
【飛行機手続き編】医ケア (with 気管切開・人工呼吸器・酸素・胃ろう) の娘と、飛行機に乗る
はじめに
娘は気管切開と胃ろうがあり、就寝時と体調不良時に人工呼吸器、たまに酸素(ボンベ or 酸素濃縮器)を使っています。今回、家族3人で3泊4日の北海道旅行に行ってきました。羽田から新千歳まで、飛行機初体験してきました。
出発前、最初のハードルは飛行機に乗るために何をすればいいのか?でした。ネット上にもどなたかがまとめてくれている資料などはあるのですが、医ケア児ゆえに個別的な事情はあるだろうし、結局しっかり理解するためには電話して聞くしかなかった、というのが正直なところです。
参考になる情報が一つでも増えればいいなと思い、まとめてみました。書き始めたら長くなってしまったので、①手続き編/②持ち物編/③旅行記編に分割しています。
この記事で分かること
医療的ケア児が飛行機に乗るための手続きと、その順番
当日、空港で実際に何をやる必要があるのか
⚠️ この記事は、あくまで我が家の一例です。必要な手続きや書類は、お子さんの状態・利用する航空会社・時期によっても変わります。最終的には必ず主治医と航空会社に直接確認してください。
大好きな北海道に娘と行きたい!というのと、実は今後さらに海外に行く野望があり、まずは飛行機練習もかねて計画しました。(私がNetflixのボーイフレンドにハマって、心が北海道に向かいすぎたというのもある。阿寒湖には行かなかったのだけど、奇しくもGreen Roomと同じ鶴賀グループの宿に泊まりましたw)
振り返って思うのは、とにもかくにも、JAL&宿や観光地で出会ったみなさまに感謝でいっぱいです・・・!
1. 準備スタート:航空会社へ電話とFAX
まずは医ケア児を連れて飛行機に乗るための方法をリサーチし、航空会社へ電話してみました。
実際にたどった順番:電話 → 予約 → FAX+電話
結論から書くと、我が家はこの順番になりました。
JALに電話(まず相談)
予約
FAX + 電話(機器の詳細確認)
最初に電話して色々と相談してみたのですが、その際に予約番号を聞かれました。
座席の予約がなくても相談はできるのですが、予約番号があれば、予約番号に紐付けて電話で話した内容を記録しておいてくれるようです。
ただ、座席には制約があります。 電話でお伺いしたのは以下のとおり。
酸素ボンベは、前の座席の下に2本まで置ける(入らなければ、隣の席も使う)
そのため、前に座席がない最前列は不可。非常口のそばも不可
結果、予約の際に選ぶようにと案内されたのは 「普通席の2列目以降、窓側の席」
なお、酸素ボンベはメーカー・製品名・製品情報を確認したうえで、設置場所を案内してくれます。 最終的に型番やサイズが要ります。
そして「予約のときに窓側が空いていなければ、早めに連絡してください」とも案内いただきました。
希望の座席が取れるとは限らないという前提で動く必要があります。
つまり、「どの座席なら取れるのか」を知ってからでないと、予約ができない。 でも、予約番号がないと相談内容を記録してもらえないということで。
状況によって必要な対応が異なる可能性もあるので、少なくとも初めての飛行機利用では、予約番号なしで一回電話してしまうのもありだと思いました。
※ちなみにチャイルドシートは厳密には医ケアとは違いますが、これも手配が必要です。これは予約番号をとってすぐ、JALサイト上のチャットで問い合わせて依頼しました。
💡 座席や機器の制約を聞いてから予約→予約番号を取ってから、改めて詳細を相談する
提出する書類は3点
JALに提出が必要だった書類は、次の3点でした。
① 診断書
→ 書くのは 主治医。JALのPDFをダウンロードして、直接記入してもらいます。
②「必要な手配について」(診断書PDFに同梱)
→ 書くのは 本人(保護者)。
③ 酸素ボンベの使用証明書
→ 自分、または取扱業者(メーカー・サイズ・重さなどを記入)。
※JALの場合はここから書類がDLできます。
診断書には、医療機器の詳細を記入する欄があります。
メーカー、製品名
バッテリーの種類(リチウムイオンなど)、予備バッテリーの個数と容量
記入欄は3点分しかなく、足りない場合は別紙でよいとのことでした。医療機器が多い家庭は、最初から別紙前提で考えたほうがいいかもしれません。
⚠️ 診断書には有効期限があります
搭乗日を含めて14日以内に作成されたものが有効です。
