連載『それゆけ!重さん7』〜動物と重さん
動物と重さん
重さんと出逢って学んだことを書いておこう。
重さんは動物にモテた。
犬でも猫でも重さんの周りに集まる。
でも私は、心の中で思っていた。
(みんな、逃げないと食べられちゃうよ!)
その昔、生きたままのアマガエルの皮を剥いで
食べていた話をしたが、
おそらく、重さんは、この世で出逢った動物を
全て食べていたんじゃないかと思う。
貧しかったからだけでなく、美味しかったから。
それなのに、重さんは動物に好かれる。
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忘れられない出来事がある。
都内の霊園を私と重さんは歩いていた。
私が海外旅行から帰って来たばかりだったと思う。
歩いていると、遠くにカラスがバサバサッとおりたった。
そのカラスが
あまりにもあまりにも大きくて、
私は思わず、
「うわあ、大きいカラス!」と叫んだ。
重さんも同時に
「うわあ・・・」と言ったから、
私は同じことを言うと思ったのだけど、重さんは、
・・・うまそうなカラス!」と言った!!
えっ?今なんて?
カラスを見かけて”うまそう”と言う人が
日本にどれくらいいるだろう。
ほら。動物たちよ。
みんな食べられちゃうんだぞ。
初めて出逢った時、フライ用の海老を生で食べていたように、
重さんの食への執着はすさまじいものだった。
余命10年と言われたのに、生き続けられたのも
その胃腸の強さだったのだろう。
そして何より重さんは、
本当においしいおいしいと言って食べる。
残さず食べる。
命を全て食べつくす。
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同時期、動物王国のムツゴロウさんが、
幻の1mのミミズをアフリカまで追いかけて行って、
「いやあ、君は本当に美しいねえ。立派だね」と
称賛して出逢いを喜んだ後、
ぶつ切りにしてフライパンで炒めて食べるの見た。
現地のアフリカ人たちが「食べない方がいい」と
誰も食べていなかったのにだ。
ムツゴロウさんもあんなに食べちゃう。
なのに、重さんと同じで、動物から慕われた。
一体、どういうことだろう?
普通、野生動物は本能で敵から逃げるのではないの?
私は、この2人のエピソードから、
”もしかして動物って、
食べられることがそんなに嫌じゃないのかもしれない”
という突拍子もない結論に至った・・・!
もちろん、真相はわからない。
だけど、食べる時は、
重さんのように、とことん感謝して、
まるでしゃぶりつくように(愛するように)
とことん美味しく命をいただこうと学んだ。
8に続く
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・第一話 出逢い
・第二話 生まれ
・第三話 自由
・第四話 野球
・第五話 病気
・第六話 犬