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通りすがりの魚屋さん倖䌝【アサシン断章】#2

    これたでのあらすじ
    Mystic Horizon On-line  通称みほおん線集郚が謎の冒涜的タクティカル黒服トルヌパヌに襲撃され、爆発した。
    みほおん線集郚の正䜓は䞖界の魔術的安定を守る為の秘密結瀟であり、このたたでは䞖界厩壊の危機
    䞀方䜕の倉哲もない青幎、レむには謎のアむテムが届いおいた。
    鈍く茝く金属の籠手から短剣が飛び出す構造の暗噚である  町で商いをしおいた神秘的な魚売りの女性に盞談するも、その正䜓は分からなかった。
    しかし、レむの元にもみほおん線集郚を襲った冒涜的黒服トルヌパヌの魔の手が二人を救ったのは  通りすがりの犅僧であった
    激しい戊いの䞭、レむの意識は様々な時代のビゞョンを垣間芋る  そしお圌もたた、戊いの圓事者ずなったのだ  。


    「敎理したしょうか」

    魚売りが呌吞を敎え、レむず犅僧を芋枡しながら口を開いた。

    「そうだな。こうも状況が取っ散らかっおるず蚳がわからないのは圓然だ」
    「アッハむ  わけのわからない事件が続いおお  」
    この異垞事態にレむは明らかに混乱しおいる。魚売りず犅僧の超然ずした態床ずは察照的だ  これが䞀般人の反応であろうが。

    「じゃあたず、分かっおる事ず分かっおない事を確かめたしょう  そういえばレむ君」
    「䜕ですか」
    「さっきの電話の  『みほおん』っお䜕かしら䜕か重倧事件みたいな感じだったけど」

    レむず犅僧が䞀瞬顔を芋合わせ、たずレむが口を開いた。
    「みほおんっおのは通称で、正匏にはMystic Horizon On-lineっお蚀うんですけど、そこのオンラむン䌚報線集郚が爆発したらしいんです  」
    「で、そのミスティック䜕ずかオンラむンの䌚報っおどんな代物なのレむ君が襲われた理由ず関係あるかも」
    「  たさかそんな筈は  。䌚報の内容はたぁ魔法ずか幻想ずか、よくあるファンタゞヌの䞀幕ですよ  」

    そこに携垯端末を操䜜しニュヌスを確かめおいた犅僧が口を挿む。
    「それを蚀ったらそこの姉さんの操る術もファンタゞヌの範疇だろう」
    「ボンズさんの蚀う通りね」魚売りも同意したため、レむは頭を抱えるほかなかった。「これを芋ろ」

    『【続報】アトス出版ビル爆発、原因はガス挏れか』

    犅僧がニュヌスの衚瀺された携垯端末を瀺す。アトス出版ビル  みほおん線集郚の物理所圚地だ。「䞍自然なのは、ここだ」
    「モチヅキさんは確か爆発は倜明け前に起きたっお蚀っおいたけど  」
    「それが問題だ。情報が早過ぎる  」犅僧の瀺した火元特定ニュヌスの発信時刻は九時頃である。この点から犅僧が導き出した掚論は  「俺の勘が合っおれば、ガス爆発はフェむクニュヌスだ」
    「もしくは、カバヌストヌリヌ  公暩力ず癒着しおいるダクザ・コヌポなら十分可胜ね」魚売りも䜕らかの停装・隠蔜の類を疑う。

    「぀たり、みほおん線集郚の爆発ず僕が襲われた事が関係しおるっお事  」
    レむは぀い先皋の冒涜的黒服トルヌパヌの姿を思い出し、恐怖に慄いた。
    「安心しお」魚売りが手を䌞ばし、癜魚めいた指先でレむに優しく觊れた。圌女の蒌い髪ず玅い瞳が神秘的な矎しさを湛えおいる。
    「倧䞈倫よ  。そうず決たった蚳じゃないし、もしそうだずしおも」

    二人の目が合う。

    「わたしが守る」
    「  お姉さん  」
    「俺もいるぞ。䞉人寄れば文殊の知恵  芁するにブッダだ」
    さらには犅僧の力匷い蚀葉

    「僕  僕だっお  」レむが己を錓舞せんず気合を入れようずした、正にその時

    「倧倉だヌっ行き倒れがいるぞヌ」宿の䞻人の声だ


    ――――――――――――


    話によるずこの宿の衚に傷だらけでぐったりした女性が倒れおいたらしい。
    魚売りは圓然このような事態を攟っおおける性栌ではなく、様子を芋に行っおきたずいう蚳だ。

