
【持ち物編】医ケア (with 気管切開・人工呼吸器・酸素・胃ろう) の娘と、飛行機に乗る
はじめに
気管切開・人工呼吸器・酸素・胃ろうのある娘と、3泊4日の北海道旅行に行ってきました。
航空会社とのやりとりや空港での手続きは、別の記事にまとめています。
👉 【手続き編】医ケアの娘と、飛行機に乗る
医療的ケア児との旅行の準備、普段の医療ケアの用品含め、とっても多いです。そして現地調達できないものもあったりして、しかもそれがないと水分摂取すらできなくて詰むものも・・・笑
そして今回の旅行でも持ち物準備は入念に行いました。それでも「これがあったらな〜」があったので、それも含めてまとめてみました。
この記事で分かること
実際に持っていって、足りたもの・足りなかったもの・要らなかったもの
1. 最優先したのは「荷物をできるだけ飛行機に載せないこと」
飛行機には、持ち込める手荷物の数に上限があります。
我が家の場合、3名で搭乗したので、家族全員分の荷物許容量を合算しても、1名あたり2個(身の回り品1個+手荷物1個)×3名分の6個が上限でした。
注意する必要があるのは、呼吸器+加湿器のケースも、吸入器のバッグも、酸素ボンベも、すべて1個としてカウントされます。
ちなみに呼吸器と加湿器は、普段から無印のケースに一つにまとめてバギーの荷台に乗せています。このケースで1個として数えてもらえたのはよかったです。

(許容量は人数・航空会社・運賃によって変わるので、ご自身の便で確認してくださいね)
医療機器だけで、あっという間に枠が埋まります。着替えやミルクを入れる余裕は、ほとんど残りません。
① ほとんどの荷物は宿に宅配しました
着替え、缶ミルク、ブレンダー、医療的ケアのグッズ。 ほとんどの荷物を、事前に宿へ送っておきました。
結果として当日持つのは、機内で必要になるもの+出発直前まで使う必要があるものだけに絞りました。
もちろん、手荷物預かりをお願いすることも可能なのですが、万が一ロストしたときにリカバリーが効かない物品も多いこと、大人の荷物はそもそも少ないこと、そもそも持ち歩きの荷物が多いと大人2人の手では移動が大変ということで、持ち歩き荷物を減らす方向にしました。
💡 「旅行に必要なもの」と「機内で必要なもの」を、完全に分ける。
手荷物の枠は医療機器で埋まる前提なので、当日どうしても持ち歩かないといけない物以外は載せないと考えたほうが早いです。
ちなみに、たいていの宿泊施設が荷物の受け取りをしてくれますし、ホテルの公式サイトの「よくある問い合わせ」などに送り方を書いてくれていることも多いです。

配送はクロネコヤマトの宿泊施設への配送サービスを使いました。>>詳細はこちら
家からの配送の際に、往復分の支払いもできるし、宿泊日(チェックイン日とチェックアウト日ともに)や帰りの荷物の受け取り日も登録することができるようになっているので安心です。
② 酸素は、レンタル会社から宿へ直接配送してもらった
あわせて、酸素濃縮器と酸素ボンベ3本を宿に配送してもらいました。
酸素ボンベや濃縮器のレンタル会社に「旅行手配依頼書」を事前にFAXすると、宿へ直接配送して対応してくれます。
事前に主治医に書類記入をお願いする必要があるので旅行が決まったら早めに手配します。
飛行機の中で使う分の酸素ボンベ以外(=現地で使う分)は、配送分で賄うようにしました。なので行きも帰りも1本の同じボンベのみ飛行機に載せました(ちなみに、飛行機の手続きでの酸素ボトル仕様証明書は原本を提出するので、行きの分1枚・帰りの分1枚で別々に用意しました。)
2. 万が一の場合に備えて。もし、手荷物を持ち出せなかったら? ― 夫にベストを着てもらった話
これは書こうか少し迷いますが、気になる人もいるかな?と思うので触れておくと、飛行機に乗る上で気に掛かっていたことが一点。
万が一、事故があって緊急脱出が必要になったときにどうすればいいか。2024年のお正月に起きた滑走路での衝突事故のニュースをみて、これに娘が乗っていたらどうすればいいんだろう、と考えたのがきっかけです。
調べてみると、医ケアの個別事情に関わらず、手荷物を持ち出せない可能性が高いということでした。(全員が無事に避難するというのが最優先事項なのでそりゃそう。)
娘の機器は、すべて手荷物の中です。それを全部置いて逃げることになったとき、娘の命に関わりそうなのは何か? つまり、「最低限、何があれば足りるか」を考えました。
結論として、娘の場合は、手動の吸引器さえあれば避難後に病院にたどり着くまでの数時間はなんとかなる、と判断しました。(もちろん、その後すぐ病院に行く必要はあるかもしれませんが)
逆にこれがないと気管カニューレが詰まって呼吸ができなくなる可能性があるので、ミニマムマストです。そこで。
大きなポケットがたくさんついたベストを夫に着てもらい、そのポケットに手動吸引器(とそれに必要な吸引カテーテルなど)を入れておく。
身につけていれば、手ぶらで逃げることになっても、それだけは一緒に持ち出せる可能性が高い。

