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ほぼ100文字怪談 まとめ7

    もりとき

    Xアカウントで毎日更新しているほぼ100文字怪談のまとめです。


    【ほぼ100文字怪談_61】

    夕方、洗濯物を取り込んでいたら、ズボンのポケットに何か入ってた。
    探ってみると、灰色の砂粒みたいなのが入ったガラスの小瓶が出てきた。小瓶には「聖子」って手書きのラベルが貼られている。
    聖子って、俺の死んだ母親と同じ名前なんだけど、これ何?


    【ほぼ100文字怪談_62】

    なんとなくまだ寝たくない夜、ソファに横になってテレビを見てたらウトウトしてきた。
    テレビから「今日はあなたの死後の世界からお届けしています」と聞こえた気がした。
    テレビを見たら、画面には無表情のおじいさんが映ってた。


    【ほぼ100文字怪談_63】

    毎朝、パンを焼くのが私の日課。
    オーブンからいい匂いが漂ってくる。焼き上がりを知らせる電子音。オーブンの扉を高揚感とともに開ける。
    こんがり焼けたパンの表面に「たすけて」と読める焼け焦げがあった。
    パンの断末魔に思えて、すごい罪悪感。


    【ほぼ100文字怪談_64】

    この物件、出るんだよ。だから今、引っ越し中。
    荷物を全部運び出して、やっとこの部屋からもおさらばだ。念のため、忘れ物がないか確認する。
    「まだいるのぉ?」
    部屋の隅で膝を抱えている猿みたいな影にそう言われて、俺はそそくさと部屋を出た。


    【ほぼ100文字怪談_65】

    私が住んでいる所は地域猫が多い。
    猫たちはとある空き家の前で立ち止まり、空き家をじっと見ている。猫たちの様子に私も気になって、空き家の前で立ち止まった。
    カーテンの破れた窓の向こう、薄闇の中を四足歩行の人間が素早く這い回っているのが見えた。


    【ほぼ100文字怪談_66】

    小学校のときの不思議な話。30年くらい前だよ。
    喉が乾いて、水を飲もうと水道の蛇口をひねったんだ。
    そしたら水が出なくて、水道から女の人の声で「こっちへおいで……」って聞こえた。
    俺が思わず「どっち?」って聞いたら、やや沈黙して、水が出てきた。


    【ほぼ100文字怪談_67】

    妻の淹れたコーヒーを飲みながら新聞を読む。長年続く私の習慣だ。
    お悔やみ欄を見ていて、違和感があった。私は昨日の新聞を取り出す。さらに一昨日、一昨昨日……と遡る。
    お悔やみ欄に、毎日同じ名前が載っていた。
    よほど誰かに知らせたいのだろうか。


    【ほぼ100文字怪談_68】

    町内の人はいつもぼくたちの登校を見守ってくれます。
    自販機に「見てるよ」、家のへいに「見てるよ」、電信柱に「見てるよ」、校門に「見てるよ」って書いてあります。
    今日はぼくの机にも「見てるよ」って書いてありました。
    いつもありがとうございます。


    【ほぼ100文字怪談_69】

    アパートを出たところで、待ち伏せてたおっさんに急に怒鳴られた。
    「お前の女房か彼女か知らねぇけど、いつも窓からこっち見てて気持ち悪いんだよ、何とかしろよ!!」
    ひとり暮らしだし、奥さんも彼女もいないし、怒られるし。
    俺の方が何とかしてほしい。


    【ほぼ100文字怪談_70】

    修学旅行の夜。気配を感じて起きたら、隣で寝てる奴が何度も起き上がったり寝たりを繰り返してた。
    マジでうざい、気になって眠れない。夢遊病なの?

    翌朝、隣の奴に文句を言ったら「お前が夜中に寝たり起きたりしてたんだろ」って返された。



     
     
     
    誰かがぽつりと語ったような短い創作怪談をメインで書いてます。 noteに1500〜2500字の怪談を、YouTubeでは怪談を自動音声で読み上げる動画も公開してます。 最新情報はX(@moritoki_kaidan)にてお知らせします。

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