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【第535回】 Data Cloud : 2026 年 6 月 新機能リリース ハイライト

    Nobuyuki Watanabe

    現在、Data 360(Data Cloud)では 他の Salesforce 製品とは異なり毎月新機能がリリースされています。その数の多さに加え、内容も高度であるため、私自身キャッチアップに苦戦しています。

    そこで、毎月の Data Cloud 新機能リリースのハイライトをまとめてあります。日頃の学習に活用してください。


    過去の記事


    2026 年 6 月リリース ハイライト

    2026 年 6 月の Data Cloud リリースでは、単なる機能追加というよりも、Data Cloud を企業全体のデータ基盤として活用するための強化 が数多く実施された印象を受けます。

    それでは、主な新機能を順番に確認していきましょう。


    Data 360 の新しいアプリ内ガイダンス機能

    ① Data 360 Resource Center(ベータ)

    Data 360 内から直接、学習コンテンツやリリース情報へアクセスできる Data 360 Resource Center(ベータ) が追加されました。

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    これまで Data Cloud の新機能や設定方法を確認する場合、

    • Salesforce Help

    • Trailhead

    • リリースノート

    • コミュニティ

    などを個別に参照する必要がありました。

    今回の機能により、Data 360 の画面内から直接、

    • 関連ドキュメント

    • 設定ガイド

    • 学習コンテンツ

    • 最新リリース情報

    へアクセスできるようになります。

    また、

    • Process & Enrich ホームページ

    • 各機能ページ

    • リソースページ

    など、利用中の画面に応じたコンテンツが表示されます。

    さらに、

    • 学習コンポーネント

    • What's New(新機能紹介)

    なども提供されるため、Data Cloud の学習やキャッチアップを効率化できます。

    メリット

    • Data Cloud 画面から直接ヘルプへアクセス可能

    • 最新リリース情報を確認しやすい

    • 学習コンテンツを一元的に参照できる

    • 新機能の発見やキャッチアップを支援

    特に Data Cloud は毎月多数の機能が追加されるため、利用者にとって非常に便利な機能と言えるでしょう。

    設定方法

    1. Data Cloud の設定画面から、Feature Managerを開き、Data 360 Resource Center(Beta)を有効化します。

    2. なお、本機能を利用するには、Data 360 左側ナビゲーション(Left Navigation)も有効化されている必要があります。

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    プラットフォーム

    ① Simple Start

    Data Cloud の初期構築を大幅に簡素化する 「Simple Start」 が追加されました。

    ホーム組織側で機能を有効化することで、CRM オブジェクトに対応する Data Stream や DLO を自動生成 できるようになります。さらに、標準オブジェクトについては、標準 DMO へのマッピングも自動作成 されます。

    また、この機能を有効化にすることで、CRM 側で新しい項目が追加された場合も、Schema Evolution(スキーマ進化)によって Data Stream や DLO に自動反映 されるため、運用負荷を大幅に削減できます。

    これにより、

    • Data Cloud 初期構築時間の短縮

    • CRM 項目追加時のメンテナンス削減

    • 導入までのリードタイム短縮

    が期待できます。

    考慮事項

    • 新規組織ではデフォルトで有効されています

    • 既存組織では現時点では利用不可です。将来的に利用可能になる可能性はあります

    • データストリーム / DLO のメタデータのみが作成されます。これらのデータストリームは非アクティブ状態で作成され、データストリームをアクティブ化することで取り込みが開始されます

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    ② Notebook AI - Deep Research

    Notebook AI に 「Deep Research」 が追加されました。

    Notebook AI は、Data Cloud 内のデータやドキュメントを利用して AI に質問できる機能ですが、Deep Research ではさらに高度な調査レポートを生成できるようになります。

