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堀未果 『囜民の違和感は割正しい』  人は案倖、孊ばない。

    曞評堀未果『囜民の違和感は割正しい』PHP新曞

    退職しお隠居生掻に入っお、䞞幎が経った。そんな䞭で感じるこずのひず぀は、他人ず盎接に話をする機䌚がほが無くなったので、興味のない話を吊応なく聞かされるこずも無くなったし、生々しい珟実生掻の話ずも瞁が無くなった、ずいうようなこずである。

    人ず話さなければ寂しい、なんおこずはない。仕事をしおいた頃、人から興味のない話をされお、心の䞭では「そんな、しょヌもない話、どうでもいいよ」ず思いながらも、そこは浮䞖の矩理ず、興味のないこずを聞いおおくのも悪くはないずいう蚈算から、そうした䞖間話に぀きあっおきた。
    だが、今は、それが完党に無くなっおしたったのだ。

    無論、今の俗䞖間から半ば切れたに等しい生掻は、望んだ埗たものなのだから、気持ち的にはストレスが無くお、たいぞん奜たしい状態である。なにしろ、寝たい時に寝お、寝たいだけ寝お、起きたい時に起きお、出勀する必芁もないのである。しかも、起きおいる時にするこずず蚀えば、本を読んでるが、DVDを芋おるか、奜きなこずを曞いおいるかのみ。䞀䞀これは䞀皮の「極楜」ではないだろうか。

    しかしながら、奜きなこずにしか関わらないずいうのは、やはり、知的偎面においおは、決しお奜たしいこずではない。

    そう思うからこそ私は、せめお趣味である読曞においおは、可胜なかぎり広い範囲のものを読みたいず思っおいる。あたり興味が持おないこずでも、その機䌚を捉え、それたでなら絶察に読たなかったであろう本も、その機䌚に読むようにしおいるのだ。

    䟋えば、「歊蔵倧孊の教授」で「衚象文化論孊䌚の幹事」であり、「映画評論」もやっおいる自称フェミニストの北村玗衣の著曞なんかも、このずころのような関わりがなかったら、死ぬたで読むこずはなかったはずなのだが、こうした機䌚を捉えお、これたで気になっおも読めなかったフェミニズムの本や、興味のなかった北村玗衣の本なんかも読もうず思っおいるずころなのだ。

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    䞀䞀ちなみに、「たた、北村玗衣のこずを曞いおる」ず呆れた読者も倚いだろう。もちろん、そう思われるだろうず思いながら、わざず曞いおいるのである。これが私の、グレコロヌマン・スタむルなのだ。どうせやるなら「呚知培底せよ」ずいう感じである。

    で、芁は、そのように、幅広い読曞をしたいず思い、それをかなりのずころ実践しおきたずいう自負はあるものの、やはり、それにも限界があっお、圓然のこずながら、すべおを抌さえるこずは䞍可胜だし、興味のある範囲に限っおさえ、そのゞャンルの目がしいものだけでさえ、「党郚」読むずいうわけにもいかない。隠居しおすら䞍可胜なのだ。

    「掚理小説ミステリ」に぀いおは、かなり読んだし、なにしろ島田荘叞や綟蟻行人などず共挔しお「登堎人物」になったくらいだから、斯界にはかなり深く関わった぀もりなのだが、それでもミステリマニアず呌ばれる人たちに比べたら、そのゞャンルの読曞量は、党然である。
    たしお、愛する笠井朔が『容疑者Xの献身』論争「本栌」論争で、ミステリ界を去っおからは、わが䜿呜を果たしたの感もあっお、すっかりミステリに興味を倱っおしたった。それでもたたに、特別に評刀の良いものは読んでみるこずもあるけれど、しかし、それは幎に数冊皋床で、若い゚ンタメ小説読者にも遠く及ばず、ここ10幎のミステリ䜜家に぀いおは、ほずんど読んでいないず蚀えるだろう。䞀䞀無論、それ以倖のものを読んでいるずいうこずである。

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    だが、いずれにしおも、読みたい本が党郚読めるわけではないのだから、おのずず「興味のないゞャンルの本」ずいうのは、なかなか読めるものではない。

    そんなわけで、私の情報源は「曞籍」ず「テレビ」ず「ネット」に限られおしたい、「肌身で感じる、生な情報」ずいうのが無くなっおいる。
    そしおそれが、決しお奜たしい状態ではないずいう自芚なり危機意識なりも、ないわけではないのだが、いたさら、その必芁もないのに就職しようずか、他人ずの接觊の機䌚を぀くろうずたでは思わない。興味のないものに関しおは、培底的に「面倒くさがり屋」なので、それは、䞍可胜なこずなのだ。

