
わたしの夫は漬物石。似てないふたりが一緒にいる理由
最近、読んでいる本で面白い一節を見かけた。
私はコミュニティに属していた方が楽しく安心して生きていけるんだけど、そういう意味で一番心地よくてフル回転で付き合えるのは女友達。でも、フル回転できる価値観の同じ相手とばかり一緒にいると、どうしても偏ってしまう。クローン人間じゃないけど、育ちとか考え方とかが自分と似た人ばかりのコミュニティって、そこに多様性はないんですよ。
ところがパートナーと私は、価値観から何からまるで違う。生まれた場所も育った環境も、趣味も何もかも。だからこそ、偏った集団に居続けて傲慢になった私の考えに一石を投じてくれるときがある。私がイキらないための重しでもある。だから漬物石。別に最初から漬物石を探し求めたわけじゃないんだけどさ。今までつき合ってきた人の中で、こんなにケンカする人もいなかったし。
(ジェーン・スーさんの言葉)
こ、これこそまさに、わたしが夫と一緒にいる理由や……!
こんなにうまく言語化してくれるなんて、さすがスーさん!!!
🌷
わたしはいわゆる友達が多くて陽キャ気質なんだけど、夫くんは狭く深いコミュニティを大事にするタイプで、めちゃくちゃ明るいキャラというわけではない。
性格も全然違うと思う。
彼は絶対に締め切り前に終わらせておくタイプで、何事も後回しにせず着手が早い。わたしはその逆で、お尻に火がつかないと頑張れない女。
好きな言葉は「着手したら、半分終わったようなもの」です。
趣味に関しても全然一致してない。
わたしは登山を愛していて、彼はゴルフを愛している。
(ある意味共通しているのは、どちらも1日がかりで楽しむものであることくらい)
メルボルンに来る前(息子・こびさんが生まれる前)は、お互いに趣味に狂っていたので、休日はほぼ一緒に過ごすこともなかった。知り合いからは「全てをやり終えた老夫婦みたいな過ごし方しててスゴい」と褒められてんだか、けなされてるんだか分からないコメントを頂戴していたほど。
そんなわたしたちだけど、同棲7年半(長すぎた)を経て結婚し、メルボルンにやってきて、こびさんが生まれてからケンカは挟みつつも、それなりに仲良く過ごしているんだと思う。
「お互いのどこに惹かれて一緒にいるの?」
そう聞かれるたびに、「お互いが全然違うから面白いんだよね」くらいにしか答えてなかったし、実際互いが持ち合わせていないものを補完し合うにはいいコンビだと思っていた。
とはいえ、夫の前に付き合ってきた方々はみんな自分に似た属性の人ばかり。てっきり自分と似たタイプと結婚した方が幸せだと思っていたが、わたしの場合、実はそうではなかったらしい。
交際期間が長い人も多かったけど、結果的に全員と別れてしまったから、たとえ互いが似ていたとしても、何かどこかでうまくいかなくなるのだった。
スーさんがこの本で書いていた先ほどの言葉を借りると、
価値観の同じ相手とばかり一緒にいると、どうしても偏ってしまう。クローン人間じゃないけど、育ちとか考え方とかが自分と似た人ばかりのコミュニティって、そこに多様性はないんですよ。
偏った集団に居続けて傲慢になった私の考えに一石を投じてくれるときがある。私がイキらないための重しでもある。だから漬物石。
まさに、太字部分に激しく同意しかない。
この本を読んで、ちょっとズレるけど、わたしが彼と付き合うことになった、些細なきっかけを思い出した。
わたしと彼は新卒で入った会社の同期なのだが、入社して半年がたったころ、指導員の(今思えばどう考えてもパワハラすぎる)指導にめげそうになっていたことがあった。
実際、自己肯定感も消え失せ、本当にどん底にいたわたしは周囲にいた人たちに相談というか、泣き言をこぼすことが増えていた。
多くの友人たちが「十分頑張ってるよ、だから無理せずね」と温かい言葉をかけてくれた一方で、当時ただの同期でしかなかった彼は、わたしの話を全て聞き終えると一言。
「辛いのは十分わかった。で、XX(わたしの名字)はどうしたいの?このまま言われっぱなしでいいん?」
このとき、厳しいけど前向きな言葉をかけてくれたのが、ものすごく印象に残った。
彼の当時の本心は知らないけど、たぶん適当に受け流せばいいやって思ってる人からはこんな発言でないと思う。
めんどくさいのは分かっていながらも、目の前で苦しむわたしのことを本気で考えた末に言ってくれた一言のように感じたのだ。
わたしだって、頭では分かっていた。
このままじゃ嫌だ、負けたくない。
けど、向き合う方法も打ち勝つ術も分からなかったし、日々泣き言を言うだけで、肝心の現実から目を逸らしてしまっていたのは事実だった。
良薬は口に苦し。
ものすごく耳が痛い言葉だけど、当時のわたしが前を向くためには、確実に必要としていた言葉と考え方だったように思う。
この時から、「彼は、安易に適当な受け流しをせず、本当にわたしのことを考えて、それがわたしのためになるのであれば、あえて嫌なことでもちゃんと言ってくれる人なんだ」という想いが芽生えた。
ちなみに、その姿勢は今に至るまで一度も変わったことがないように思う。
頭では分かっていても、目先の楽さにかまけて、相手にとって本当は必要であろうけど、耳が痛いセリフをあえて言うことを何度も避けてしまったことがあるわたしからしたら、とてもスゴいことだと思う。(今は、彼の姿勢を見習って、言い方を考えながらも、相手に必要だと思うことを伝えるようには心がけているつもり)
話がなんだか思い出話に逸れてしまったので、戻しましょう(照)。
つまり何が言いたいかというと、価値観も性格も違うパートナーと出会えて一緒にいれることは、ものすごく人生にとって大事なことなんだと改めて実感した。
いつも一緒にいて楽しく、価値観が似ている友達に恵まれているからこそ光る、漬物石としての夫(褒めてるのに褒めてるように聞こえない、ごめん)。
一緒にいてもう10年近くになるし、ドタバタの育児劇場を過ごす日々なので、ちょっとしたことへの感謝が薄くなりがちだけど、今日は隣で寝ているその横顔にちょっとだけ、「いつもありがとう」を小声でささやいて寝ようかな。
彼は、わたしの漬物石。
じわじわと、いい味を出してくれる人。
これからも、よろしくね。
今回は夫を褒め称える(?)内容でしたが、もちろんケンカもするし、モヤっとしたことを過去のnoteには正直に書いてます!(笑)
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