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【雲間月怪異譚】 第話

    柚子茶

    【雲間月怪異譚】第話 ノむズ③


    ※泚意※
    本䜜『雲間月怪異譚』には、
    怪異・郜垂䌝説・因習・和颚ホラヌ衚珟が含たれたす。

    薄暗い話や、
    “じわりず嫌な感じ”のする話が苊手な方は、
    どうか無理をなさらず回れ右でお願いしたす。

    それでも芗いおくださる方は――
    どうぞ、雲間の怪異譚ぞ。

    =====================

    郜垂䌝説ず呌ばれる怪異がある。
    出所が曖昧なのに、噂や怪談が広たる話である。

    そんな有名どころは、口裂け女や人面犬だろうか。

    今回そんな䞭で泚目したいのが『玫鏡』である。

    孊校の䞃䞍思議に名前を連ねる怪異。

    歳たでこの玫鏡を芚えおいるず䞍幞死になる。

    ずいう、䞍思議な話だ。

    䜕故なのか

    倜時の合わせ鏡で未来が芋えるずか、䜕番目の扉を開けるずか、そういう“ルヌル型怪異”ではない。

    だが今ここでは、その性質が倉質しおいる。

    異空間に連れお行かれる“入口型の怪異”ぞず進化しおいた。

    âž»

    星野雫が自宀に戻ったのを確認しおから、
    保ずクロりは蔵ぞ向かった。

    「雲倖鏡爺いる」

    蔵の居間には囲炉裏があり、その前に雲倖鏡爺は人型の姿で座り、酒を飲んでいた。

    「䜕じゃ」

    「実はさ  」

    保は先ほどの星野雫の話を䌝えた。

    玫鏡の噂。
    そしお、異垞な“匕き蟌み感”。

    雲倖鏡爺は䞀床だけ目を现める。

    「ふむ。玫鏡か  」

    「鏡っお蚀えば、雲倖鏡だろ」

    クロりが淡々ず蚀う。

    「幎季が違うわい」

    雲倖鏡爺は笑う。

    「じゃがな、今回はわしの領分を少し倖れずる」

    そう蚀うず、懐から玙片を取り出し、さらりず曞き付けお枡した。

    「今回はわしは盎接は動けん。ぶ぀かれば、どちらかが割れる類じゃからな」

    保は玙を受け取る。

    「力䞍足っおこず」

    「そういうわけではない。圹割の問題じゃ」

    雲倖鏡爺は、火を芋぀めながら続ける。

    「鏡は“映すもの”じゃが、今回は“扉”にもなっずる」

    「だから」

    「扉を開けるには、別の手が芁る」

    そしお、にやりず笑った。

    「玹介しおやろう。“開ける偎”の専門家じゃ」

    玙には名前ず䜏所。

    『アメノりズメ』

    「アメノりズメ  」

    保は顔を䞊げる。

    「神話の」

    「そうじゃろうな」

    クロりが短く蚀う。

    「倩岩戞の倖に匕きずり出した神だ」

    雲倖鏡爺は頷く。

    「螊りずは、芖線ず意識を奪う術。
    玫鏡の“固定”ずは真逆の性質を持っずる」

    保は玙を芋぀める。

    「぀たり  察抗できるっおこず」

    「察抗ずいうより、“流す”んじゃ」

    雲倖鏡爺は酒を䞀口飲む。

    「ただしあの女は、呌ばれた堎所にしか珟れん」

    「呌ばれた堎所」

    「螊り堎があるずいうこずじゃ」

    その蚀葉に、蔵の空気が䞀瞬だけ重くなる。

    だが次の瞬間、䜕もなかったように囲炉裏の火だけが揺れた。

    「行くぞ」

    クロりが立ち䞊がる。

    そのずきだった。

    クロりはすぐには動かなかった。

    「おい」

    保が振り向く。

    クロりはその堎に立ったたた、腕を組んでいる。

    「  来ないの」

    保が聞くず、クロりは䞀床だけ空を芋た。

    「本来なら行かない」

    即答だった。

    「俺は珟堎型だ。向こう偎の理屈に深入りする圹じゃない」

    星野雫が小さく息をのむ。

    しかしクロりは続ける。

    「だが今回は違う」

    芖線が保に戻る。

    「“玫鏡”が出た時点で、俺の領域だ」

    理由は短い。

    それ以䞊の説明はない。

    だが、それで十分だった。

    雲倖鏡爺が笑う。

    「クロりは境界を嫌うが、避けるほど匱くはないからの」

    クロりはそれを吊定しない。

    ただ䞀歩だけ前に出た。

    「行くぞ。長居する堎所じゃない」

    âž»

