
【雲間月怪異譚】 幕間⑥
【幕間】雲外鏡爺、最新のスマホにハマる!
※注意※
イラストは、AIが生成しています。でも、今回は雲外鏡爺が、可愛い過ぎる💦
本作『雲間月怪異譚』には、
怪異・都市伝説・因習・和風ホラー表現が含まれます。
薄暗い話や、
“じわりと嫌な感じ”のする話が苦手な方は、
どうか無理をなさらず回れ右でお願いします。
それでも覗いてくださる方は――
どうぞ、雲間の怪異譚へ。
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「ほほぅ……」
三日月保の家。
縁側で雲外鏡爺が唸っていた。
その手には最新型スマートフォン。
「保、また爺さんに変な物渡したでしょ」
影縫クロウが呆れた声を出す。
「いや?メーカーからレビュー依頼が来たんだけどさ」
「怪異系YouTuberに来る案件じゃないよな?」
「俺もそう思う」
「見よ!」
爺が声を上げた。
「この人工知能とやら!」
「AIね」
「なんでも答えてくれるらしいぞ!」
「まあ、だいたいは」
爺は得意げに音声入力を始めた。
「この世で最も恐ろしい妖怪は?」
スマホが答える。
『地域や伝承によって異なります』
「つまらん」
爺は即座に却下した。
「ではこれはどうだ」
『雲外鏡について教えてください』
画面に説明が表示される。
『鏡に宿る妖怪。人の秘密や真実を映すとされる』
「ほほぅ」
爺は満足そうに頷いた。
「なかなか分かっておる」
その時。
画面が勝手に切り替わった。
『追加情報を表示しますか?』
「ん?」
爺が押す。
『雲外鏡』
『現在位置:東京都』
『個体識別番号:G-001』
沈黙。
「……ん?」
爺が固まる。
『推定年齢:不明』
『観測開始:江戸時代以前』
『危険度:中』
「保」
「うん」
「それ消した方が良くない?」
「俺もそう思う」
『なお本人は危険ではないと思い込んでいます』
「誰じゃぁぁぁぁ!!」
⸻
深夜に謎のメッセージ
『未確認存在を検出しました』
⸻
別の日にて、
「爺さん、何してるの?」
「写真じゃ」
「何を?」
「飯じゃ」
「飯?」
「AIが栄養管理してくれるらしい」
パシャ
『これはカツ丼です』
「当たりじゃな」
パシャ
『これはカツ丼です』
「おにぎりじゃが?」
パシャ
『これはカツ丼です』
「全部カツ丼?」
その後、
「妖怪を撮るとどうなるんだろうのう」
クロウに頼んで撮影を依頼した。
座敷童や小豆洗いを撮影。
『認識できません』
「あれ?」
『認識できません』
「あれれ?」
そして雲外鏡爺自身を撮る。
『雲外鏡』
「認識した!?」
『鏡系妖怪』
「うむ」
『スマホ購入から3日目』
「うむ?」
『課金総額 48,600円』
「なんで知っとるんじゃ!?」
クロウと保に怒られる。
暫く断酒の刑。
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アルバムの最後に一枚だけ増えている。
撮影日時 明日
という写真。
そこに写っているのは――
雲外鏡爺でも、クロウでも保でもない。
見覚えのない赤いワンピースの女。