
「自由」って、よくわからなかった
「自由にしていいよ」
そう言われるたびに、戸惑っていた。
自由にしていい、自由に選んでいい。
わかっている。
でも、どうすればいいのかわからなかった。
ワクワクするものが、見つけられなかった。
50年という年月が、私の役割を決めていた。
母として、妻として、職場の一員として。
その役割をこなすことが「当たり前」で、
当たり前の中で生きてきた。
それは別に、考えるほどのことでもないと思っていた。
そんな私を変えたのは、
ある人との出会いだった。
その人は言った。
「すべてのことに感謝しなさい」と。
最初は、正直よくわからなかった。
でも、やってみた。
朝、目が覚めた。
それだけで、感謝できることだと気づいた。
一日を無事に終えられた。
それもまた、当たり前じゃなかったと気づいた。
毎日が感謝に値することで、あふれていた。
そうしたら不思議なことに、
心が喜ぶことが、少しずつ見えてきた。
これが私の「自由」だったのかもしれない。
何かを手に入れることじゃなかった。
どこかへ行くことでもなかった。
今ここにある、小さなことを喜べること。
それが、50代になってやっと見つけた自由だった。