ただし、容態が安定していて、先生が余裕をもって先の期限まで有効期限を書いてくれるなら、それより早く作成してもらってもOKとのことでした。ここは主治医に相談してみてください。
書類提出方法
3点が揃ったら、出発までにFAXで送ります。
送信の際、日付・予約番号・便名などを記入する欄があるので忘れずに。また、送った後にJALから確認の電話が来るので、連絡先も記入しておきます。我が家はFAX送信してから2〜3営業日くらいでお電話をいただいたと思います。
📌 注意:酸素ボンベの使用証明書は、空港に持っていきます。
当日、実物の確認と照らし合わせるため提出が必要とのことで、実際に提出を求められました。
(FAX番号はJALの案内に記載がありますが、変わる可能性があるので必ず最新のものを確認してください)
診断書の取得
診断書は、次の2通を別々に取得しました。
① 搭乗用の診断書
・用途:JALに提出する(前述の3点セットのひとつ)
・書式:JALの指定書式
② 旅先での受診に備えた診断書
・用途:体調不良のときに、現地の病院へ持っていく
・書式:JALとは無関係の、通常の診断書
旅行先で娘の状態が悪化して受診することになったときに備え、その地域の基幹病院を探しておいて、主治医にその病院宛に診断書を書いておいてもらいました。(使わずに済むのがいちばんですが)
💡 主治医に依頼するときは、「JALの書式のもの」と「受診用のもの」の2通が必要だと最初に伝えておくとスムーズだと思います。
娘の主治医は子ども専用の往診クリニックで、めちゃめちゃ混んでいることから1ヶ月前の事前依頼ルールがあり、2ヶ月前くらいに依頼しました。
想定外:「その吸引器は機内で使えません」
これは予想外だったのですが、娘が普段使っている吸引器はベベキュアで、機内に持ち込むつもりで、JALにFAXを送って確認したところ、以下のご連絡をいただきました。
👩 メーカーが、航空機内での使用を推奨していないようです。
そして、代替機を用意してくださいとのこと。
幸い手動の吸引器を持っていたので、「手動のものがあります」と伝えて対応できました。ただし、その手動吸引器についても、メーカーと型番の確認がありました。バッテリー搭載の機器のみ確認だと思っていたのですが、そうでもないようです。
💡 ここから学んだこと
持っていくつもりの機器が、機内で使えるとは限らない。
航空会社はメーカーのサイト等も確認します。
そのため、機器の確認は、できるだけ早く始める(代替機の手配が必要になるかもしれない) メーカー名と型番は、すべての機器について答えられるようにしておく 代替手段があるかを先に考えておく 機器の仕様書が手元にあると、この確認がとても早く済みます。
※ベベキュアは使用がNGなだけで、持ち込み自体はOKでした!チェックイン時の確認では、ベベキュアもチェックしてもらいました。
2. 当日手続:スペシャルアシスタンスカウンターへ
ここからは当日の話です。空港に着いて、最初に知っておくべきだったのがこれでした。
スペシャルアシスタンスカウンターでのチェックインが必須です。自動チェックイン機は不可です。
※参考:JALのスペシャルアシスタンスカウンターの場所
そして、搭乗の1時間前までに到着することが必要です。
今回の往路は13:30発でしたが、11時には空港に着いていました。結果的に大正解でした🙆
カウンターで実際にやったこと
機内に持ち込む機器の実物確認
酸素ボンベ、医療機器、そしてそれらのバッテリー(に書かれているワット数や型番など)を、実物を見せながら確認します。一部は写真も撮られました。
つまり、機器はすぐ取り出せる状態にしておく必要があります。奥に詰め込んでいると、その場で荷物を開け直すことになります。
ちなみに「仕様書はありますか」と聞かれたので、全部まとめて仕様書を印刷したりして持っていけば早かったのかもと思います。特に必要とまでは言われませんでしたが、次の機会にはまとめて印刷して持っていく予定。
チャイルドシートのベルト位置の確認
チャイルドシートのベルトが上下3段階の穴のどこかから引き出すタイプで、子どもの体格に合わせて事前に高さを調整しておく必要がありました。
羽田空港では3人がかりで一つ一つ丁寧に確認してくださり、とてもありがたかったです。
ちなみに羽田空港のスペシャルアシスタンスカウンターはとても広くて、快適でした!