    利用者は、

    • Data Cloud のデータ

    • CRM データ

    • アップロード済みドキュメント

    • 企業ナレッジ

    • Web 情報

    などを対象として、自然言語で調査依頼を行います。

    例えば、

    • 「金融業界の類似案件ではどのように受注したのか?」

    • 「過去のキャンペーンで CTR が低下した原因は何か?」

    • 「類似ケースで最も効果的だった解決方法は何か?」

    といった質問を入力すると、AI が調査計画を作成し、その後レポートを生成します。

    また、

    • 調査計画の編集

    • 優先ソースの指定

    • 調査進捗の確認

    • レポートの生成

    にも対応しています。

    従来の生成 AI が「質問への回答」を行うのに対し、Deep Research は 「調査そのものを AI が実行する」 イメージです。

    そのため、

    • 営業担当者

    • サービス担当者

    • マーケター

    • コンサルタント

    などが、大量の情報を横断的に分析する際に大きな効果を発揮します。

    メリット

    • 調査時間を大幅に短縮

    • 複数データソースを横断して分析可能

    • 回答だけでなく根拠付きレポートを生成

    • ビジネス判断のスピード向上

    Data Cloud に蓄積されたデータを活用する AI ユースケースとして、今後注目される機能になりそうです。

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    ③ Document AI が 100 ページ・25 MB まで対応可能に

    Document AI のバッチ処理モードが強化されました。

    従来、Document AI は、

    • 最大 25 ページ

    • 最大 10 MB

    までしか処理できませんでした。

    そのため、

    • 契約書

    • ローン申請書

    • 保険申込書

    • 監査レポート

    などの大規模なドキュメントでは、ファイルを分割して処理する必要がありました。

    今回のアップデートにより、バッチ処理モードでは、

    • 最大 100 ページ

    • 最大 25 MB

    まで処理可能になりました。

    これにより、金融機関や保険会社などで利用される大規模ドキュメントの解析にも対応できるようになります。

    なお、この拡張は Source Object を利用したバッチ処理のみが対象 であり、リアルタイム API(Transactional API)については、従来どおり、

    • 25 ページ

    • 10 MB

    の制限が継続されます。


    ④ Document AI Classification API

    Document AI に Classification API が追加されました。

    これにより、アップロードされたドキュメントを AI が自動的に分類できるようになります。

    従来は、

    • 請求書

    • 契約書

    • 申込書

    • 身分証明書

    などのドキュメント種別を利用者側で管理する必要がありました。

    今回の機能追加により、Document AI がドキュメント内容を解析し、自動的に文書種別を判定できるようになります。

    例えば、

    • 金融機関の申請書類

    • 保険関連書類

    • カスタマーサポート添付ファイル

    • 契約関連文書

    などを自動分類し、その後の抽出処理や業務フローへつなげることができます。

    メリット

    • 文書分類の自動化

    • 手作業による仕分けを削減

    • Document AI の精度向上

    • 業務プロセスの自動化を促進

    --- Resource Path
    
    /services/data/v67.0/ssot/document-processing/actions/detect-schema
    
    --- Schema Detection Payload Structure
    
    {
     "schemaConfigurations": ["string"],
     "mlModel": "string",
     "files": [
     {
     "fileId": "string",
     "data": "base64-encoded-string",
     "mimeType": "string",
     "additionalParams": {}
     }
     ],
     "mode": "Single | Multi"
    }
    
    --- Success Response (200 OK)
    
    {
     "data": [
     {
     "schemaConfiguration": "string",
     "matchingScore": 0.95,
     "totalFieldsInSchema": 25,
     "matchingFieldsInSchema": 24
     }
     ]
    }

    ⑤ Document AI に「下書き」状態が追加

    Document AI に Draft State(下書き状態) が追加されました。

    これまで Document AI の設定変更を行う際は、構成途中でも公開状態に近い形で管理する必要がありました。

    今回の機能追加により、設定途中の状態をドラフトとして保持できるようになります。

    これにより、

    • 設定作業中の誤公開防止

    • 複数担当者でのレビュー

    • 検証後の公開

    が行いやすくなります。

    対象:この変更は、Salesforce Shield Platform Encryptionが有効になっているEnterprise、Performance、Unlimited、およびDeveloperエディションのLightning Experienceに適用されます。


    ⑥ Document AI の対応モデル拡張

    Document AI が利用できる AI モデルの種類が拡張されました。

    最新の大規模言語モデル(LLM)を活用することで、複雑な文書でもより高い抽出精度と高速な処理を実現できます。GPT 5.4、Gemini 3 Flash、Claude Sonnet 4.6 から選択できるようになりました。

