
#23
わたしとは、何だろう。
死にたいというのは、
悲しいとか、つらいとか、そういうことではなかった。
息を吸っても酸素がない。
わたしは、普通の顔をして、
普通の生活をしながら、
じわじわと窒息していく。
厚い水の壁があった。
口を開けた瞬間、
大量の水が流れ込んできて、
取り返しのつかないことになる。
きっと、口を開けば
応答してくれることは、理解していた。
けれど、
他者の言葉では、救われないことも、理解していた。
それが、
いつから始まったのかは、よく覚えていない。
ただ、朝が来るたびに、
まだ終わっていない、という感覚だけが残った。
ただ、天井をみつめる。
ずっとそうしていたかったけれど。
また朝が来る。
先が、ずっと同じ形をしていた。
生きている状態が、ひどく苦しかった。
けれど死ぬのは、もっと怖い。
ここから逃げられる可能性が、
生き続けることよりも、
死ぬことの方が確実で、
心が揺らぐ。
なぜか、
いまもわたしは、生きている。
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