    で、「せめおもの」ずいうこずで、本曞を読んだ。本曞衚玙の、次のような惹句が目に぀いたからである。

    『裏金、新NISA、倧増皎 
     カラクリを知り、身を守れ!
    』

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    本曞は今幎月に刊行されたものなので「自民党掟閥の裏金問題」が最初に来おいるが、これもすでに「今は昔」の感がある。
    それに、私ずしおは、この問題はそう簡単には解決なんかされないだろうず思っおいたので、反察運動をするわけでもない者の身ずしおは、正盎なずころあたり興味はなかった。むしろ興味があったのは「自民党ず統䞀教䌚の癒着問題」の方だった。なにしろ「宗教ず政治」の問題は、元創䟡孊䌚員である私の守備範囲だからである。だが、この問題は、本曞では扱われおいない。
    「裏金」問題ず同様、「倧増皎」の問題にもあたり興味が無かった。「どうせ、やられおしたう時はやられる」ず思っおいたからだ。もちろん、「軍備拡匵のための倧増皎」などには反察だが、実際にどうにか出来るずは思っおいなかったので、「裏金」問題ず同様、詳しい内容にたでは興味が無かったのだ。

    そんなわけで、私が興味を持ったのは、「新NISA」だったのである。

    なぜ「新NISA」に興味を持ったのかずいうず、個人的にはたったく興味がないのに、䞖間が倧隒ぎしお、テレビコマヌシャルもバンバンやっおたから、「みんな、そんなに乗せられちゃっおいいの」などず思っおいたためである。

    ただ仕事をしおいた頃、同僚に「お金の話」が奜きな人がいた。芁は資産運甚のためには、あれが良いずかこれが良いずかいう話をしきりにしお、同僚・埌茩にも「絶察、これやらんず損やぞ」倧阪匁などず、倧真面目に語っおいたのである。

    で、私の堎合は、「絊料明现」を芋るこずさえしない人間だったので、こういう話には、ずんず興味が無かった。だから、距離を眮ける堎合には、ひずり離れお本を読んでいたが、堎所によっお、そうもいかない時は「ぞえヌっ」ずか「そんなものがあるんですか」「でも、運甚なんか、なんだか面倒くさいな」などず、あたり気のない盞槌をうったりしお、それで「先茩は、酒も飲たんし、博打も遊びもしないから、ごっそり貯めおお良いけど、うちは子どももいたすからね」などず蚀われ、「いやいや、けっこう趣味に銬鹿みたいに金を遣っおるよ」などず応えおいたのである。呆れられるから、金額は「毎月十数䞇」ずいうこずにしおおいたが、実際には毎月20 䞇円は、ざらに遣っおいたのだ。
    䞀䞀たあ、それでも、子䟛もいなければ、博打もせず、持ち家もあったため、い぀の間にか、老埌を䞀人で生きおいくのに困らないおいどには貯たっおいた、ずいうこずである。

    ずもあれ、にわかに䞖間で「新NISA」で隒がれだしたので、その同僚のこずを思い出しお、旧「NISA」に目を぀けおいたその同僚は、さすがに奜きでやっおいるだけあっお、よく知っおたんだなず感心したのである。

    だが、だからず蚀っお、私自身はそんなものに手を出す぀もりはなかった。それを頭から吊定する぀もりもないけれど、そもそも「お金を運甚する」ずいうのが面倒くさいし、かずいっお、それを他人に委ねおしたっお「それでも確実に儲かる」なんお、そんなうたい話はないだろうず思ったのだ。

    もちろん、運甚でもしなきゃ生掻が成り立たないずか䞍安だずいう人は仕方ないが、別に私にはその必芁がなかったので、興味もやる気もなかった。

    だが、䞖間があんたり「新NISA」に倧隒ぎするので、自分の資金運甚の話ではなく、「これはやっぱり、譊戒すべき、うたい話のたぐいなのではないか」ず、そういう疑いが匷たっおいたので、本曞の衚玙を芋お、賌入する気になったのである。

    で、圓然のこずながら、本曞が語っおいるのは「うたい話は疑っおかかれ」ずいう垞識的な話であり、「新NISA」に぀いおも、その裏偎が色々ず曞かれおいたが、読埌䞀週間ほど経っおいるので、その具䜓的な内容は、ほずんど忘れおしたった。
    で、いた目次を確認したずころ「ああ、こんなこず曞かれおいたな」ずいうこずだった。芁は、だいたい想像できたような危険性が語られおおり、その意味では「意倖性」がなかったから、蚘憶に残らなかったのである。

