#37|【遠距離介護を仕組みで回した④】 認知症の母、次の施設を申し込んだ。「階が違うだけ」
複合高齢者施設にある
自立型ケアハウスに入居している両親。
認認介護の限界がきた時に備えたお話です。
前編、判断能力がなくなってしまった時の金銭管理、
葬儀手続きにも遠隔から回わせると知った話はこちら。↓
母がお世話になっている小多機のケアマネから
メールがきた。
お母様の先日の区分変更で、
要介護2ではなく、3が下りました。
今のうちに同施設内のグループホームへ
申し込んでおいた方がいいと思います。
特養も対象になります。
4ヶ月前帰省したとき、
ケアハウスの責任者の方から、
デイサービスとショートステイを利用して、
できるだけ長くご夫婦でケアハウスで生活できるよう、
やっていきましょう。
そう言われたばかりだった。
その形で続けることはどう思われますか。
そう聞くと、ケアマネは言った。
ここ1ヶ月ほど、
お母様の状態が急に進行しているように思われます。
下着を何枚も重ねて着ていることがあります。
トイレに行く時に、ついてきて、と言われるようになりました。
同居されているお父様も、24時間つきそうことになるので、
大変だと思います。
今申し込んでも、
すぐに順番が回ってくるわけではありません。
入居の時期は選べない事の方が多いので、
遅すぎるよりは今のうちに申し込んでおくことをおすすめします。
両親が入居しているケアハウスは建物の3階で、
特養は同建物の1階と2階、
グループホームは、通路で繋がった隣の建物にあった。
同じ敷地内、階が違うだけ。
そう思うことにした。
申し込み用紙に、
入居希望日の欄があった。
グループホームは、半年後。
特養は、一年後。
そう書いて、送信ボタンを押した。
朝のビデオ通話で、
父の笑顔が減っていった。
母が不機嫌で話をしない日が、
増えていた。
今日は、デイサービスあるよ。
ヨガやろう。
ビデオ通話でそう声をかけると、
そんなのどうでもいい。
やりたくない。
そう言うようになった。
ある日、
母のケアマネにメールをした。
ショートステイを、
試してみたいのですが、
どう思われますか。
ちょうどそのタイミングで、
交差するようにケアマネからメールがきた。
今朝、スタッフが
ケアハウスのお部屋へ迎えに行ったところ、お母様が、
お部屋の向かいのベンチに座って、泣いてみえました。
殴られた。
出ていけと言われた。
そう話されたそうです。
急ですが、ケアハウス主任とも相談し、
今日は通いのあと、
そのままショートステイでお預かりすることにしました。
お父様も、
「大変ですよ」
といつもは笑って話されるのですが、
今日は落ち着かないご様子で、
スタッフが、
「奥様が殴られたとおっしゃっていますが」
と聞くと、
言葉を濁されたそうです。
父にビデオ通話をかけた。
夜中に何度も起こされる。
薬を撒き散らした。
何をしてやっても怒鳴られるだけだ。
食堂でも、もうみんな知っとる。
父はそう言って黙った。
画面を通して、
父の部屋の外から、子供がはしゃぐ声が聞こえた。
グループホームと特養に、
申し込んでおいたよ。
私はそう言った。
父は黙り込んで、
自分の指をさすった。
階が違うだけ。
毎日でも会いに行ける。
でも、夜、起こされなくて済む。
そう言うと、
父は小さくうなずいた。
ビデオ通話を切ると、
向かいの教会で、10時のベルが鳴った。
動けなかった。
出かける時間じゃないの?
夫が言った。
何かあったの?
両親のこと?
もう出かけないといけないから、
後で。
その日だけ、
サングラスをかけて家を出た。
遠距離介護を仕組みで回した① こちらも参考にしてみてください。↓
