
長編小説:童貞スーサイズ-95
芳雄が13歳の時、父は自ら 命を絶った。
父の葬儀に現れた謎の男から、芳雄はUSBメモリを受けとる。 中に
は父の死の秘密に関する映像が入っていた。
そして芳雄は、父と心中を図ったが一命を取り留めた少女の存在を知る。
一瞬にしてその見知らぬ少女に恋心を抱く芳雄。
さらに同封されていた父からのメッセージ。
それはニール・ヤングの歌からの引用だった。
少女への想いと父からの謎のメッセージに導かれ、少年は異様な世界に足を踏み入れていく……
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■第95話■ 私がいちばんやりたかったこと
(本文抜粋)
AKライフルを構え、手榴弾のレバーを握り締める島崎課長の足元に、裕子は跪いた。
「い、いいのかね……?」
それまで冷静で録音されたナレーションのような声で話していた島崎課長が、裏返った声で言った。
裕子は、ゆっくりと島崎課長を見上げる。
銃が邪魔で、島崎課長の表情を伺うことはできなかった。
「あの……ほんとに、その、えっと………………お、お口で……すれば、あたしだけでも…………逃がしてくれるんですか?」
「いや、そうじゃない」島崎課長が銃と自分の身体の間に隙間を作って裕子を見下ろす。「わたしは、最初から君を逃がすつもりだったんだ……こんなふうに銃と爆弾でみんなを脅した状態で、しかもみんなに見られながら、なんていう状態で…………こんな恥ずかしいことを君にお願いするのは誠に申し訳ない…………でも、安心してほしい」
「え、で、でも……だって……」
ちらり、と裕子は肩越しに背後の同僚・上司たちを振り返った。
誰もが、目を見開いて裕子の動向を見守っているようだ。
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