結果的に不要でしたが、万が一のケースを想定して、「これなら大丈夫」のラインがちゃんとあるかどうかを見極める必要はあるなと思っています。
(ちなみに、夫とはぐれた場合も考え、吸引カテーテルの予備だけは私もポケットに入れておきました。(最悪、ほんとにどうしようもなくなったら口でストローみたいに吸えるか...?と…やったことはないけど笑)
「最悪の場合、何がひとつあれば娘の命を繋げるか」を決めておくと、気持ちがずいぶん楽になりました。 不安を漠然と抱えているより、ひとつに絞って、それを身につける。それだけで、飛行機に乗ることへの覚悟が決まった気がします。
3. 持ち物リスト
考え方その1:ケア用品は「(宿泊日数+1) × 1日のケア回数」で数える
医療的ケア児の医療物品は現地調達が困難なので、1日に何回やるケアかを数えて、日数+1をかけるようにしました。今回は3泊4日なので「×5日分」で計算しました。
消耗品は必ず多めに。現地で同じものが買える保証はありません。
考え方その2:「宿に送るもの」と「手に持つもの」を分ける
前の章のとおり、手荷物の枠は医療機器で埋まります。 リストを作るときは、量を数えたあとに「これは宿に送れるか?」で仕分けると、当日の荷物が大幅に減りました。
実際に我が家が使ったリストを、その2つに分けて載せます(3泊4日・娘と大人2人の場合です)。
📦 宿へ事前配送したもの(滞在中に使う)
出発3日前に発送しました。滞在中にしか使わないものは、すべてこちらです。
段ボール2箱になりました。
栄養・注入
ソリタ水(滞在分)/10袋
市販のペースト食(常温保存できるもの)/5パック
液体ミルク(滞在分)/15本 (ミルクは現地調達可能だと思い、最低限の本数にしました)
滴下ボトル・チューブ予備/シリンジ予備/胃ろうチューブ予備
胃ろうチューブやボトルの洗浄ブラシ・食器洗剤
ケア用品
胃ろうガーゼ交換 10回分/Yガーゼ15・コットン20・綿棒20・軟膏類
カニューレ替えバンド 5本
浣腸セット 3晩1+1分+シリンジ
吸引カテーテル5本/アルコール綿1箱
常用薬(朝・夜 × 5日分)
頓用薬(解熱剤、けいれん時の座薬など)← 使わなくても必ず入れる
人工鼻(日中用+お風呂用)
呼吸器の加湿器用の水
保湿剤
おくるみ
消耗品
おむつ(滞在分)1パック/おしりふき/おむつ袋
ペットシーツ(大小・日数分) ← 宿でのケア時に施設を汚さないように
衣類・館内
家族全員の着替え3泊分・下着(娘の分は汚れる前提で多めに+リゾート感あるオシャレ着も+αで)
ハンドタオル、ガーゼハンカチ
羽織りもの2枚
iPhone, iPad, Apple watch, Macbook など充電器各種

🎯 そして、忘れてはいけないのが「帰り用」
これは忘れがちだったのですが
★ ガムテープ
帰りの発送用の伝票
荷物を送ったということは、帰りも送るということです。
宿で荷物を詰め直して発送するのに、ガムテープがないと詰みます。 チェックアウト直前に慌てなくて済むよう、行きの荷物に必ず入れておいてください。
ちなみに帰りは消耗品が減るので荷物が減るのですが、お土産も追加で入れるので、同じ個数を送り返す想定にしました。
✋ 手荷物で持ったもの(移動中・機内で使う)
ここの記載のものだけ、飛行機に載せました。 医療機器で枠が埋まるので、それ以外は厳しく削りました。
必ず手荷物にする医療機器
吸引器(+充電器)
→ ⚠️ 機内で使えるか事前に航空会社へ確認。メーカーが機内使用を非推奨としている機種があります(手続き編に詳しく書きました)手動の吸引ポンプ ← 機内での代替機として/緊急脱出用にベストのポケットへ
呼吸器・外出用回路・人工鼻パーツ予備・加湿器
吸入器(ネブライザー)
酸素ボンベ1本(航空手続き済みのもの)← 前の座席の下へ
サチュレーションモニター(飛行機の中はSpO2が下がりやすいので忘れずに)(+充電器)