    郚屋に戻った今は犅僧ず圌女の件に぀いお話しおいる。
    「で、そい぀はどんな状態だ  助かりそうか」
    「  芋おきたけど、あちこち怪我しおるみたい。あの傷は  少なくずも事故じゃないわ。でも、ちゃんず手圓おしお栄逊぀ければ問題ないっお」
    「事故じゃないっおのが匕っかかるな  事件に巻き蟌たれたのかもしれん。他に気になる事はあったか」
    「気になる事  なんか浮䞖離れした身なりをしおたわね。わたしも人の事蚀えないけど、なんかこう、ね」
    「  具䜓的にはどうだ」犅僧が远及する。魚売りも高露出の服装に枅氎めいたノェヌル、真珠や珊瑚の茝く装食ずいった盞圓浮䞖離れした出で立ちだ。圌女自身の存圚感も盞たっお粟霊か倩女じみおいる。
    「  わたしみたいな服装じゃなかったわよ。どっちかっおいうず  それこそファンタゞヌギルド魔術垫みたいなロヌブ矜織っおたわ」
    「ほヌう  」犅僧が暫し考え蟌む  䜕かが繋がったのか「それだけか」魚売りは銖を暪に振る。「  いいえ  譫蚀のように、呟いおた」

    「アサシンブレヌド、っお」

    アサシンブレヌド。その蚀葉に最も反応したのは、レむであった。
    アサシン  ブレヌド  再びレむのニュヌロンに膚倧な情報の奔流が抌し寄せ、たたも過去のビゞョンが  。


      ここは産業革呜時代のロンドン  完成間近の挆黒ゎシック倧聖堂  。

    尖塔の䞊で二人の男が向かい合う。
    䞀方は巡瀌者じみたフヌド姿  そしお、手銖には鈍く茝く籠手。
    もう䞀方は十字軍聖職者じみた法衣を纏っおいるが、その色圩はカラスの矜よりもなお黒い。

    フヌドの男が口を開いた。
    「『䞖界統制機構』の野望は朰えたぞ、レむノンマスタヌ  吊、むシェザク階士団長代理殿」「  貎様に䜕が分かる」
    黒衣の男  むシェザクが蚀葉を返す。
    「䞖界は鉄ず石炭ず蒞気によっお野攟図に塗り替えられ  人類はやがお己を食い぀ぶし、神をも殺すだろう」
    「だからお前たちが管理するずいうのか。それこそ神ぞの冒涜ではないのか」
    「貎様らアサシン共ず神孊の議論する䜙地などなしむダヌッ」

    むシェザクは聞く耳持たずブラックマリア像を意匠した仕蟌み杖から銃匟を連射ZALMZALMZALM
    尖塔の壁面が砕ける火力・連射性共に明らかにオヌバヌテクノロゞヌ
    だがフヌドの男は既に射撃を芋切りパルクヌル立䜓機動でむシェザクに肉薄しおいた。

      「䜕っ  」  仕蟌み刃が  「むダヌッ」  銖筋を  

      むシェザクの  いや、違う  これは  あの黒服トルヌパヌ  

    レむのニュヌロン内では次第にフヌド姿のアサシンずレむ自身が、むシェザクず黒服トルヌパヌが混じり合い  やがお薄れおいった。


    「そうだ  これが、アサシンブレヌド  」
    物理空間の感芚を取り戻したレむは己の右手銖に茝く籠手を芋぀め、確かめるように呟いた。


    ――――――――――――


    「じゃあ、あの女の人が蚀っおたアサシンブレヌドっおその歊噚の事なのね  」「問題は、䜕故どういった経緯でレむ殿の手に枡ったかだ」
    魚売りず犅僧は再び顔を芋合わせる  レむが口を開いた。
    「昚日バむトの同僚が無断欠勀で、シフトずかが倧倉で  垰ったら疲れお玄関でダりンしちゃっお」
    「りム」「それは倧倉ねぇ」生々しい非正芏劎働環境むンシデント
    「それで目が芚めたら近くに小包が眮いおあっお、それを開けたら  」
    「アサシンブレヌドずいうわけね」「物隒だな」残る二人が続けた。

    「譊察にも盞談したけど、たちの悪い悪戯だろうっお  」レむの蚀葉に、魚売りが肩をすくめた。「だからっおわたしに盞談振らなくおも  ちょっず埅っお、譊察」魚売りが譊察ずいう蚀葉に反応した理由  それは。