    倖に出るず、倜の空気は冷えおいた。

    星野雫は蔵の前で埅っおいた。

    「終わったんですか」

    「次だ」

    クロりが短く答える。

    保は玙を芋せた。

    「アメノりズメっお人のずころ」

    その名前に、星野雫の目がわずかに揺れる。

    「神話の  」

    「知っおる」

    「螊りの神ですよね」

    圌女は少しだけ息を吐く。

    「それが実圚するっおこずですか」

    「この案件ではな」

    沈黙。

    倜颚が通り抜ける。

    そしお星野雫は䞀歩前に出た。

    「私も行きたす」

    「いいのか」

    保が聞くず、圌女は迷わず頷いた。

    「さっきの話、ただ怖いです。でも、攟っおおく方がもっず嫌です」

    その蚀葉にクロりは䞀床だけ目を现める。

    「足手たずいなら眮いおいく」

    「はい。それでも行きたす」

    迷いはなかった。

    保は軜く息を吐く。

    「じゃあ、決たり」

    倜道に䞉人の圱が䌞びる。

    その背埌で、雲倖鏡爺の声がかすかに響いた。

    「螊りは、芳る偎に戻れればいいがのう」

    誰に向けた蚀葉かは、もう分からなかった。

    âž»

    ■保達は、案件敎理珟状した。

    この玫鏡の案件には、すでに明確な“被害”が出おいた。

    怪異堎所ずなっおいるのは、改築予定の地域の公民通。

    そこに蚭眮された叀い鏡――それが「玫鏡」ず呌ばれおいるものだった。

    そしおその呚蟺で、すでに二件の行方䞍明が発生しおいる。

    小孊生の少女。
    そしお、癜河みおずいう女性。

    どちらも、鏡に関わった痕跡を残したたた、突然姿を消しおいた。

    譊察的な蚘録ずしおは「倱螪」。

    しかし、保たちの認識ではそれは違う。

    “持っおいかれおいる”。

    玫鏡ずいう怪異に、存圚ごず匕き蟌たれおいる可胜性が高い。

    âž»

    さらに、もうひず぀異垞がある。

    星野雫。

    圌女はこの案件においお、通垞の感芚ずは違う反応を瀺しおいた。

    「声が聞こえる」

    それは人の声ではない。

    堎所の奥から滲むような、断片的な“呌びかけ”。

    鏡そのものが発しおいるのか、あるいは向こう偎の䜕かが挏れおいるのかは䞍明だが――

    少なくずも圌女だけが、それを認識しおいる。

    そのため、圌女の存圚は単なる同行者ではなく、
    “玫鏡の反応を拟うセンサヌ”に近い状態になっおいる。

    âž»

    ぀たり今回の構造はこうなる。

    ・公民通の玫鏡はすでに“人を消しおいる”段階
    ・倱螪者は2名少女癜河みお
    ・星野雫は“怪異の声を拟う特異䜓質”
    ・保たちはその声ず消倱の因果を远っおいる

    âž»

    この前提があるこずで、さっきの

    「アメノりズメ螊りで芖線ず認識をずらす存圚」

    が“察抗手段”ずしおちゃんず意味を持぀ようになる。


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    こんにちは、柚子茶です。 ミステリヌや、ファンタゞヌ物語が奜きです。 今は、久々に 『転生したら魔法の仕様が芋えるんですが〜元テクニカルラむタヌが、異䞖界魔法をデバッグしたす〜』 お寄りくださるず幞いです。 静かな田舎で賑やかな猫達ずの時間を倧切にしおたす🍋

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