3. 保安検査にかかる時間も要注意
カウンターで丁寧に機器を確認してもらったところですが、保安検査場では酸素ボンベの確認に時間がかかりました。
保安検査場も複数ゲートがあるので、通じていないこともあるし、やむを得ず。一旦酸素ボンベ以外のものを通したあと、チケットをお渡しして確認に走って下さりました(ありがとうございます!)。
なので、保安検査は早めに抜けること。ここで時間を使う前提でスケジュールを組んだほうが安心です。
痛恨のミス…「集合」は搭乗口のこと
スペシャルアシスタンスカウンターで「13時にXX番ゲートに集合してください」と案内いただいたのですが、何を血迷ったのか私はこれが保安検査のゲートだと思っていました。。。(大反省)
保安検査場は自分たちだけで通過し、待ち合わせは保安検査場を通過したあとの搭乗口です。ちょっと早めに保安検査場に行こうとして気づいたのでギリギリなんとかなりましたが、どうぞお気をつけください…。
搭乗:飛行機の入り口まで、自分のバギーで行ける
搭乗口から飛行機の入り口までは、自分のバギーで行けました。
💡 バギーでゲートまで行きたいよと事前書類に書いておくとスムーズにお願いできます (JALだと「搭乗口(ゲート)までのご利用を希望される」にチェック)
いったんバギーを預けてしまうと、手荷物預かりから機内までの距離を抱っこで移動することになります。荷物も多いなかでそれは正直厳しいので、書類の段階で「飛行機の搭乗口までバギーを使いたい」と書いておくのが大事でした。
飛行機の入り口からは、娘を抱っこして席まで。ちなみに、機内の狭い通路を通れる車椅子もあるとのことでした。
そして到着したときも、飛行機の出口でバギーを用意して待機していていただけました。最後まで待ってゆっくり降りられるので、安心でした。
荷物を運ぶのを手伝ってもらえました
そしてもうひとつ。荷物運びを手伝っていただけました。
夫:呼吸器と、呼吸器の加湿器を入れた箱型ケース
(私:娘抱っこ)
JALの方:その他の医療的ケアグッズと、酸素ボンベ
医ケア児連れは、とにかく手が足りません。大人の手は子どもを抱っこするので埋まるのに、荷物はたくさん。ここを手伝ってもらえるのは、本当に助かりました。
※なお、手荷物制限には酸素ボンベなども個数カウントにかかります。つまり、酸素ボンベや呼吸器ケースも含めて、全部で人数分×2個までの荷物個数制限にかかるということなので、手荷物の数にはご注意ください!
本当にたくさんの人手や手間を割いていただき感謝しきりです。申し訳ないな…と思っていましたが、「また飛行機に乗ってね!」と娘に声がけくださり、とても嬉しかったです!
