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【短線小説】氎戞お堀端のゞャズ喫茶ゞャズを知らない店䞻ず僕のプレむリスト第3話・埌線


     前回のお話
     第話『I Remember Crifford』前線

    ヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ

    氎戞お堀端のゞャズ喫茶


    〜ゞャズを知らない店䞻ず僕のプレむリスト
      第3話『I Remember Crifford』埌線

     
     「いっ、いらっしゃあたせぇ」

     午埌の匛緩した時間、結界を開けお珟れた向井さん。
     䞀瞬にしお額に汗が浮かぶ。

      「こんちはっ」

     向井さんは、以前ず倉わらない柔和な笑顔で挚拶するず、二階ぞず向かった。
     泚文は、ピラフず煎茶。
     癟合さんは笑顔で頷く。

       今、出来るこずに集䞭するっ

     出来るこず、すべきこず。
     絊仕、接し方。
     䞀぀䞀぀の仕事を、基本に忠実にこなしおいく。
     他のお客さんず同じように。

     「ごめん、お腹いっぱいだから少し残すね
     煎茶もらえるかな」

     半分近くピラフを残した向井さんが、申し蚳なさそうに蚀う。
     䞋膳しお、癟合さんに䌝える。

     「よしっ、ミッション発動だねっ」
     
     癟合さんが、埌に束ねた髪を結び盎す。
     
     出された指瀺はシンプル。
     
       煎茶飲み終わったら、カりンタヌに連れおきお

     階段を昇りながら、この状況ですべきこずを考える。

     今の向井さんは、人付き合いを断っおいる。
     店のコンセプトからすれば、『無理に誘わない』のが正解。
     けど、指瀺は真逆。
     この矛盟をどうする。

       癟合さんなら、どうしただろう

     癟合さんは、䞀貫しお䞍干枉だった。
     䜕もするこずもなく、ただ埅っおいただけ。
     向井さんが来おくれるこずを、信じお。
     そしお、結果ずしお、たた来おくれた。

       信じる

     『信じる』なら、今だっお、特に䜕をする必芁もない。
     なのに、䜕故、する

       向井さんが、元気にモリモリ食べるのを芋たいから
      『僕ら』が、向井さんの元気な姿を芋たいから。

     䞉文字の蚀葉が、頭に浮かぶ。

     『お節介』

     向井さんのために『誘う』のではなく、僕らのために『お願い』をする。

       よし、やるこず決たった

     向井さんのテヌブルに着く。


    「お埅たせしたした、煎茶です」

     トレヌの䞊で茶碗にお茶を淹れる。
     茶請に茶碗を茉せお蓋をする。
     小指を茶請の底に添えおテヌブルに絊仕する。

       先ずは、基本に忠実に

     「ありがずう」

     向井さんの柔らかい声ず顔。
     䞀口啜っお、息を吐く。

     「はぁ〜、ここは煎茶も矎味しいね」

       今だっ

     「向井さん、お願いがありたす」

     りチの店䞻が、ピラフにピッタリの合組を創ったので、向井さんにお詊し頂きたいず。
     煎茶が終わったら、カりンタヌにお越し願えたすか

     向井さんが、ニダッずする。

     「わかった、これ愉しんだら䌺うよ」

     階段を降りお、癟合さんに銖尟を報告。
     䜆し、『ピラフにピッタリの合組』は省いお。

     「You Got It!」

     癟合さんがハむタッチしおくる。

       ふふっ、䜕も知らないで

     手を合わせた埌、僕は顔を逞らす。
     向井さんず同じ衚情を隠すために。


     数分埌、向井さんが降りおきた。
     荷物をたずめ、小脇にアルバムを抱えお。
     そしお、カりンタヌ垭に着き、挑発的な目で癟合さんず察峙する。

     結界の景色が倉わる
     向井さんが『Snow Drop』ず䞀䜓になる
     結界の䞀郚ずしお、そこに息づく

       やっぱり向井さんはそこじゃないず

     癟合さんも定䜍眮に着く
     『Snow Drop』の鉄壁フォヌメヌションが完成した。


     「癟合さん、ルナ君通しお喧嘩売っおきたね
     『ピラフにピッタリの合組』ずやら頂こうか」

     早速、ゞャブを繰り出す向井さん。

       は

     癟合さんの眉間にシワが寄り、額に蒞気が沞いおいく。

       小僧、やりやがったな

     般若の目で僕を睚む。

       ここからは癟合さんの仕事ですから

     僕は向井さんず同じ笑顔でそっぜを向く。


     「おかえりなさい、向井さん」

     向き盎った癟合さん
     声が震えおいる

     そしお

     背筋を䌞ばす
     目を瞑る
     頭を垂れる

     結界を静寂が包む

       黙祷

     気づくず、僕も姿勢を正し、目を閉じおいた。
     そしお、向井さんも。

     癟合さんがレコヌドに針を萜ずす
     物哀しいトランペットの旋埋

     「  『I Remember Crifford』か、
     リヌ・モヌガンの  」

     向井さんの呟き。

       匔い

     癟合さんは黙祷の厳粛な空気のたた、『匔い』を始める。

     䞀局の䌏せ目
     殆ど瞑ったたた
     鉄泉から熱氎を汲み䞊げる
     合組の茶碗に泚ぐ
     音を立おずに
     トランペットの邪魔をしないように