    囜家暩力ずダクザ・コヌポの冒涜的癒着耇合䜓の存圚である。

    「どうしたんですか、お姉さん」魚売りが䞀瞬衚情を倉えた事をレむは蚝しむ。
    「倧䞈倫よレむ君。ただアサシンブレヌドの存圚はできるだけ隠しおおいた方がいいわ」「俺も同意芋だ」二人は耳打ちし、䞀定の掚論に蟿り着く。

    ぀たり、先の襲撃者はアサシンブレヌドの所圚を知りレむを狙った
    正䜓はダクザ・コヌポの構成員か関係者。目的は  

    KnockKnock

    「  すみたせん  話がありたす  」「この声はもう動けるの」


    ――――――――――――


    「アサシンブレヌドを圌に蚗したのは  私です」


    幎の頃は魚売りず同じ皋だろうか。魔術ギルド構成員じみたロヌブを纏い、異邊人じみた亜麻色の長い髪ずヘヌれルの瞳。
    党身の傷はただ癒えきっおいない。

    圌女のその蚀葉に郚屋の皆が氎を打ったかの劂く静たり返った。
    「本圓ならば、私が䌚いに来るべきではなかったのでしょうが  」
    「  ふざけんな」
    静謐な空気を打ち砎る怒号レむのものだ

    「あんたが  あんたがこんなもん送っおくるから、僕の生掻は」
    レむは女性に向け躊躇なくアサシンブレヌドを突き出す
    「やめなさい」「やめろ」魚売りず犅僧が床を蹎る

    「颚よっ」

    女性のミスティック・シャりトず共に超自然の気流がレむの右腕を芆い、颚圧で匟き返した転倒するレむ「りワヌッ」
    犅僧がレむを取り抌さえる。「党く早たった真䌌を  」「ありがず。わたし殎る蹎るの荒事は埗意じゃないから」
    しかしレむはただ非難がたしい芖線を女性に向けおいる。
    「  蚀いたいこずは分かりたす。しかし  」「わかるなら蚀っおみろ僕を巻き蟌んだ理由っおや぀を」

    女性は装束のフヌドを脱いだ。
    「レむさん  貎方は私を知っおいる筈です」
    そんな筈は、ず蚀いかけた矢先、レむは思い出した。圌女は  

    「  シルフィヌド」

    「Mystic Horizon On-line䌚報コラム『颚の囁き』  シルフィヌドさん」
    間違いない、亜麻色の長い髪ずヘヌれルの瞳  みほおん䌚報コラム『颚の囁き』の担圓者ずしお写真が掲茉されおいるシルフィヌド女史

    「思い出しおいただけたしたか。真の名ではないのですが、シルフィヌドずお呌び䞋さい」
    「たさかその傷  線集郚爆発ず関係があるんじゃ他のみんなは  」
    「やはり気付かれたしたかレむさん  話さなくおはならないでしょう。Mystic Horizon On-lineの  真実を」

    䞉人は息を呑み、シルフィヌドの蚀葉に耳を傟けた。


    ――――――――――――


    「嘘だろ  蚳が分からないよ、魔術がどうずか」シルフィヌドの語る真実にレむはリアリティショックを隠せない。
    「たあ、あるかも知れぬずは思っおいたが  」犅僧が魚売りに目をやる。
    「もう䞀床敎理したしょう」圓の魚売りは党く動じおいない。

    「぀たり、アトス出版ビル  みほおん線集郚の正䜓は魔術結瀟で、爆発の原因は敵察者が送り蟌んだ黒服トルヌパヌによる襲撃  合っおるかしら、シルフィヌドさん」
    「はい、間違いありたせん  確か長老が、ドブガワ・グルヌプなる組織の名を」
    その蚀葉を聞いた瞬間、犅僧が血盞を倉えお割り蟌む。
    「ドブガワ・グルヌプ  日本最倧玚の出版メガコヌポだな。だが䜕故そのような行為を  」
    「確かに、この町でレむ君を襲った黒服ダクザずドブガワ・グルヌプの接点が掎めないのよね」
    そこにリアリティショックから回埩したレむが口を挿んだ。「接点なら、あるかも知れたせん」「どういうこずかしら」
    「ドブガワ・グルヌプはクリ゚むタヌぞの恫喝・脅迫を行っおいた過去があるんです  最近人気アニメ第二期の制䜜時に監督に圧力をかけお亀代させたずいう事件があっお」犅僧が眉根に皺を寄せる。「聞いた事があるぞ」
    「それでネットが炎䞊しお、掘り返された暗黒面が」魚売りず犅僧が続く。

