
大根なしで紅白なますを作ろう!【なんちゃって日本料理inメキシコ】
2025年もあとちょっと。
もういくつ寝るとお正月〜♪である。
あなたはお節を作る派?それとも頼む派?
私は日本では母親におんぶに抱っこ派だったが、メキシコでは断然作る派である(だって母もいないし売ってないし)。
とはいえ首都メキシコシティに住んでいたときはMICASAなど日本食材を扱うアジアンスーパーが豊富で何も困らなかったが、今住んでいるような片田舎では大根一本すらまず手に入らない。
ええ~、それじゃ「紅白なます」作れないじゃん。……安心してください。できるんです。

見た目も味も(←ここ大事)ホンモノそっくり。でも使ってるのは大根じゃなく、メキシコでフツーに出回っている「アレ」。

そうコレ。名前をヒカマ(jícama)という。
メキシコ原産の豆科の根菜。メキシコでは皮を剥いて切り、レモンを絞ってチリパウダーをかけて食べたりサラダにトッピングしたりと生食するのが定番。見た目、味、食感は一言で言うなら「甘くない日本の梨」。
日本名はクズイモ(葛芋)、中国名は豆薯(トウショ)、英語名ヤムビーン(Yam Bean)。けっこう世界で食べられているっぽい。
今日はこれを使った「紅白なます」の作り方を紹介しよう。
大根がある羨ましい地域の住人さんは、ヒカマの代わりに大根で作ってね。酢の物系って油を使わないからサラダよりよっぽど健康的で優秀な副菜。だから何もおせちに限らず一年中フル稼働で食べまくろう!
それでは Vámonos! (約3000字)
レシピ『ヒカマと人参の紅白なます』
材料
・ヒカマか大根 250g(大きめ1/2くらい)
・人参 50g(中1/2〜1/3本くらい)
・こんぶだし 100ml (なかったらカツオだしなどでもいいし、昆布茶でもいい)
・酢 大さじ4
・砂糖 大さじ3弱
・塩 小さじ1/3
・仕上げ用白ゴマ 適量
作り方
1) 野菜二種を千切りにする(細いほどヨシ)。
・大根なら塩もみ(分量外)して放置後しぼる。
・ヒカマも水っぽいものだったら同様にするが、水が出そうもない乾いたタイプなら塩もみ不要。
2) 保存用タッパーなどで上記のゴマ以外を全部混ぜ、そこに1) を入れる。
・この時につけ汁が少なくて野菜がヒタヒタにならないようならダシを少し加える(ちょっとだけなら水でもよし)。好みだが酢はあまり増やさない方が味がまろやかでうまい。
3) 冷蔵庫で保存。数時間後から食べられるが、ヒカマの場合は1日くらいは漬けておきたい。
4) 食べるときは水分を切って皿に盛り白ゴマを振る。

中央が紅白なますだが、実は手前のきんぴらも同じヒカマとにんじんで作っている。そう、火を入れても美味しく食べられるのだ。
つまりヒカマは大根の代わりのほか、コリコリした食感が欲しいゴボウやレンコン、タケノコなどの代わりになってくれる優秀食材だ。
今後もヒカマや他の食材を使った「なんちゃって日本料理」レシピを紹介するよ。例えば「なんちゃってブリ大根」の時はヒカマではなく別の野菜を使うんだ。興味のある人は是非このnote、または「食」マガジンをフォローしてね!
さて。この後はオマケ読みもの。
メキシコ行事食と魔の年末パーティ
今まで過ごしたことのある元夫の家族や友人知人宅での私個人の印象なので間違っていたら是非コメント欄で教えて欲しいのだが、メキシコはクリスマスも正月も「コレ!」と決まった行事食があるわけではない(クリスマスならお隣のアメリカのターキー、日本のケンタや骨付きチキンのようなこだわりはない)。
基本は独立記念日もクリスマスも誕生日もおんなじ。各家庭でのお母さんお得意の大皿パーティーメニュー数種類がたっぷりの大容量でテーブルを埋め尽くさんばかりに並ぶ。そして置き場のない3リットル入り炭酸飲料が床に直おきで林立する。
そしてこの開始時間と所要時間がまたエグい。夜9時以降には胃に入れない方が……なんていう日本の常識は通用しない。日常からしてこの9時以降が夕飯タイムだし、パーティとなれば「人が集まったら」「料理ができたら」いつかは始まるだろうが時間は未定。気長に待つしかない。
※結婚式のイーカゲンな開始時間についてはこちらの記事参照。
さて、今から二十年前。
メキシコシティ在住時のことである。同棲していた彼(後の元夫)に年末年始の家族パーティに誘われた。既に独立記念日やお父さんの誕生日パーティにもお邪魔していてすっかり公認の仲。お母さんの料理は極上。でも年末年始イベントは初。めちゃくちゃ楽しみだった。
「ものすごく量が多いからお腹すかせて行こう」という元夫の言葉を信じ、昼を軽めに空きっ腹を抱えて大晦日の9時ごろ彼の実家に到着。台所には既に出来上がったおいしそうな料理が溢れている。彼の兄弟、その家族もほぼ勢揃い。ふふふ。ピッタリの時間に来たかな。私はほくそ笑んだ。
しかし。待てど暮らせど始まらない。
子どもや男どもはテレビを見ながら居間でくっちゃべっている。女どもは台所で椅子に座りながら、やっぱりくっちゃべっている。
え?いや、料理できてるよね。冷めちゃうよ?みんな集まっているじゃん。なんで食べ始めないの?
私はお母さんに「何か手伝うことありますか?」と聞いた。少しでも手伝って夕食開始時間を早めようとしたのだ。
「ううん、そうねえ。じゃあブドウを小分けにしてもらおうかしら」
12時の鐘と一緒に食べる葡萄(スペインも同じ習慣がある)を後の義妹たちと一人分ずつ小分けにしながら、私は空腹と絶望でほとんど気を失っていた。
テレビと共にカウント・ダウン!
夕食より先に葡萄が口に入った。
新年だ!みんなでハグ。笑顔が弾ける。
「ああ、やっと食事だ!」私の笑顔もMAXだ。
……と思ったらクリスマスには彼の弟夫婦が奥さんの実家に行ってたためできなかったプレゼント交換がおもむろに始まった。
「え? なぜ今?」私のテンションは一気に急降下した。
一人一人のプレゼント開封儀式。そして紹介が果てしなく続く。私の分も用意してくれていて嬉しさでちょっと泣いたが、それ以上に腹の虫が鳴いた。
ついに全部のプレゼントのお披露目終了。
よし!今度こそ!!と思ったら、次にプレゼントを手にしての一人一人の皆への感謝、そして今年一年の抱負の言葉が始まった。私はみんなの言葉を神妙に聞くふりをしながら、頭の中で元夫をめちゃくちゃにボコっていた。
「お腹空かせて行こうじゃねーだろ!お腹空くから軽く食べて行こうが正解だろがぃ!」
結局この日晩餐のスタートは夜中の一時半。
お母さんのロメリートス(ローズマリーの香り高い魚料理)が最高だった。三時ごろには子どもたちは寝室に消え、大人たちも皆んながお腹いっぱいになり次々ソファに脱落していくなか、私は最後まで食卓に残って食べ続けていた。
今でもあの日のロメリートスの味が忘れられない。空きっ腹は最大の調味料というエフェクトがかかっているのかもしれないが、「好きなメキシコ料理は何?」と聞かれると、真っ先に思いつくのは夜中の一時半に温め直された、あのお義母さんのロメリートスである。
お読みくださりありがとうございました。
Hasta pronto! またお会いできますように
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