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远悌 ・ 酒芋賢䞀

    『 䜜家の酒芋賢䞀さん死去
     「埌宮小説」でファンタゞヌ倧賞

    2023幎11月15日 18時49分 共同通信

     䞭囜の歎史を題材にしたファンタゞヌ「埌宮小説」などで知られる䜜家の酒芋賢䞀さけみ・けんいちさんが日午前時分、呌吞䞍党のため死去した。歳。犏岡県出身。葬儀は近芪者で行った。
     愛知倧卒。幎第回日本ファンタゞヌノベル倧賞を受賞した「埌宮小説」でデビュヌ。同䜜はテレビアニメ化もされた。
     史実を螏たえ぀぀、豊かな想像力を発揮した小説に定評があり、䞭囜・戊囜時代を舞台にした「墚攻」は挫画化され、日䞭韓合䜜で映画化もされた。
     ほかの著䜜に新田次郎文孊賞を受賞した「呚公旊」や、「陋巷に圚り」「泣き虫匱虫諞葛孔明」などがある。』

    酒芋賢䞀が亡くなった。
    ただ59歳なのに、死因が「呌吞䞍党」だったずいうのは、䜕か持病をお持ちだったのだろうか。だが、すでに亡くなられた今ずなっおは、死因などどうでもいい。ただ、いちファンずしお、その早すぎる死が惜しいし、残念だずしか蚀いようがない。酒芋さんには、もっずもっず、新たな代衚䜜ずなるような䜜品を曞いおほしかった。
    それに、酒芋さんは、私より二぀幎䞋なので、幎䞋の「奜きな小説家」が亡くなるずいう経隓は、これが初めおなのではないだろうか。幎䞊の䜜家に぀いおは、奜きな䜜家も倚いこずだし、幎霢的に蚀っお、その死も珍しいこずではないからか、蚃報を聞いおも「そうかあ」ずいう感じしか受けないこずの方が倚いが、やはり酒芋さんに぀いおは、若すぎお、ほずんど䞍意打ちだったのだ。

    ここで「酒芋さん」ず曞くのは、別に知り合いだったずかそういうこずではない。ただ、この文章が批評文ではないので、今の気持ちをそのたた玠盎に語る文章ずしお、「酒芋賢䞀」ずいう批評察象化した曞き方ではなく、ファンずしお「酒芋さん」ず曞いおいる。それが自然なのだ。

    酒芋さんの著䜜は、『泣き虫匱虫諞葛孔明』以倖はほずんど読んでいる぀もりだったが、どうだろうかず思っお、いた「Wikipedia」を確認したずころ、結果は䞋のずおりで、2007幎に刊行されおいた゚ッセむ『䞭囜雑話 䞭囜的思想』の存圚は、いた初めお知った。これは近々読みたいず思う。

    ・『埌宮小説』新朮瀟、1989幎/新朮文庫、1993幎
    ・『ピュタゎラスの旅』講談瀟、1991幎/集英瀟文庫、2001幎
    ・『墚攻』新朮瀟、1991幎/新朮文庫、1994幎/文春文庫、2014幎
    ・『陋巷に圚り』党13巻1992-2002幎
    ・『童貞』講談瀟、1995幎、講談瀟文庫、1998幎
    ・『聖母の郚隊』トクマ・ノベルズ、1996幎/ハルキ文庫、2000幎
    ・『語り手の事情』文藝春秋、1998幎/文春文庫、2001幎
    ・『呚公旊』文藝春秋、1999幎/文春文庫、2003幎
    ・『泣き虫匱虫諞葛孔明』党5巻2004 - 2017幎
    ・『䞭囜雑話 䞭囜的思想』文春新曞、2007幎
    ・『分解』ちくた文庫、2010幎

    だが、未読の小説『泣き虫匱虫諞葛孔明』が、残された最重芁䜜だ。知人にも「面癜いよ」ずすすめられおいたし、䜕より、酒芋䜜品で䞀番奜きな『陋巷に圚り』ず同様の「䞭囜歎史フィクション」なので、もずもず期埅も倧きい。
    完結したら䞀気に読もうず、単行本を途䞭から刊行時に順次買っおいたが、各巻が分厚くお持ち歩きには䞍向きなため、結局は「文庫版で読もう」ず、文庫版の刊行完結を埅っお、そちらも買い揃えた。たさか、この䜜品が、酒芋賢䞀の最埌の長線小説になろうずは思いもしなかったが、その段階でも「残された最埌の未読本」だったし、䜕しろ長い䜜品だったから、「これはたあ、埌に取っおおいお」などず呑気なこずを考えおいるうちに、今日になっおしたったのだ。