    今回のアップデートにより、

    • 精度重視

    • 速度重視

    • コスト重視

    などの要件に応じた選択肢が広がります。


    データ統合・データ取り込み

    ① Query API の強化(Offcore API / Data 360 SQL for Apex)

    Data Cloud の Query API が大幅に強化されました。

    今回のリリースでは、

    • Query API - Offcore / Direct API Endpoint

    • Query API - Data 360 SQL for Apex

    の 2 つの機能が追加されています。

    a. Query API - Offcore / Direct API Endpoint

    Data Cloud のデータへ、Salesforce Core を経由せず直接アクセスできる API エンドポイントが提供されました。

    これにより、

    • 社内システム

    • 外部アプリケーション

    • データ分析基盤

    • カスタムアプリケーション

    などから、より柔軟に Data Cloud のデータを利用できるようになります。

    従来は Salesforce プラットフォーム経由の連携が中心でしたが、今回の機能により Data Cloud を企業全体のデータ基盤として活用しやすくなります。

    b. Query API - Data 360 SQL for Apex

    Apex から Data Cloud SQL を実行できるようになりました。

    これにより、Salesforce アプリケーションから直接 Data Cloud のデータへアクセスできるようになります。

    例えば、

    • カスタム Lightning コンポーネント

    • Agentforce

    • 独自業務アプリケーション

    • Flow や Apex を利用した自動化

    などから、Data Cloud のデータを活用しやすくなります。

    メリット

    • 外部システムとの連携を簡素化

    • Apex から直接 Data Cloud データを利用可能

    • カスタムアプリケーション開発を支援

    • Data Cloud を企業全体のデータ基盤として活用しやすくなる

    https://developer.salesforce.com/docs/data/data-cloud-query-guide/references/data-cloud-query-api-reference/c360a-api-queryservices-overview.html


    ② Accelerated Data Ingest が一般提供開始

    この機能は CRM データにリアルタイムでアクセス可能にするために、Data Cloud へのデータ取り込み処理を高速化する仕組みです。

    利用条件:
    本機能は、Data Cloud - Sub-second Real-Time Profile & Entities (10K) SKU を契約している組織で利用できます。

    料金:
    料金体系は、Web SDK・モバイル SDK・RT Ingestion API を利用した Sub-second Real-Time Events と同じです。
    - Data Services Credits:100 万イベントあたり 70,000 クレジット
    - Flex Credits:100 万イベントあたり 250,000 クレジット

    そのため、本機能の利用を検討する際は、イベント数に応じたクレジット消費量も考慮する必要があります。

    従来は、

    • データ取り込み

    • Identity Resolution

    • Data Graph 更新

    までに一定の待機時間が発生するケースもありました。

    Accelerated Data Ingest を利用することで、取り込まれたデータをより迅速に処理し、最新の顧客プロファイルへ反映できるようになります。

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    これにより、

    • Web 行動データ

    • SDK データ

    • API 経由データ

    • CRM データ

    などを活用したリアルタイム施策を実現しやすくなります。

    重要:ベータ版では、Kafka、Kinesis、および Amazon S3 バッチソースがサポートされていましたが、一般提供をするに当たり、CRM データソースのみをサポートするように変更されました。


    ③ Fileforce Connector — Day 0

    Fileforce Connector において、Day 0 から利用可能な接続機能が提供されました。

    Fileforce Connector は、企業内に存在する非構造化データを Data Cloud や AI 機能から活用するための基盤となるコネクタです。

    近年は、

    • PDF

    • Word

    • PowerPoint

    • 契約書

    • マニュアル

    などの非構造化データ活用が重要視されています。

    今回の対応により、導入初期段階から Fileforce を利用したデータ連携を行いやすくなります。

    特に、

    • Enterprise Knowledge

    • Notebook AI

    • Agentforce

    との組み合わせで効果を発揮しそうです。


    ④ Salesforce IdP for Databricks File Federation Connector

    Databricks File Federation Connector において、Salesforce Identity Provider(IdP)による認証が利用できるようになりました。

