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連載『それゆけ!重さん6』~犬

    犬

    自分の店で、仕事ができなくなった重さん。

    なんとか生きる道=仕事を探し出す。

    その中の一つに
    ”大型犬の散歩”があった。

    お金持ちの家で飼われていた
    ゴールデンレトリーバーだったと思う。

    犬を散歩に行けなくなった飼い主に代わり、
    散歩に連れて行く・・仕事。

    それで一体いくらもらえていたのかは
    わからないけれど、
    少しでも稼げるものがあれば重さんはなんでもやった。

    重さん、歩けるの?  と思うかもしれない。
    もちろん、足が悪いので歩くのは難しい。
    でも、自転車ならどこにでも行ける。

    その頃の重さんは(そのあともだけど)
    自転車でどこにでも行った。

    ーーーーー

    ある時、重さんがいつものように
    犬の散歩に出かけたまま
    戻ってこなかったことがあった。

    犬を連れているのだから、
    そう遠くは行ってないはずなのだけど、
    夜になっても戻らない。

    事故にでも遭ってなければいいけど・・
    と家族が心配していていると、電話が鳴った。

    池袋を出て、どんどん進むうちに
    気づいたら、
    なんと! 東北の入り口まで行っていたらしい。

    地名は、忘れてしまったが、
    帰ってきたのは翌日だった。

    ーーーーー

    重さんが帰ってきた時、
    隣で走っているはずの犬がいなかった!

    預かっている大切な犬だ。

    どこかに置いてきたのか?
    ・・と思ってよく見ると、

    犬は、重さんの背中にちょこんと前足をおいて、
    嬉しそうに荷台に乗ってこっちを見ていた。

    まるで、自慢げな犬。

    何時間も走り続け、
    足が痛くなり、ついに走れなくなったのだという。

    アスファルトを走り続けたのだから当たり前だ。

    そこで、重さんは、
    荷台に段ボールで椅子を作り、
    犬を乗せてあげた。

    犬は重さんが大好きだった。

    そう、重さんは、動物にモテるのだ。

    とはいえ、散歩でそんな遠くに行くなんて。
    全く重さんらしい。

                      7に続く

    --- 過去の記事はこちらからご覧いただけます。
    ・第一話 出逢い
    ・第二話 生まれ
    ・第三話 自由
    ・第四話 野球
    ・第五話 病気

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