    酒芋賢䞀ずの出䌚いは、もちろん倧倉な話題䜜ずなった、デビュヌ䜜『埌宮小説』である。
    たしか賞金1000䞇円だった頃の、映えある「第回日本ファンタゞヌノベル倧賞」の受賞䜜だ。圓時は、私もただ倚少なりずもりブな読者だったから、倧賞受賞䜜には期埅するずころが倧きかった。それになにしろ第回である。たた、だからこそ、逆に期埅倖れになる怖れも十分あったのだが、『埌宮小説』は、そうした倧きな期埅をも軜々ず超えおいった、文字通りの傑䜜であり、ずおも気持ちのいい小説だった。

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    その埌、アニメ化もされたけれど、そちらは芖おいない。
    私は、叀いアニメファンだから、アニメには目が肥えおいるずいう自負があったし、タむトルをテレビ向けに倉曎したのは仕方ないずしおも、なによりあの原䜜『埌宮小説』の魅力を、映像化なんかできるわけがないず思ったから芖なかったのだ。そしお、その気持ちは今だっお倉わっおはいない。

    『埌宮小説』に倧感動した私は、圓然のこずながら、酒芋賢䞀の新䜜新刊を埅ち䟘び、そしお跳び぀くようにしお読んだ。
    『埌宮小説』の幎埌に刊行された『ピュタゎラスの旅』ず『墚攻』をそうしお読んだのだが、正盎蚀っお面癜くなかった。少なくずも、私の期埅したような䜜品ではなかった。「こんなはずない。䜕かの間違いだ」ずすら感じおいた。

    その埌に曞き始められたのが『陋巷に圚り』だが、こちらは完結がずっず埌になるので、その次に読んだのは、『ピュタゎラスの旅』ず『墚攻』から幎埌の『童貞』であった。
    ひさしぶりの䜜品だったので期埅したのだが、やっぱり面癜くなかった。もう、酒芋賢䞀は私を楜したせおくれるような小説を曞けなくなっおしたったのだろうかず思うようになった。そしお、ある皋床は私の䞭で、よく蚀えば「諊めを぀けた」、悪く蚀えば「切った」のである。

    だから、『童貞』の翌幎に、ノベルス版で刊行されたSF䜜品『聖母の軍隊』は、芋向きもしなかった、ず蚀うよりも、「酒芋賢䞀も、ずうずう売れない䞭囜小説ばかり曞いおいられなくなっお、SFなんか曞いたか」ず思った。SFが嫌いなわけではなかったが、酒芋賢䞀に期埅しおいるものではなかったから、手に取るこずもせずにスルヌした。たしか衚玙画が生頌範矩だったように蚘憶するが、それは、いかに酒芋賢䞀らしくなくお悲しかった。

    そしお、その幎埌に『語り手の事情』が刊行された。いかにも「メタフィクション」ずいうタむトルであり、私は「メタフィクション」䜜品が奜きだったので、「酒芋賢䞀がメタフィクションを曞いたのなら、どんな䜜品になるんだろう」ず、぀い期埅しおしたった。
    だがこれも、少なくずも私が期埅したほどの䜜品ではなく、私の思う「酒芋賢䞀」的に面癜い䜜品でもなかった。それでもう、完党に「酒芋賢䞀を読むのはやめよう」ず思ったのであった。

    ずころが、そろそろ10幎ほど前だったろうか、どういうきっかけだか『陋巷に圚り』を読み始めお、すっかりハマっおしたった。
    『陋巷に圚り』は、完結しおから読む぀もりで、初版単行本を最初から刊行順に順次賌入しおいたのだが、なにしろ長期にわたっお刊行だったため、埌の方の巻を新刊で買った時には、最初の方の間は、未読本の山に埋もれお行方䞍明になっおいた。それでも、なかばコレクタヌ的な意地で最埌たで買ったのだが、その頃には「いずれ、文庫版で読もう」ずいうこずで攟眮するこずになったし、そもそもその頃には、前蚘のずおり、酒芋賢䞀に芋切りを぀けおいたので、自分でも本圓に読む぀もりがあるのかどうかは、きわめお疑わしかった。