    これまで Databricks 側との認証管理は個別に行う必要がありましたが、今回の改善により Salesforce 側の認証基盤を活用できます。

    その結果、

    • ユーザー管理

    • 認証管理

    • アクセス制御

    を統一しやすくなります。

    メリット

    • 認証管理の一元化

    • セキュリティ向上

    • 運用負荷軽減

    • Databricks との統合強化


    ⑤ Datakit 移行時の Datastream 更新に対応

    Datakit を利用して Zero Copy 関連アセットを移行する際に、Datastream が参照する Database・Schema・Table を更新できるようになりました。

    これまで環境移行時には、

    • 開発環境

    • 検証環境

    • 本番環境

    で参照先が異なる場合、Datastream の再設定や手動修正が必要になるケースがありました。

    今回の改善により、Datakit を利用した移行時に参照先情報を更新できるため、環境移行の負荷を軽減できます。

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    ⑥ Marketing Cloud Intelligence Connector

    Marketing Cloud Intelligence Connector が追加されました。

    このコネクタを利用することで、Marketing Cloud Intelligence のレポートデータを Data Cloud で活用できるようになります。

    企業によっては、

    • 広告データ

    • Web アナリティクス

    • SNS パフォーマンス

    • キャンペーン成果

    を Marketing Cloud Intelligence 側で管理しています。

    今回の連携により、それらのデータを Customer 360 の文脈で活用しやすくなります。

    例えば、

    • 広告接触

    • 顧客属性

    • 購買データ

    を統合し、より高度な分析やセグメンテーションを行うことが可能になります。

    メリット

    • Marketing Cloud Intelligence との連携強化

    • マーケティング分析の高度化

    • 広告データと顧客データの統合

    • Customer 360 の価値向上


    ⑦ AWS Glue Data Catalog File Federation Connector

    AWS Glue Data Catalog と連携する File Federation Connector が追加されました。

    これにより AWS 環境で管理されているデータ資産を、Data Cloud から直接利用できるようになります。

    従来は、

    • データコピー

    • ETL 処理

    • 中間ストレージ

    などが必要となるケースもありました。

    今回の機能により、既存のデータレイクを活用しながら Data Cloud と統合しやすくなります。

    メリット

    • データコピーを削減

    • 既存 AWS 投資を有効活用

    • ゼロコピーアーキテクチャを推進

    • 運用コスト削減


    ⑧ Microsoft Fabric OneLake File Federation Connector

    Microsoft Fabric OneLake と連携する File Federation Connector が追加されました。

    近年 Microsoft Fabric を採用する企業が増えていますが、今回の機能により Fabric 上のデータを Data Cloud から利用しやすくなります。

    OneLake は Fabric の中心となるデータレイクであり、

    • BI

    • AI

    • 分析

    など様々な用途で利用されています。

    Data Cloud と連携することで、Customer 360 や Agentforce のデータソースとして活用することが可能になります。

    メリット

    • Microsoft Fabric との統合強化

    • データ移動を最小化

    • 既存分析基盤を活用可能

    • Customer 360 の拡張


    データ変換・データモデリング

    ① Secondary Index - Materialized DMO Support

    Materialized DMO に対して Secondary Index を作成できるようになりました。

    Data Cloud ではデータ量の増加に伴い、

    • クエリ性能

    • セグメント評価速度

    • データ参照速度

    が重要になります。

    今回の機能追加により、Materialized DMO に対して追加インデックスを設定できるため、特定項目を利用した検索や集計のパフォーマンス向上が期待できます。

    特に大量データを扱う環境では効果が大きく、

    • Calculated Insight

    • セグメント

    • データ探索

    などの処理性能改善につながります。

    メリット

    • クエリ性能向上

    • セグメント評価速度向上

    • 大規模データ処理の最適化

    • Data Cloud 全体のレスポンス改善


    ② Transform Builder の操作性を改善

    Transform Builder のユーザーインターフェースが改善されました。

    今回追加された主な改善点は、

    • Context Menu(右クリックメニュー)

    • Changes Pane(変更一覧ペイン)

    です。

    Data Cloud のデータ変換処理は複雑になりやすく、

    • 多数のノード

    • 複数の変換ロジック

    • 長い処理フロー

    を管理するケースも少なくありません。

    今回の改善により、

    • 編集作業の効率化

    • 変更箇所の把握

    • 開発者体験の向上

    が期待できます。

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    ③ Activate Data Graph via Connect API

