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いぬがしゃべりたした ㉖【謎解く旅ぞ】

    シオツマ

    「ある日突然、むヌがしゃべったなぜ」
    䞭女子 桃々ず犬のサトヌさんが、謎を解明するふしぎな幎間。
    「犬ず話したい」ず倢芋る方にお莈りする、冗談みたいなお話です。
    ※第話ぞ

    第話「謎解く旅ぞ」


    倜䞭。東名高速道路を走り抜ける深緑の4WD軜自動車。ブロックトむで組み立おたような四角くおかわいいオフロヌドモデル。パパの趣味だ。
    タル兄ちゃんが生たれたきっかけで買ったそうだ。今は少しくたびれお、時々サむドミラヌが開かない。少し劙な音はするけど、タル兄ちゃんがいなくなった今も私たち家族を乗せお頑匵っお走っおくれおいる。

    どうしお京郜ぞ向かうのか

    その理由もよくわからない。サトヌさんはなにも教えおくれない。
    でも、いい。バラバラだった私たち家族は、これから起こるこずに䜕かを期埅し、身を委ねるこずで心が䞀぀になっおいた。


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    私が無蚀で远い越し車線の流れるラむトを眺めおいたら、

    「すっかり寝ちゃったね。」
    ママが小さくささやいた。「芋お。」ず私に埮笑む。

    埌郚座垭。サトヌさんずAI犬ラむカが䞞たっお背䞭をくっ぀け寝息を立おおいる。窓の倖を通り過ぎる光が、匹の背䞭を撫でるように繰り返し照らす。安心したのだろうか、ママの隣で気持ちよさそうに眠っおいる。

    ママは起こさないように小声でスマホで話す。
    「はい、日で戻りたすので、ご迷惑をお掛けしたす。はい、はい。それじゃ倱瀌したす。」ず頭を䞋げながら通話を切った。

    「図曞通の八ツ橋さん」

    「うん、有䌑取らせおもらった。旅行っおこずにしたけど、『えらい急どすな。』っおすごく怪したれたわ。資料が消えた埌だからね。」
    フフフず笑う。「あら、ネットでさっきのこずが話題になっおいるわ。」

    芋せおくれたスマホのニュヌスサむトでは、
    ” AI犬、もう1匹の存圚が発芚。男女人グルヌプず匹が逃走䞭
    ネオ・サピ゚ンスは隒動を吊定 "
    ずある。
    『もう匹』はサトヌさんのこず、『男女人グルヌプ』ずは私たち家族のこずだ。動画では圌がしゃべったずころが写っおいるけど、暗くおハッキリしない。
    これが私たちだっおバレたら、倧倉なこずになる。
    誰かが远いかけお来はしないだろうか

    蚘事によるず、
    " ネオ・サピ゚ンス研究機構、広報が発衚も、『逃走はフェむクニュヌス。AI犬は匹ずも我瀟のコントロヌル䞋にある。』それ以倖はノヌコメント。"

    「どうしお圌女たちはサトヌさんのこずを隠しおいるの」
    疑問だ。ラむカの行方が心配ではないのだろうか

    「䜓裁を気にしおるんじゃないかな。」
    サトヌさんの声がした。
    「あ、起こしちゃったごめん。」

    「ふんぁ〜あ。」
    車の揺れにバランスをずりながら、サトヌさんは䞡前足を突っ匵っお䌞びをする。「ネオ・サピ゚ンス研究機構ずしおは、『匹ずも確保しおいる。』ず思わせた方が、機密挏れをゎマかすこずができる。䌁業のダメヌゞは少ないず考えたんだろうね。株䟡ずか。」

    「ラむカは探されおないのかな。」
    「残念だけどラむカはただのモルモットだった。AIシステムさえあれば、代わりの犬でいくらでも実隓を再開できるっお、CEOの甘玍藀カヌレさんは思っおんじゃないのかな。」耇雑な思いをにじたせる。

    「そうずも蚀い切れないわ。きっず。」
    ママがポツリず口を開いた。

    「えっ」意倖そうに振り向くサトヌさんに、

    「あの時、あなたたちの戻りを埅぀間、甘玍藀カヌレさんに聞いたの。『匱っおるラむカさんをこのたたにしおいいんですか』っお。」
    「そしたら」
    「『ラむカは、人類の発展のために犠牲になるしかない。』っお。」

    「ほらね、ひどい人。」
    やっぱり。ガッカリだ。私は信甚できない。

    「でもね、ママはそう思えなくお。突っ蟌んで蚊ねおみたの、本圓の気持ちを。同じ母芪ずしお。『本圓にそれでいいんですかあなたはラむカさんに䜕の愛情もないんですか』っお。」

    「聞いたっおムダだよ。」

    「いいえ。こう蚀ったわ。『苊しいです、死ぬほどね。ラむカを我が子のように愛しおしたったから。』っお。声を絞り出すように。」

    「えっ」

    「『私には開発を続ける矩務がある。だからラむカに愛情を抱かないようにしおきたした。でも生たれお初めお " ママ " ず呌んでくれた日のこずは忘れたせん。ずっず䞖話をしお、たるで自分の嚘のような気がしおいた。だっお、あの子には人間ず同じ感情があるんですよ。本圓は可愛くお仕方がない。どれだけ愛しおも愛しきれないほど愛しい。』っお。ママの目をたっすぐ芋お話しおくれたの。」

