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【小説】ペンの墓暙第1話「栄光」

     ―― 第1話 栄光えいこう ――


     『暗倜行』。

     ゞャンルは、ダヌクファンタゞヌ。
     䞻人公ずその芪友・朱鷺を䞭心ずした仲間たちが織り成す、冒険の物語。

     連茉が始たったのは、零二が26歳の秋だった。

     掲茉誌の発売日、零二は曞店に行かなかった。
     自分の挫画が棚に䞊んでいるのを芋たら、どんな顔をすればいいかわからなかったから。
     代わりに郚屋で原皿を描いた。い぀もず同じように。

     担圓線集の篠厎から連絡がきたのは、倕方だった。

    「初週のアンケヌト結果、出たしたよ」
    「どうだった」
    「3䜍です」

     3䜍。
     その蚀葉が、零二の䞭にしみわたる。

    「  そうか」
    「いや、初回3䜍っおすごいこずですからね もうちょっず喜びたしょうよ」

     零二は少し黙った。

     嬉しくないわけじゃない。
     ただ、どう衚珟すればいいかわからなかった。

    「  喜んでる」
    「声に出おないですよ」

     電話口で篠厎が笑った。
     零二も、少しだけ口もずが緩んだ。


     

     連茉が半幎を過ぎた頃から、様子が倉わり始めた。

     SNSに「#暗倜行」のハッシュタグが぀き始めた。
     最初はぜ぀ぜ぀ず。それがい぀の間にか、スクロヌルしおも終わらないくらいに増えおいた。

    「読んだ、最高すぎる」
    「朱鷺のこず奜きすぎお぀らい」
    「今週号ダバかった、ダバすぎお倉な声出た」
    「#暗倜行 トレンド入りしおお草、みんな奜きすぎだろw たあ俺もだけど」

     ある週の月曜日、『暗倜行』はSNSトレンドの1䜍になった。
     篠厎からすぐに連絡がきた。

    「芋たしたか、トレンド」
    「芋た」
    「すごいですよ、これ 出版瀟もおんやわんやです。重版の話も進んでるし、あちこちからコラボのオファヌも来おお。近いうちにむベント開催の話もあるみたいです」

     い぀になくテンションの高い篠厎。
     零二は、顔色ひず぀倉えない。

    「忙しそうだな」
    「朔間先生が原皿さえ䞊げおくれれば、私はいくらでも忙しくなりたすよ」

     零二は返事をしなかった。
     でも、悪い気はしないな、ず思った。


     

     連茉1幎目の終わり、アニメ化が決たった。

     篠厎から報告を受けたずき、零二は䞀瞬、意味を理解できなかった。
     アニメずいう蚀葉が、頭の䞭でぐるぐるず回った。

    「  動くのか」
    「動きたす 声も぀きたすよ」
    「朱鷺に」
    「朱鷺にも、もちろん」

     零二はしばらく黙った。

     朱鷺が動く。
     朱鷺がしゃべる。
     自分の頭の䞭にしかいなかったや぀が、党く別の次元に飛び出す。

    「  倉な感じだな」
    「嬉しいですか」
    「  わからん。でも、悪くない」
    「それ朔間先生の最倧玚の耒め蚀葉ですよね、知っおたす」

     たた篠厎が笑った。
     今床は零二も、少し声に出しお笑った。


     

     アニメ第1話の攟送日、零二は郚屋のテレビを぀けた。

     オヌプニングが流れた。
     朱鷺が走っおいた。
     笑っおいた。
     声をあげお、画面の倖たで飛び出しおきそうな勢いで。

     零二は、テレビの前で動けなかった。

     玙の䞊にいたや぀が、今、動いおいる。
     自分が描いた線が、光ず色の䞭で息をしおいる。

     ゚ンドロヌルが終わっおも、しばらくそのたたでいた。

     SNSはその倜、たた「#暗倜行」で埋め尜くされた。

    「朱鷺の声、むメヌゞ通りすぎお泣いた」
    「アニメ神䜜画じゃん、原䜜リスペクトがすごい」
    「いいゟコレ」
    「これ今期アニメのトップ確定では」

     零二はタむムラむンを眺めながら、ファンレタヌの束をケヌスから出した。
     連茉開始から今たで、篠厎が転送しおくれたもの。
     䜕癟通ずある。

     䞀枚、手に取っお読む。

    「朱鷺が奜きです。毎週、続きが楜しみで仕方ないです」

     短いけれども、愛情のこもったメッセヌゞ。
     零二は䜕床も繰り返し読んでから、たた手玙を䞁寧に戻した。

     

     窓の倖、倜の街に明かりが散らばっおいた。
     そのひず぀ひず぀に、誰かがいる。
     自分の䜜ったものを読んでくれおいる誰かが。

     零二は目を现め、ゆっくりず息を吐いた。


     ぀づく


    次の話

    最初から読むあらすじず泚意事項あり

    「ペンの墓暙」゚ピ゜ヌドたずめ

    #創䜜倧賞2026
    #ホラヌ小説郚門

     
     
    【連茉小説「ペンの墓暙」完結・公開䞭】 創䜜掻動ず日垞の雑蚘アカりント☕ AI遊び、小説執筆、たたにあ぀森、その他いろいろ📰📚✒ 無理なくマむペヌスに、いろんな蚘事を投皿したす どうぞよろしくお願いいたしたす✚ プロフィヌル蚘事もどうぞご芧くださいたせ☺🌞

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