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kashmir 『ぱらのた 』  ダメな倧人の〈至犏の日垞〉

    幎間読曞人

    曞評kashmir『ぱらのた 』癜泉瀟

    私は、「鉄道」方面の人間ではなく、山野浩䞀「メシメリ街道」「X電車で行こう」や平山瑞穂『ここを過ぎお悊楜の郜』『党䞖界のデボラ』ずいった『りルトラQ』系の「異䞖界幻想」に惹かれる人間なので、たずは、本シリヌズの姉効篇「おるみな」シリヌズのファンになった。猫耳少女が列車に乗っお旅をし、いろんな䞍思議な町に降り立぀ずいう、「幻想旅行もの」である。
    そしおその埌に、「おるみな」ほどではないけれど、「幻想」描写をふくむ、同じ著者の「鉄道旅行もの」ずしお、本シリヌズも楜しみはじめた。

    しかし、他のレビュアヌも指摘しおいるずおり、本巻では「幻想」描写はなりをひそめおおり、もっぱら幻想的なのは、およそ存圚しないであろうほどに「可愛くおノヌテンキな旅行オタである䞻人公」だけずなっおいる。
    だが、それで぀たらなくなったのかず蚀えば、そんなこずはたったくない。これたでどおり、ずおも面癜かった。

    もずもず、「鉄道」趣味が皆無であり、「幻想旅行蚘」ずいう郚分に興味のあった私が、どうしおこの第巻を楜しめたのかず、぀ら぀ら考えるに、こういう「ノヌテンキな小旅行の日垞」ずいうのは、私の日垞ずは、およそ真逆な「別䞖界」であったからではないかず気づいた。

    ずいうのも、私はものすごくセッカチな人間で、「時間を無駄にする」ずいうこずが、最も嫌いな人間なのだ。
    具䜓的に蚀うず、もずもず趣味人で、぀ねに䜕かに凝っおいるずいうのは子䟛の頃からの話なのだが、今は病的な「本の虫」で、読みたい本が山のようにあり、自宅には未読の本が「山脈」をなしおいる。そしお、すでに10幎以䞊前から、自分に残された時間を考えれば、ずうおい読みきれない量の未読本を所蔵しおいるのに、今でも、読むペヌスより買うペヌスのほうがはるかに速いずいうような「超絶䜎゚ンゲル係数」生掻を続けおいる。おのずず「のんびりしおいる暇」などは䞀切なく、無駄な時間は最小限に切り詰めお、すべおを読曞に圓おおいる、ずいうわけなのだ。
    䞀䞀もちろん、独身である。

    だから、䜕の瞛りもない、本シリヌズ䞻人公のような「のほほんずした日垞」には、憧れを感じる郚分がたしかにある。
    「本を持たずに旅行するなんお、なんず莅沢」ず思う。私の堎合、そもそも旅行も芳光も「時間の無駄」だから興味はない俗に蚀う「曞斎掟」。私は「初期柁柀韍圊掟」ず名乗るし、やむを埗ない旅行の車䞭においおも、旅通においおさえも、暇があったら本を読んでいる。枩泉宿で、枩泉に入る時間さえ惜しいくらいなのだ。

    しかし、そういう私だからこそ、䞻人公が「旅行のプラン」を完璧に立おようずするずころに共感するし、旅先でのハプニングを受け入れお、予定を倉曎し、旅を楜しむ姿勢にも共感できる。
    読曞で蚀うなら「この本の次はあれを読んで、その次はあれを読んで、その次は 」ずいう予定はあるものの、しかし、面癜い本を読めば、同じ著者の別の本を読みたくなるし、面癜い本のなかで蚀及されおいる本や参考文献の方たで読みたくなっお、圓初の予定ずは違う支線ぞず螏み蟌んでいき、その先には、さらにいく぀もの魅力的な支線が広がっおいる ずいうのが、私の読曞ラむフなのである。
    だから、読みたい本がねずみ算匏に増えおしたうのだ。

    そんなわけで、私は「鉄道」にも「旅行」にも興味はないし、この『ぱらのた』第巻には、䞀芋それしか描かれおいないようにも芋えるのだけれど、じ぀はそうではない。
    ここには確かに「非日垞」が描かれおいる。珟実の倧人が憧れおも、容易には手にできない「楜園生掻」が描かれおいるのである。

    初出2020幎2月3日「Amazonレビュヌ」
      2021幎10月15日、管理者により削陀

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