メインコンテンツへスキップ
見出し画像

ほぼ100文字怪談 まとめ3

    もりとき

    Xアカウントで毎日更新しているほぼ100文字怪談のまとめです。


    【ほぼ100文字怪談_21】

    毎年この日に、友人から必ずメールが届く。
    「川の水が、冷たい」
    飲み会の帰りに川に落ちて亡くなった友人からだ。
    お前まだ、川の中にいるのかよ。今年でもう7年目だぞ。


    【ほぼ100文字怪談_22】

    近所にある空き家の塀に穴がある。その穴を覗くと未来の自分が見えるって噂があった。
    試しに覗いてみたら、雑草の伸びた庭に人骨が転がってた。
    そりゃ、未来は必ず骨になるよなぁ。


    【ほぼ100文字怪談_23】

    毎朝乗るバス。いつもスクールバッグだけが置かれている席がある。
    どれだけ混んでいてもその席には誰も座らず、誰も文句を言わず、バス会社に回収もされず。まるでそこに誰かが座っているみたい。
    僕にだけ見えないのかな?


    【ほぼ100文字怪談_24】

    金曜日の夜。
    横断歩道では私だけが信号待ちをしていた。
    信号が青になる。進む。
    向かい側からぺたぺたと足音。
    私のパンプスの音と、足音が、すれ違う――。

    横断歩道を渡り終えて振り向いても、やっぱりそこには誰もいなかった。


    【ほぼ100文字怪談_25】

    気持ちのいい晴れた春の日。
    散歩をしていたら、ふと目に入った家の壁に15センチくらいの耳が生えてた。
    驚いて窓から見える障子を見てみたけど、さすがに目はなかった。
    壁に耳あり、障子に目なし……。


    【ほぼ100文字怪談_26】

    住宅街の細い道を宅配便のトラックが徐行しながら進む。
    道の隅に避けてやり過ごすと、トラックの上にサラリーマン風の男がしがみついてた。
    俺を見て、男はいやらしくニヤァと笑い人差し指を口元に添える。
    まるで秘密の合図のように。


    【ほぼ100文字怪談_27】

    肝試しに行ったら、幽霊に左腕を噛まれたって言うD君。
    噛まれた跡があるって出した腕に、赤い点線みたいなのがうっすらある。
    友達は「嘘だろ」って笑うけど、僕は本当だと思うな。
    だってD君の影に、左腕がないもん。


    【ほぼ100文字怪談_28】

    昔、彼女が言っていた。
    「空が鳴ると、誰かが消えてしまう合図なの」
    1ヶ月前、空からピアノのような音が聞こえたと思ったら、彼女は消えてしまった。
    僕以外の人の記憶からも、存在の記録も、すべて。
    また空が鳴ったら、今度は僕を消して欲しい。


    【ほぼ100文字怪談_29】

    あたし、霊感体質なんだよね。
    授業中に脚をペロペロ舐められた。去年死んだペットのココア(ミニチュアダックス)が来てるのかな〜って思って見たら、おっさんの幽霊があたしの脚舐めてた。
    キモッて思って蹴っ飛ばしたわ。おっさん吹っ飛んでったよ。


    【ほぼ100文字怪談_30】

    三叉路の道の脇に、忘れ去られたような小さなお地蔵さんがいた。私は何気なく手を合わせて帰路につく。
    それからこのお地蔵さんの道に戻ってきてしまうのは6回目。
    おばあちゃんに「道にあるものを何でも拝むんじゃないよ」って注意されたのを思い出す。



     
     
     
    誰かがぽつりと語ったような短い創作怪談をメインで書いてます。 noteに1500〜2500字の怪談を、YouTubeでは怪談を自動音声で読み上げる動画も公開してます。 最新情報はX(@moritoki_kaidan)にてお知らせします。

    あなたへのおすすめ