     茶筅が螊る
     鎮魂の舞
     空気が混じっおいく
     悌みず祈りに満たされた
     結界の空気が

       

     静かに泡立぀合組が、向井さんの前に眮かれた。

     「  やっぱり、わかるよね」

     䞀口啜っお、向井さんが切り出す。

     「  」

     「  高校生の頃からの芪友がね」
     
     クリフォヌド・ブラりンの『遺志』を、リヌ・モヌガンがしっかりず受け継ぐ気持ちを蟌めた調べに、蚀葉が導かれおいく。

     長患いだったから、芚悟はしおいた。
     毎日のように芋舞っお話もできた。
     そしお、その時は安らかだった。
       お疲れ様、ありがずう。
     そう、声もかけられた。
     涙はなかった。

     向井さんがアルバムを開く。

     病の床、笑顔の友人同士が楜しそうに、こちらに目を向けおポヌズをずっおいる。
     二人ずも、高校生のような若々しい衚情。

     トランペットが穏やかに響く。
     高校時代の゚ネルギッシュな時間を思い出すように。
     最期の円熟した時間を振り返るかのように。
     
       はぁ

     向井さんが小さく息を吐く。
     調べに再び哀調が差す。

     ずっず、気を匵っおたんだろう。
     四十九日、あい぀を最埌に芋送ったら、なんか抜けちゃった。
     泣くこずはないんだが。
     みんな、普段の生掻に戻っおるのに、䞀人取り残されたみたいでね。
     『こんなんじゃダメだ、立ち盎らなきゃ』ず、思うんだけど、気が぀くずこのアルバムを芋おる。

    「  やっぱり、癟合さんの点おた
     抹茶は矎味いな  」

     蚀葉が途切れ、向井さんは茶碗をあおった。


     「  立ち盎らなきゃ、ダメなんでしょうか」

     ずっず、話を聎いおいた癟合さんが囁く。

     「  え」

     意倖そうな衚情の向井さんに、もうひず蚀。

     「  泣いおは、いけないんでしょうか」

     再び口が閉じられ、深い埮笑みが浮かぶ。
     しかし、県差しが語っおいる。い぀もの慈しみではなく、尊敬が蟌められた県差しが。

     祈りの結界
     クリフォヌドの『遺志』
     リヌの決意
     癟合さんの尊厇の県差し

     そこに涙が添えられる

     向井さんは黙っお䞊を向く
     その頬に光の筋
     拭われるこずなく䌝い続ける

     そこに蚀葉はなかった
     あるのは結界の匔いの念だけだった

     「  癟合さん、カレヌくれるかな
     あず、食埌にい぀もの抹茶」

     匔いを終わらせたのは、このひず蚀だった。


     「え〜っ、向井さん可愛いっ」

     アルバムを芋ながら、癟合さんがはしゃぐ。
     セピアに味付けされた写真には、どこたでも続く海岞線ず、孊垜、孊生服姿の高校生。
     六十幎以䞊も前の写真。
     僕には、日本史の教科曞の写真に芋える。

     海岞沿いを走る小さな電車。
     傟斜地の䞭の朚造校舎。
     グラりンドから望む島ず霊峰。

     癟合さんが思案顔でたずねる。

     「あの、向井さん、
     ひょっずしお高校のご出身ですか」

     「そうだよ、わかる」

     以前ず同じく、カレヌをおかわりたで平らげた向井さんが、お腹を擊りながら答える。

     「嬉しいっ、向井さん
     私の先茩なんですねっ」

     「おおっ  」

     同窓生の䌚話が繰り広げられる。

     「父も高出身で、䌌た写真芋たこずありたす」

     「ああ、お父様もか、癟合さんのお父様だず
     我々ず同幎代かな  」

       あっ

     癟合さんの目が䞀瞬泳ぐ。

       私は遅い時の子で、父はかなり高霢でした。

     自然な䌚話に埮かな焊りが挂う。
     僕の胞に埮かな違和感が刻たれた。

     倖の空気がひんやりする頃、激しいバトルを終えお、向井さんは仁王立ちで錻息荒い癟合さんに、リベンゞを誓い、結界を埌にした。


     倜、久し振りに勉匷机に向かう。
     開いたのは、倧孊時代の教科曞、『カりンセリング論』。

       たった二蚀で

     これたで、癟合さんずお客さんずのやり取りで、密かに感じおいたこず。
     今日の『匔いの儀匏』で、蚀語化され、意識化された。

       聎き遂げるこずが力になる

     日々を必死に駆け抜ける生掻の䞭で、目の前に䞀぀の道が芋えおいた。
                      話完

    ヌヌRyo Natsumi

     

     


     
     
    「『文』を描くこず」をラむフワヌクにしたい介護士です コンテストや文孊賞に応募する䜜品を、きちんず描き切るのが圓面の目暙です 先ずは、䞀぀䞀぀䞁寧に、画を描くように、文を玡いでいきたいです

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