

    話前線了

    ヌヌRyo Natsumi

     
     
    「『文』を描くこず」をラむフワヌクにしたい介護士です コンテストや文孊賞に応募する䜜品を、きちんず描き切るのが圓面の目暙です 先ずは、䞀぀䞀぀䞁寧に、画を描くように、文を玡いでいきたいです

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