    Data Graph を Connect API 経由でドラフト状態から有効化できるようになりました。

    これまで Data Graph の作成や有効化は主に UI から実施する必要がありましたが、今回のアップデートにより、API を利用した管理が可能になります。

    これにより、

    • CI/CD パイプラインへの組み込み

    • 環境構築の自動化

    • Data Kit と組み合わせた移行作業

    • 複数環境への展開

    などを効率化できます。

    特に Data Cloud の導入案件では、

    • 開発環境

    • 検証環境

    • 本番環境

    を用意するケースが多く、Data Graph の設定移行が課題となることがあります。

    今回の機能追加により、Data Graph のライフサイクル管理をより自動化できるようになります。

    Q:Activate を呼び出すとどうなりますか?
    A:グラフはドラフト状態からアクティブ状態に移行し、最初の更新がすぐに開始されます。


    ④ Data Graph Refresh History

    Data Graph の更新履歴(Refresh History)を確認できるようになりました。

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    Data Graph は Customer 360 を実現する中核機能ですが、これまでは、

    • いつ更新されたのか

    • 更新が成功したのか

    • 更新にどれくらい時間がかかったのか

    を確認することが容易ではありませんでした。

    今回の機能により、Data Graph の更新状況を履歴として確認できるようになります。

    そのため、

    • 更新失敗の調査

    • データ反映タイミングの確認

    • パフォーマンス分析

    • 運用監視

    などが行いやすくなります。

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    ⑤ Identity Resolution Filters

    Identity Resolution にフィルター機能が追加されました。

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    Identity Resolution は、複数のデータソースに存在する顧客情報を統合し、Unified Individual を作成するための重要な機能です。

    これまでは、設定したルールに基づいてデータ統合が行われていましたが、今回のアップデートにより、統合対象をフィルターで制御できるようになります。

    例えば、

    • 特定のブランドのみ統合する

    • 特定の国のデータのみ対象とする

    • テストデータを除外する

    • B2B と B2C を分離する

    といった柔軟な制御が可能になります。

    これにより、組織の要件に応じた Identity Resolution の設計が行いやすくなります。

    また、不要なデータまで統合してしまうリスクを低減できるため、Unified Individual の品質向上にもつながります。

    メリット

    • 統合対象を柔軟に制御可能

    • Unified Individual の品質向上

    • テストデータの除外が容易

    • 複雑な組織要件への対応

    Identity Resolution を利用している企業にとっては、非常に重要な機能強化と言えるでしょう。

    考慮事項

    • 除外されたレコード分は統合処理の課金対象になりません。

    • 最大 3 グループまで(自動的に OR 条件)

    • 各グループは最大 3 条件まで(自動的に AND 条件)

    • フィルターは Unified Individual 作成前に適用されます。

    • 既存ルールセットへ追加すると Full Refresh が実行され、クレジットを大きく消化します。


    ⑥ 新しい Real-Time Insight 関数

    Real-Time Insight に新しい関数群が追加されました。

    Real-Time Insight はストリーミングデータをリアルタイムに分析する機能ですが、今回の拡張により、より高度なロジックを実装できるようになります。

    これにより、

    • リアルタイムスコアリング

    • リアルタイム判定

    • イベントベースの分析

    • Agentforce との連携

    などのユースケースを強化できます。

    追加された関数

    • MIN:指定項目の最小値を取得

    • MAX:指定項目の最大値を取得

    • CASE:条件分岐による値の返却

    • TRIM:前後の空白を削除

    • RIGHT_TRIM:末尾の空白を削除

    • LEFT_TRIM:先頭の空白を削除

    • UPPERCASE:文字列を大文字へ変換

    • LOWERCASE:文字列を小文字へ変換

    • NULLIF:2 つの値が一致する場合に NULL を返却


    ⑦ データグラフ内の計算済みインサイトにソートとリミット設定

    データグラフ内の Calculated Insight に対して、Sort と Limit フィルターを設定できるようになりました。

    これまで Sort & Limit フィルターは DMO ノードのみ対応していましたが、今後は、Calculated Insight ノードにも適用できます。

    例えば、

    • 購買履歴 Top 5

    • 最新の注文 10 件

    • 金額が高い順の契約情報 3 件

    など、Calculated Insight が返すレコード数を制限できるようになります。

    Data Graph のレスポンスには Calculated Insight の結果がそのまま含まれます。

    そのため、

    • データ量の肥大化

    • API レスポンスの増加

    • 重複データの出力

    が発生するケースがありました。

    今回の機能により、Calculated Insight 単位で

    • ソート項目

    • ソート順(昇順 / 降順)