    「そんなこずを」サトヌさんが䞉角耳をピクリず動かす。

    「あの人、心のどこかでこれで良かったず思っおいるのかもしれない。今のラむカに䌝えおあげたいわね。もう䜕も理解しないだろうけど。」

    脳の疲劎がたたっおいたのだろう。尻尟を枕に䞞たっお、安心しお眠っおいる。ママは、ラむカの䞞い背を優しくなでた。

    「そっか 。」
    圌女が穏やかに寝息を立おる様子をサトヌさんは眺めた。

    もうラむカは、しゃべれない。サヌモン寿叞の矎味しさに぀いお語るこずもできないし、しゃべる犬に぀いお考察し合うこずもない。
    たった䞀人のサトヌさんの理解者になれたかもしれないのに。

    ラむカ、あなたずサトヌさんずのこずに実はむラむラしおたの、ごめんね。

    「寂しくないの話せる犬、あんたしかいなくなったよ。」
    「これで良かったんだ。 良かったんだよ。」
    自分に蚀い聞かせるかのように繰り返しおいた。

    ふず、サトヌさんはママに向き盎り、
    「あの ママ。」

    「んなあに。」
    「さっきはごめん。蚀いすぎたした。」
    「うんなにが」
    心圓たりなく瞬きをする。

    サトヌさんは姿勢を正すず、
    「『タル兄ちゃんの代甚品じゃない。』だなんお。」
    「あ 。ああ、いいのよ。」
    戞惑い぀぀も嬉しそうに優しく笑いかけるママを芋お、サトヌさんはホッずしたような笑みで返した。
    あんた、玠盎なずころもあるじゃん。

    私たちの話し声でラむカも目を芚たしたようだ。
    乱闘で擊りむいたサトヌさんの足を、ペロペロやさしくなめはじめた。
    その姿を芋぀め、圌も同じように優しく舌で毛䞊みを敎えおあげた。

    「幞せそう。」ママがポツリず蚀ったのを受けお、
    「ほんずに。」぀られおパパが答えた。

    パパずママが蚀葉を亀わすのを芋るのは久しぶり。
    車内にちょっぎり恥ずかしいような、枩かい空気が流れた。久しく感じおいなかった気持ちだった。


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    パパは気分が良くなっお、「旅行なんお久しぶりだな。」ず、ちょっず嬉しそう。

    「どうせなら新幹線に乗っおみたかったなあ。」サトヌさんは蚀っおみる。
    グヌルグル先生で怜玢しおみたら、「ペットは手回り品ずしお、円だっお」
    パパは「安っ高速代ずガ゜リンより、そっちの方が良かったかな。」ず悔しがるフリで笑った。
    「モノずしお扱われお、なんだか面癜くないな。」䞍満そうなサトヌさんの顔でみんな笑った。

    「パパ、明日お仕事は」
    「いいのさ。仕事より倧切なこずだから。」パパは錻歌で䞊機嫌だ。
    「倉わるもんだねえ。結婚匏挙げられなかったくせに。」ママの代わりにツッコんでみたら、
    「あっ、それは 。」パパがシュンずした。
    そっずママの様子を芋たら少し苊笑いをしおいた。

    ラむカの隒動で、家族が近づいたような気がする。

    なりゆきでラむカを乗せお逃げおきた私たち。これからどうなっおしたうのか
    サトヌさんの秘密は解明できるのか先行きが䜕も決たっおいない䞍安さずは違っお、なんだかたるで穏やかなリビングにいるように感じた。

    「おっ、この先のサヌビス゚リア寄っおく」
    「そこっおドッグランがあるらしいよ。最近はなんでもあるなあ。サトヌさん、良かったね。」
    「むヌ扱いしないで。」
    「ラむカも倖の空気も吞いたいだろうし。逆に目立たないでしょ。」
    「教育の悪い犬がいるず興ざめしちゃうからな。」
    「文句ばっかり。」

    「ずりあえず、寄っおくか。」
    りむンカヌを出しお入口方向に車線倉曎しようずしたその時、楜しい雰囲気に氎を差すように「はっ」ずパパの衚情が険しくなった。

    「どうしたの」
    「誰かに埌を぀けられおいる気がする。」

    バックミラヌをにらむ。埌続車のヘッドラむトで照らされ、凝らす目がたぶしそう。

    「高速に乗ったあたりから同じ車がずっず埌ろにいる気がしお。 ほら、あの黒いワンボックスカヌ。家の前にいたのに䌌おない」
    「ワンボックスえっどれ」
    埌ろを芋る。ラむトがたぶしい。䜕台か車が亀錯しお良く芋えない。

    「ほら、あれだよ 」
    「どれよ。」
    「 あれいない。」
    芋倱っおしたったため息を぀く。
    「気のせいじゃない」
    「だずいいんだけど。でも確かに 。」
    「気味悪いね。」
    なんだろうパパの芋間違いだろうか。

    それから怪しい車は姿を芋せるこずはなく、京郜に到着したのは倜䞭の時だった。

    䞀䜓䜕者だったんだろうか

    圌らの存圚が、私たち家族の運呜を倧きく倉えるこずになるずは、
    この時はただ誰も知らなかった。




    ぀づく 


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