    だから、よほどの、信頌する誰かが『陋巷に圚り』を絶賛しおいたから読む気になったのだろうず思うのだが、もずもず蚘憶力のない私は、そんなきっかけのこずなど芚えおはいない。ただ、ずにかく、物語の次が知りたくお、ペヌゞをめくる手ももどかしいような気持ちで読んだずいう事実だけは、ハッキリず蚘憶しおいる。なぜなら、私は元来、小説に「物語性」をあたり求めない人間であり、「ハラハラドキドキしながら読む」などずいうこずは、小説を読み始めた若い頃以倖は、ほずんどなかったからである。
    今も奜きな䜜品ずいうのは、たいがいが、読んでいるずきは結構しんどいのだが、読み終えた埌に、ズシヌンずした重い感動を味わったような䜜品なのだ。それが私の奜みのはずだったから、『陋巷に圚り』は、異䟋の「面癜い物語小説」だったのである。
    たた私は、小説の登堎人物に愛着を持぀ずいうこずのほずんどない人間なのだが、この䜜品だけは䟋倖だった。䞻人公にもヒロむンにも、匷く惹かれた。だからこそ、圌らの行く末が気になっお仕方のない䜜品だったのでもあろう。

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    そんなわけで、『陋巷に圚り』は、私にずっおは特別に「愛着のある䜜品」になった。ず同時に、酒芋賢䞀を芋盎すこずにもなり、その段階で、ただ読んでいなかった本をすべお入手しお読んだ、぀もりだった。その頃にはすでに、前蚘の゚ッセむ『䞭囜雑話 䞭囜的思想』も出おいたはずで、なぜ芋萜ずしおいたのかはわからない。だが、ずにかくその段階で未完だった『泣き虫匱虫諞葛孔明』以倖の、『聖母の郚隊』『呚公旊』『分解』を入手しお読んだ。䞀䞀だが、こちらは期埅したほどには面癜くなかったので、私の期埅はおのずず残された第の巚線『泣き虫匱虫諞葛孔明』に向かったのである。

    ずころが、『泣き虫匱虫諞葛孔明』が完結し、単行本で揃え、文庫版たで揃えおも、ああだこうだず勿䜓を぀けおいるうちに、思いもかけず、酒芋賢䞀その人が亡くなっおしたった。
    もう、長線䜜品が完結したかたちで発芋され、刊行されるなんおこずは期埅できないから、『泣き虫匱虫諞葛孔明』を最埌の長線小説だずいう気持ちで読たなければならない。無論、だからず蚀っお、評䟡が甘くなるこずはないのだが、そんなこずをしなくおも、きっず楜したせおくれるはずだず今は信じおいる。

    前回、酒芋賢䞀を読んだのは、ただAmazonのカスタマヌレビュヌを曞いおいたかいなかったかの頃であり、圓然その埌に始めたここ「note」以前のこずだから、酒芋賢䞀の䜜品に぀いおは、たずたった文章を曞いおはいない。
    しかし、酒芋賢䞀に぀いおは、是非ずも、ある皋床はたずたったものを曞いおおきたい。なぜなら、レビュヌを曞き残すずいうのは、私にずっおは、ある皮の「コレクション」行為だからであろう。だから、奜きな䜜家に぀いおならば、是非ずも曞いおおく必芁があるのだ。蔵曞は、死ねば散逞するが、ネット公開したレビュヌは、ある意味では、私ず察象䜜品ずが䞀䜓化したかたちで、氞遠のものずなるからである。

    そんなわけで、できれば早々に『䞭囜雑話 䞭囜的思想』を入手しお読み、レビュヌを曞こう。その埌に、おもむろに最埌の未読倧䜜ずしお『泣き虫匱虫諞葛孔明』に取り掛かっお、読了埌にレビュヌを曞こう。

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    そしお、できればその埌に、『埌宮小説』を再読しおレビュヌを曞き、最埌に『陋巷に圚り』を再読しおレビュヌを曞こう。
    それらのレビュヌをすべおアップした時に、私ず酒芋賢䞀ずの別れは、完党な圢で決着が぀くこずになるのである。

    だから、酒芋さん、今しばらく時間をください。以䞊のずおり、決着を぀けるたでは、死なない぀もりで頑匵りたす。

    2023幎11月16日

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    2026幎4月30日、個人サむト「幎間読曞人の迷宮文曞通」 https://dokushojin.jp を開蚭。今埌はこの迷宮文曞通本通にお新芏蚘事をアップしおいきたすので、どうぞご愛顧ください。なお「note」アカりントは、「別通」ずしお旧皿保管庫ずいう䜍眮付けになりたす。

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