
Precious Story✴唯一無二の存在になるなんて✴③
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ともくんに対する印象は、決して悪くなかった。
ボウリングで勝ったらキスしてって言われた時はびっくりしたけれど
実際は指一本触れる事もなかったし
何より居心地が良かった。
けれど、当時の私はまだ少し
元彼が心の中にいたんだよね。
でも未練があるとか元サヤになりたいとか
そこまで追い詰められている訳ではなく
ただただまだ心の中に残っていた。
そんな気持ちでともくんとお付き合いする事は
失礼かなと考えた。
だから、1週間考えた上で
お友達でいたいって返事をしたんだよね。
合いてる日時を聞いて、電話で。
でも、いかにも暗い雰囲気で
ごめんなさいを伝えるのではなくて
まだ知り合って浅いけれどその中で知った
ともくんの見習いたいと思ったところ
居心地の良さも併せて
明るく笑顔で伝えた。
おかげで電話をしている時は
気まずさや重い沈黙はなく
良い雰囲気でお話ができたと思う。
ともくんは
『俺、普段電話ってしなくて。
こんなに長い時間、楽しく話せた事ってないよ。』
って言ってくれた。
お友達としてまた会おうって約束はしなかったけれど
笑顔で電話を切った。
ともくんと出会って
少しだけだけど時間を重ね合ったこと
告白してくれて嬉しかったけれど
お友達でいたいと決断したこと
後悔はなかった。
季節は秋、間もなく師走を迎える頃の出来事だった。
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その後は連絡を取る事はなく
新年を迎え、数日が経過したある日。
【明けましておめでとう。今年もよろしくね。
たまには構ってね。】
って、ともくんからメールが来たんだ。
お友達でいたいのは私の希望だったけれど
ともくんは違うかもしれないって考えていたから
メールが来た時はびっくりしたし
新年の挨拶をしたいと思ってくれたんだなって
嬉しくなった。
【もちろん、また会おうね】
って返信した。
それからまた数ヶ月が経ち
心の中にいた元彼もすっかりいなくなり
フリーダムな気持ちでいたある日、
【久しぶり。元気かな?
もうすぐゴールデンウィークだね。
もし会える日があったら
映画でも観に行かない?】
ってともくんからメールが。
久しぶりに会って話したいなって
素直に思った。
すぐに返信してやり取りをしたけれど
見事にタイミングが合わず
ゴールデンウィークは会えなかったんだよね。
でもゴールデンウィーク明けの土曜日に
タイミングが合って。
また車を出してくれる事になり
久しぶりの再会、ドライブデート。
気まずい雰囲気等は一切なく
お互い笑顔で過ごした。
映画のチケットを購入するために並んでいた行列も
楽しくて。
ドライブ中、ものすごい渋滞にハマってしまったけれど
ともくんはイライラする事なく
『ねぇ、しりとりしない?
でもただしりとりをするんじゃなくて、
最初からやり取りしたしりとりをずーっと言っていくやつ。』
って提案してきた。
しりとりが長く続くと記憶が曖昧になって
まるで試験勉強をしているような錯覚になった。
でもすごく楽しくて渋滞が気にならなくて
あっという間に時間が過ぎた。
穏やかな人だなぁ。
改めて思った。
再会の途中から、私、確信した。
私、ともくんに恋をしたんだ。
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