普段から持ち歩いている緊急時セット
カニューレ予備(サイズ確認)/人工鼻/吸引カテーテル数本/アルコール綿・消毒
アンビューバッグ
移動日の注入・ケア
液体ミルク 2本
注入シリンジ/注入ポンプ(ポンプは移動時に使うわけではないのですが、直前まで家で使うため)(+充電器)
投薬(移動日分)
水筒に作ったソリタ水
おむつ数回分・おしりふき・ガーゼ・着替え1セット
書類(手元に)
身障者手帳・母子手帳・保険証(マイナンバーカード)・乳幼児医療証・お薬手帳
診断書(受診用) ← 旅先で病院にかかるとき用。航空会社提出用とは別に取得したもの
eチケット/予約番号 ← カウンターで見せるのですぐ出せるように(アプリに入れておく)
航空会社への提出用書類(酸素ボンベの使用証明書は当日原本提出を求められます)
親のもの・娘の安心グッズ
現金・決済カード・運転免許証(レンタカーを運転する人のもの)
スマホ・モバイルバッテリー・充電器
お気に入りのタオル・おもちゃ・iPad
上着(機内の冷え対策)
棒つきキャンディー(飛行機で舐めさせて耳抜きする用)

4. 持ってくればよかったもの
実際に行ってみて「これがあれば」と思ったものです。
水筒は2本いる
用途が違うので、1本では回りません。
水筒①:ソリタ水など、水分補給用
水筒②:缶の液体ミルクを開封した後に移すための、蓋付き容器
液体ミルクは便利ですが、メーカーによって缶を開けたら移し替えが必要になります。ここまで考えておらず、現地で不便でした。
延長コードとマイクロUSBの充電コード
医療機器は常時電源が必要なものも多く、コンセントの数と位置が足りません。そしてネブライザーなどで使っていたモバイルバッテリーの充電はマイクロUSBのコードが必要なのですが、それも忘れており。。電力関係が万全かのチェックが不十分でした。(宿で借りた)
Fireスティック / iPadを立てる台
注入中は手が塞がりますし、移動も多いです。宿での食事は普段よりもゆっくり時間をかけることも多いので、娘の機嫌を保つために、映像を見せられる環境は思っていた以上に重要でした。iPadを立てる台は必須ですw(ないときはスマホで代用。スマホスタンドは常にあるので)
Fireスティックはすごいマニアックな話なのですが、大人の手が足りないときやケア中などどうしてもじっとしていて欲しい時はアンパンマンをみせています。宿のテレビもYoutubeなどのアプリが入っていたのですが動作が重く固まってしまい、表示できませんでした。Fireスティックがあれば、、、と危うく札幌で買うところでしたw(踏みとどまった)
娘の爪切り
娘は最近爪を立てて私の腕を掴んでよじ登る傾向にあるため、、3泊4日でもあったほうがよかったです。
各機器の仕様書
空港で機器の説明を求められたとき、実機に貼られているシールなどを探して見せて説明するより、紙の仕様書を見せるほうが圧倒的に早そうでした。特に復路のワンオペのカウンターでは、これがあれば後ろの方をお待たせする時間が少なくて済んだように思います。
次に飛行機に乗るときは、全機器の仕様書を必ず持っていきます!
注入ポンプ使用時のミルクボトル用のスタンド
注入ポンプを使う際、ミルクを入れたボトルを家では吊るしていて、旅行時にはハンガーに引っ掛けて吊るしているのですが、今回は娘の寝具近くでいい感じにかけられるところがない!
スタンドを何か用意しておいたほうがいいです。(が、最適解がまだ見つかってない)

5. 持っていったけど、使わなかったもの
ブレンダー(宿へ事前配送していました)
宿の食事をペースト化する想定で送っておきました。しかし結局部屋に食べ物を持ち帰ることもなかったため、出番がありませんでした。外で買ってきた食べ物をペーストにすることもあるのでは?と思っていましたが、思いの外ちょうどよい機会がなく。また、ビュッフェなどでスムージーが豊富にあったりして、流動食に近い形態のものを注入できたこともあり自分たちでペースト化しなくても流動食を注入する機会がありました。ただ、これは娘がまだ流動食が多くても1日1~2回程度にとどまるからというのもあります。ここは普段からペースト食の運用に慣れているかどうかが影響すると思うのでご家庭によるだろうなと思います。
まとめ:荷物で押さえる6つのポイント
手荷物には数の上限がある(我が家は合算6個)。呼吸器・吸入器・酸素ボンベもそれぞれ1個としてカウントされる
だから、荷物は飛行機に載せない。「旅行に必要なもの」と「機内で必要なもの」を完全に分ける
酸素はレンタル会社から宿へ直送できる(旅行手配依頼書をFAX)
ケア用品は「(日数+1) × 回数」で数える。消耗品は多めに
帰り用のガムテープと伝票控えを、行きの荷物に入れておく
緊急脱出のときに、最低限必要なものを考えて身につけておく(我が家は手動吸引器)
我が家の備忘録としても結構細かく書きました!
ちなみに我が家では、Google Docsに持ち物リストを作ってまとめていて、旅行のたびにアップデートしています。
今回はそれに加えて、Claude Codeで旅行計画をまとめたのもあり、持ち物リストをAIでも整理しました。
準備は大変だけど、整えておいてよかった〜これ持ってきてて準備した私ありがとう〜〜と思ったこともたくさんあったので、入念に用意しておくのがベストです!
航空会社とのやりとり・空港での手続きはこちら。
👉 【手続き編】医ケアの娘と、飛行機に乗る
旅行そのものの記録はこちら。
👉 【旅行記編へのリンク】