    「「ダクザ・コヌポ」」

    「しかしどうする気だ、氎ず魚を操る劖術ず颚の魔術があったずおメガコヌポず戊を構えるのは無謀だぞ」犅僧が魚売りずシルフィヌドを亀互に芋る。
    「  確かにそうでしょう。しかし先に蚀った通り、私達が保管する魔術レリックは悪甚されれば䞖界に灜厄ず砎滅をもたらしたす  それに」
    「それに  」シルフィヌドの語り口に、その堎にいる皆が耳を柄たす。

    「予蚀は、垌望を瀺しおいたした  最埌の生き残りである私が為さねば」

    「アサシンの予蚀を  」圌女はレむの右手のアサシンブレヌドに觊れた。

    「アサシン  」二人の目が合う。レむは芚悟を決めたようだった。


    「「「「居るのは分かっおんオラヌ」」」」
    BLAMBLAMBLAMBLAM


    その時、恐るべき怒号ず銃声が響いたダクザ・トルヌパヌが宿を特定し、匷襲をかけたのだ

    「宿の䞭では奜き攟題できる向こうが有利だ䞍味いぞ」
    「遮蔜物が倚くおちょっず難しいわね  」
    犅僧ず魚売りは顔を芋合わせる。だがシルフィヌドはやる気だ
    「  あの皋床、私の颚の魔術で薙ぎ倒したす  」
    「無茶しないで、ただ治りきっおないでしょ」
    「仲間の仇、䞖界の敵  ンりッ  」傷が痛む

    狙われおるのはわたしたち  正確にはレむ君ず、倚分シルフィヌドさんも
    数も状況もこっちが䞍利  それなら
    魚売りは目を閉じお暫し思案し  そしお。

      『姫』  『姫』  

    静かに指で宙を叩いた。超自然の波王がモヌルスじみお走る  。


    「䞀぀手があるわ」「䜕だ」油断なく身構えおいた犅僧が振り向く

    「ボンズさんレむ君シルフィヌドさんわたしに掎たっお」
    魚売りが䞡手を䌞ばし、䞉人を抱き寄せる顔が近い
    「こんな時にどうした」「お  お姉さん」「䜕ですか」
    思わぬ行動に困惑する䞉人

    「よく聞いお。わたしの力を䜿っお皆を空間転移させるわ。そこなら奎らにも芋぀からないはず」

    「空間転移  ワヌプか䜕かの事かその様な倧それた事が  」
    「長距離転移魔術ずは  儀瀌術匏レベルの準備が必芁です、ずおも間に合いたせん」
    本職の魔術垫であるシルフィヌドは䞍可胜だず力説する  だが魚売りには秘策があるようだ。

    「確かに、わたし䞀人では無理よ  でも、『向こう偎』に心匷い協力者がいるから倧䞈倫  あ、䜕時でも来おいいっお」
    四人の足元に超自然の波王が走り、それは門ずなる

      『姫』  

    レむが声をあげた「信じたしょう  お姉さんを」
    犅僧が続く「党く只者じゃないな、気に入ったぞ」
    シルフィヌドも「貎方も  魔術垫ずいう事なのですね」

    そしお、魚売りがラむンの乙女じみた怖ろしくも神秘的なシャりトを攟぀

    「ルリャアァァヌッ」

    それず共に巚倧な超自然の泡が四人を包み蟌む
    「みんな、しっかり掎たっおおね倖に飛ばされたら戻れなくなるわよ」
    その蚀葉ず共に四人は超自然的な門をくぐりノォヌテクスじみた超垞の海域ぞず飛び蟌んでいった  


    CLAAAASH

    「「「「䜕故居ないコラヌ」」」」


    ダクザ・トルヌパヌが郚屋のドアを砎り突入する頃には、四人は圱も圢も無く、残っおいたのは皿の䞊に残された寿叞が䞀぀だけだった。


    ――――――――――――


    『圌女』は圢容し難い存圚であった。
    矎しく、劖しくもあり、芋方によっおは怖ろしく、たた別の芋方では悍たしい存圚だ。それ故に  吊、この話題は今語るべきではないだろう。

    氎底に䜇むその姿は人間の女性の劂き五䜓を持぀も魚めいおおり、たた海月めいおもあり、貝類や頭足類めいおもいる。肌は霊的に蒌癜い。
    恐らくはこの姿も本来の物ではないのだろう  人間がそれを知る術は無いだろうが。

    『圌女』が顔を䞊げた。遥か高き氎面に穎。



    「あらら  もう来ちゃった」



    【#3ぞ続く】

     
     
     
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