
『ひきこもりからの脱出』第三話① #C-1:働くということ 〔noteで遊ぶゲームブック〕
【はじめに】
これは選択肢によって物語が変わるゲームブックです。
選択肢を辿っていくと異なるエンディングにたどり着きます。
グッドかバッド、ベストか、いくつかのエンディングが待っています。
君は、ひきこもりから脱出できるか。
藤崎が戻って来るまでコンビニで働くことにした。
僕はレジは任されず、ドリンク類の補充や散らばった商品を並べる作業だった。
田中さんは、「雑誌は、普通窓ガラス側に置くんだけど、兄が立ち読み時間を短くするためにレジの近くに置いているんだよね。しかも兄が好きな幼い女の子が出て来る漫画。兄は深夜のバイト中に読んでるの」
「どうして普通のコンビニは窓ガラス側なんですかねえ?」
「立ち読みとかされていると、お客さんがいるように見えるでしょう。誰もいないお店より、人が入っているお店の方が入りやすいんだよ」
田中さんは品出しをする代わりに店内の清掃を僕に頼んだ。
24時間営業だからお客のいない深夜にやっているのか。
「深夜のコンビニって時給はいくらですか?」
「うちは1,600円だね」
「そんなにもらえるんですか?」
「どこもそんなもんだよ。でも考えてみて。1日7時間働いて週5で約22万円。今東京で8万のマンションに住んで光熱費や厚生年金を払うと残るのは10万と少しぐらい。しかも食費抜きでその額だから、みんな何を削るか必死だよね」
自宅で無職。確かに僕は恵まれている。
これは生まれ持っての天の恵みだ。人は誰も平等ではない。
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1.働くこと
都合の良いことで無職であることを良しとしているが、近所の人や同級生にひきこもりとは言われたくない。
働いていない人は、親に甘えていると思われる。
「働く」とは「お金のため」なのだろうか。
田中さんに「宝くじが5億当たっても働きますか?」と聞いてみた。
「どうだろう? たまに働くかもね」
「たまにですか?」
「働かないと寂しいじゃん」
「寂しい?」
「俺はみんなで稼いでいくのって楽しいと思うんだよね。それって希望にもなるよね」
「そうですか?」
「桐谷くんもここで働くこと考えてみなよ」
「はい…」
そう言いながらも僕はチームプレイが好きではない。
それより今日は疲れた。
藤崎にLINEで聞いておけばよかった。
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2.藤崎が戻ってくる
藤崎が戻ってきた。

「さぼりが長いぞ。減給だ」田中さんは強めに言った。 「昔の男に絡まれてたの。よりを戻そうとしつこくて逃げられなかった。そんなことより、桐谷、バイト始めたの?」
「体験入店」
「キャバ嬢みたいだね。桐谷、角田を覚えてる?あいつよ。数回デートしただけで彼女扱いだよ」
「僕もさっき絡まれた。それより海江田さんが事故に遭ったって地元のニュースで見たんだけど、藤崎が何か知らないかコンビニ来たんだよ」
「事故に遭った??知らなかった」
「重体らしい。意識不明とは言ってなかったけど」
「まじで!大きい病院に電話してみるよ。桐谷も探して」
「じゃあ、入院先を見つけたら教え合おう!」
田中さんは、「早朝のバイトがそろそろ来るから藤崎も桐谷君も上がって良いよ。桐谷君は今度バイト代を取りに来て」と僕らを気遣った。
僕は制服を脱いで帰宅した。
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