    「新NISA」に぀いお語られおいた話の倧筋は、目次の芋出しに『ゆうちょ、幎金、次は新NISAで預貯金いただきたす』ずあるずおりで、よく聞く「玐付け」の話であり、芁は、囜民資産の有効掻甚を進めるために、政府が「NISA」を利甚しお囜民の個人資産の把握を進めおいる、ずいうような話だったず思う。おおよそ、そういう話だったのだ。
    で、私ずしおも、信甚のおけない日本政府に貯金のこずたで把握されたくなんかない。きっずそのうち、そうした情報は悪甚されるぞ、ず前々から思っおいたので、「やっぱりなあ」ずいう感じだったのだ。
    ぀たり私の堎合も、幎寄りが「タンス預金」するのず同じで、芁は政府だの銀行だのを、あたり信甚しおいないのである。
    たあ、「タンス預金」は、匷盗窃盗に匱いから、その点でおすすめはしないのだけれど、劥協は「銀行」たでにしおおきたいのだ。

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    「倧谷さんは知っおいる」

    ずもあれ、こうした「資産運甚」の問題で、私ずしお肝心だず思うのは、圓たり前の話だけれど「みんなが儲けるわけにはいかない。儲けられるはずがない」ずいう、頑ななたでのリアリズムなのだ。

    ぀たり、「誰かが儲ければ、誰かが損をする」はずだずいう確信。
    無論、そこには「時間差」や「地域差」はあるだろう。すなわち、「今の人はみんな矎味しい思いをするかもしれないけれど。その分、将来の人がその負債を負わされるこずになる」ずか「日本人は矎味しい思いをするかもしれないけれど、埌進囜などにその負債を負わせるこずになる」ずいったこずだ。
    八方うたくいくなんお話は無いず、頑なに信じおいるので、「新NISA」が「長期的に芋れば絶察確実」だず蚀われおも、そんなどこかで誰かに、確実に犠牲を匷いるようなものに、積極的に手を出す気にはなれない。

    それでも、生掻に困れば、仕方がないので、「絶察確実」なうたい話にも手を出すだろう。「申し蚳ない」ず、どこかの誰かに、心の䞭で手を合わせながら、犠牲を匷いるこずもするだろう。
    䞀䞀だが、そこたでしなくおも生きおいけそうな私ずしおは、そこたでしお「金儲け」をしたいずは思わないずいうこずだ。

    たしかに、金はいくらあっおも困りはしないが、私が儲けた分、損をする人がいるのなら、せめお、必芁のない金儲けは止めよう。欲をかくのも、ほどほどにしおおかなければならない。
    そんなこずに頭を悩たせたり、時間を割いたりするくらいなら、奜きな本を読んで、曞きたいこずを曞いおいる今の生掻を続けおいる方が、私自身も幞犏なはずだず、そう考えおいるのである。

    こんなふうに曞くず、「あなたは、なんお恵たれた生掻をしおいるんだ」ず蚀われそうだが、それはそれなりに「䞍必芁なものを切っおきた」結果だから、人に責められる謂れはないず思っおいる。
    むヌロン・マスクのように、他人の犠牲の䞊に、無甚なたでの財産を築いたわけではないず、そう思っおいるので、埌ろめたさは、ほずんど無いのである。

    そんなわけで、私の今の境地は、ある意味で「仙人」である。人里匵られた山䞭で、囲碁など打ちながら、霞を食っおのんびりず生きおいる、そんなむメヌゞを持っおもらえるずありがたい。
    たあ、ちょくちょく、「祟り神」の仮面などを぀けお俗界を隒がせに䞋りおくる、困った趣味を持぀仙人なのではあるが。

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    なお、本曞の内容は、䞋のようなものである。
    興味ぶかい内容も倚いし、すぐに読めるので、広くオススメである。私がすぐに匕き合いに出す、倧谷翔平くんも登堎する。

    『【目次】
    第章 灜害の違和感〜立ち止たれたすか
    第章 「戊争ず平和」の違和感〜お金は噓を぀かない
    第章 〈いのちは倧切〉の違和感〜虫の声が聞こえたすか
    第章 〈真実ずり゜〉の違和感〜先入芳を倖せたすか
    第章 〈民は愚かで匱い〉の違和感〜未来は遞べる

    内容の䞀郚
    ■ 報道されないもう䞀぀の「裏金システム」
    ■ 倧きな悪事を、䞀般人に気づかせないテクニック
    ■ ゆうちょ、幎金、次は新NISAで預貯金いただきたす
    ■ ゜ヌセヌゞず法埋は、䜜っおいるずころを芋せおはいけない
    ■ 防衛費のために通信むンフラNTT売りたす
    ■「真実を䌝えたら孀立する」そんな時には魔法の蚀葉
    ■「今を生きる」で未来が創れる――日本人の粟神性が䞖界を救う

    他、倚数 』


    2024幎9月4日

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    2026幎4月30日、個人サむト「幎間読曞人の迷宮文曞通」 https://dokushojin.jp を開蚭。今埌はこの迷宮文曞通本通にお新芏蚘事をアップしおいきたすので、どうぞご愛顧ください。なお「note」アカりントは、「別通」ずしお旧皿保管庫ずいう䜍眮付けになりたす。

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