    • 取得件数

    を指定できるため、必要なレコードだけを返却できるようになります。

    設定方法

    現時点では Connect API のみ対応です。

    1. Connect API で Data Graph メタデータを取得

    2. Calculated Insight ノードへ Sort & Limit 設定を追加

    3. Data Graph を再構築

    という流れになります。

    注意点

    DMO ノードとは動作が異なります。

    DMO ノードは既定で

    • プライマリーキーソート

    • 100 件制限

    が適用されますが、

    Calculated Insight ノードは明示的な設定が必要です。

    また、一度 Sort & Limit を設定すると後から変更は可能ですが、完全に削除することはできません。


    AI・分析機能

    ① AI Models:Structured Clustering

    Data Cloud の AI モデルに Structured Clustering(構造化クラスタリング) が追加されました。

    クラスタリングとは、事前にルールを定義することなく、データの特徴や傾向から自動的にグループ分けを行う機械学習手法です。

    例えば、

    • 購買頻度が高い顧客

    • 高額商品を好む顧客

    • 季節商品を好む顧客

    • 長期間購入していない顧客

    などを自動的に発見できます。

    従来のセグメントでは、人間が条件を定義する必要がありましたが、クラスタリングでは AI がパターンを発見します。

    そのため、

    • 新たな顧客層の発見

    • 施策の最適化

    • パーソナライゼーションの高度化

    などに活用できます。

    メリット

    • 人手では発見できない顧客グループを発見

    • 高度なセグメンテーションを実現

    • マーケティング施策の最適化

    • Customer 360 活用を促進


    有効化(アクティベーション)

    ① Create and Apply Activation Template

    Activation Template を作成し、再利用できるようになりました。

    Data Cloud の Activation 設定では、

    • 宛先

    • マッピング

    • 配信設定

    などを毎回設定する必要がありました。

    今回の機能により、よく利用する設定をテンプレート化し、複数の Activation で再利用できます。

    メリット

    • 設定作業の削減

    • 設定ミスの防止

    • 標準化の促進

    • 運用効率向上


    ② Activation Shortcuts

    有効化画面にショートカット機能が追加されました。

    頻繁に利用する操作へ素早くアクセスできるようになります。

    Data Cloud の利用が拡大するにつれ、有効化の数も増加しがちです。

    今回の改善により、

    • 作業効率向上

    • 操作回数削減

    • ユーザー体験向上

    が期待できます。


    ガバナンス

    ① Guest and Portal User Governance

    Guest User および Portal User 向けのガバナンス機能が強化されました。

    Data Cloud を利用する組織では、

    • 社内ユーザー

    • パートナー

    • ポータル利用者

    • 外部ユーザー

    など、多様な利用者が存在します。

    今回の機能強化により、Guest User や Portal User に対するアクセス管理や統制をより細かく実施できるようになります。

    これにより、

    • セキュリティ向上

    • コンプライアンス対応

    • データ保護

    を強化できます。

    メリット

    • アクセス制御の強化

    • セキュリティ向上

    • ガバナンス強化

    • 外部ユーザー利用時のリスク低減


    いかがでしたでしょうか。

    今回のリリースでは、Data Cloud の導入・運用・分析・AI 活用まで幅広い領域で機能強化が行われました。

    特に、

    • Identity Resolution Filters

    • Data Graph Refresh History

    • Accelerated Data Ingest

    • Notebook AI Deep Research

    辺りに注目しています。上の 2 つは、特に Marketing Cloud Next の運用にも直結しますので、必ず確認してください。

    今後、検証しながら別記事でも紹介していきたいと思います。

    今回は以上です。


    前回の記事はこちら

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    Salesforce Marketing Cloud、Agentforce、Data Cloud、Salesforce 認定資格に関する実践的な情報を発信しています。これらの記事が、皆さまの学習や日々の業務に少しでもお役に立てば幸いです。