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授業参観をホラー映画に変えた日

    小学校の時、私はすぐに鼻血が出る子供でした。

    小学校へ登校後に鼻血が出て1時間目は保健室で寝ていることもたまにありました。
    タイミングとして最悪だったのは、授業参観の真っ最中に鼻血を出した事件です。 その日の科目は国語で、生徒が一人ずつ順番に教科書を朗読していく、という内容でした。

    自分が読む順番が回ってくるまで結構あったので下を向いて、他の生徒が読んでいるところを目で追っていると……。授業参観で緊張していたためなのか…

    ポタっ……ポタっ……と、鼻血が国語の教科書に垂れ始めました。

    (まずいっ!)

    と思ったのですが、今日は授業参観。自分の母親はもちろん、友達のお母さんもたくさん後ろで見ているため、「鼻血が出ました」という言葉が恥ずかしくて言えません。しかもティッシュも持っていなかったため、ただただ教科書にポタポタポタと垂れ流していました。

    そのまま数十分が経過すると、教科書の谷間の部分に鼻血がべっとりと溜まっていきました。
    今言ったらきっと「何でそんなになるまで黙っていたの!」と怒られるだろうな……と思うと、さらに言いづらくなります。

    このまま自分が読む番になるまで、なんとかソ〜っと保健室に行く方法がないかを必死に考えました。しかし、そんな方法が見つかるわけもなく、ついに隣の女子が私の「血まみれの教科書」を発見し、『キャー!!』と叫んだことにより事態は発覚してしまいました。

    先生も血まみれの教科書を見て驚き、『バク君!(私の名前)どうしたの!』と駆け寄ってきました。

    私は顔を上げ、『鼻血がでました!』とすぐに答えようとしたのですが、思っていた以上に口の中にまで鼻血が溜まっていたため、激しくムセてしまい……

    『鼻血がぁ……ゴフゥッ!!』

    口の中から、特大の鼻血の塊(ゼリー状)が飛び出してしまいました。

    そのホラー映画のワンシーンのような光景を目の当たりにした周辺の生徒たちが、『キャーーー!!』と悲鳴を上げ、授業参観は完全に中断しました……。

    ウチの母親が慌てて私のところに駆け寄り、私の鼻をティッシュで拭いながら、
    「すいません、すいません! この子、血管が弱くてすぐ鼻血が出るんです!」
    と、この惨劇を見れば説明不要だろうと思うような事実を必死に叫びながら、周りのみんなに平謝りしていました。

    その日の夜、予想していたとおり母親にこってり怒られました……。
    そして私は、その学年が終わるまでの数ヶ月間、その「血塗られた教科書」で授業を受ける羽目になったのです。

    この歳になっても、言いづらい事を後回しにして失敗することがあります……。
    人間、そう簡単には成長しないもんですね……。あぁ……。


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    初対面や慣れない場所だと、少し緊張して口数が減ってしまうタイプのシャイなオッサンです。その場を穏便にやり過ごそうとして、つい適当なことを言っては後で一人反省会をする……そんな日常のちょっとしたすれ違いや失敗談をエッセイにしています。

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