搭乗中:酸素は本当に必要だった
機内は、モニターと酸素ボンベの装着が必須でした。「落ち着いてからつける」ではなく、最初からがいいです。(私は最初うっかり忘れて肝を冷やしました。)
実際に飛んでみて、これは本当に必要だったと実感しました。娘の場合は以下のとおり
娘のSpO2
・普段:98前後
・飛行中(酸素なし):91前後
普段98前後の娘が、酸素なしだと91前後まで落ちました。
ちなみに夫もApple Watchで測ってみたら95くらいまで下がっていましたw
機内は気圧が低いので、健康な大人でも酸素飽和度は下がります。 つまり、普段の状態からさらに数値が落ちる前提で考える必要がある、ということでした。
サチュレーションモニターをみたら結構下がっていてびっくりしました。普段酸素をほとんど使わない娘で、使う時も0.25Lの処方なのですが、今回は0.5L流して通常時に回復しました。その点や搭乗時間も踏まえて、持ち込む酸素ボンベの本数を消めたほうがよさそうです。(とはいえ持ち込み制限2本までなんですが)
4. 復路も、ほぼ同じ。ただし地方空港はもっと余裕を
帰りも、往路と同じ機器の実物確認があります。行きで確認済みだから省略、とはなりません。
やることはほぼ同じなのですが、復路のほうが時間がかかりました。 理由は2つあります。
① 地方空港のカウンターは、ワンオペだった
羽田では3人がかりで確認してくださいましたが、新千歳のスペシャルアシスタンスカウンターは、担当の方がひとりでした。
当然、確認に時間がかかります。後ろに並んでいた方をだいぶ待たせてしまいました。
💡 地方の空港では、羽田以上に時間の余裕を見てください。
同じ「1時間前まで」でも、かかる時間の見込みが違います。
あらためて、機器の仕様書を持っていればよかったなと思いました。機器のどこにワット数が書いてあるかを確認してもらうより、仕様書をお見せしたほうが早そう。次に飛行機に乗るときは、全機器の仕様書を必ず持っていきます。
② 保安検査場にかかる時間
そして帰りも、保安検査場で医療機器の確認に時間がかかりました。
ただこれは、チェックインからあまり時間を空けずに保安検査場へ行ったからかもしれません。連携には多少のタイムラグがあるのかも、と思っています。
いずれにしても、カウンターと保安検査、両方で時間がかかる前提で組んでおくのが安全です。
まとめ:手続きでの8つの注意ポイント
順番は「電話 → 予約 → FAX+電話」。最初の電話は予約番号なしでいい。座席の制約を聞いてから予約する
予約番号があると、電話の内容を紐付けて記録してもらえる
座席に制約がある。酸素ボンベを前の座席下に置くため最前列は不可、非常口そばも不可
普段使っている機器が、機内で使えるとは限らない。メーカーが非推奨の機種がある。メーカー名と型番は全機器について答えられるように。仕様書があるとよさそう。
スペシャルアシスタンスカウンターは搭乗1時間前まで。機器は実物確認があり、復路もほぼ同じ。地方空港はワンオペのこともあるので、さらに余裕を。
カウンターと保安検査は連携していない。再説明の前提で早めに通過する。
飛行機の入り口までバギーで行ける。荷物運びも手伝ってもらえる。どちらも事前書類・事前相談でお願いしておく
搭乗直前まで、何か抜けてないか不安で不安でしょうがなかったですが、なんとかなりました!
色々と抜け漏れもあったのですが、それも含めて柔軟に対応してくださったJALの皆様に感謝ですm(_ _)m
比較的乗り慣れていたJALを選択しましたが、これからもJAL一択な気持ちでいっぱい。
とはいえ空の旅はとっても快適でした。今回の学びや経験を生かして、また旅行に行きたい!
誰かの参考になれば嬉しいです^^
荷物のまとめ方と持ち物リストはこちら。
旅行そのものの記録はこちら。