椎骨動脈解離で入院して No.9|初めて「退院」という言葉を聞いた
※ここからは回想録です。
実はこのあと、いろいろあって(笑)、当時は続きを書けなくなってしまいました。
酷い頭痛で脳外科を受診し、椎骨動脈解離と診断されてから17日目。
昨日受けたMRIとMRAでは、大きな変化はないとのことだった。
そして先生から、
「退院に向けて、少しずつ身体を動かしていきましょう」
と言われた。
さらに、
「来週の検査結果が良ければ、退院できますよ」
ついに出た。
待ちに待った、
「退院」
という言葉。
嬉しかった。
ずっとベッドの上で過ごしてきた私に、ようやく出口が見えてきた。
仕事は長く休むことになった。
入院だけでなく、退院後もしばらく自宅で過ごす予定だったからだ。
それでも、
「家に帰れる」
というだけで十分だった。
私の場合、脳梗塞などの症状があって救急搬送されたわけではなく、受診のきっかけは頭痛だった。
手足の麻痺もない。
意識もはっきりしている。
だからこそ、安静にしてベッドで過ごす時間は、とても長く感じた。
時間だけは、たっぷりある。
その結果、私はインターネットで自分の病気について調べまくった。
そして、
安心したり、
怖くなったり、
また安心したり。
毎日、一喜一憂していた。
今思えば、素人の私がインターネットで集めた情報を、自分の状態に当てはめようとしていたのだと思う。
「これは私にも当てはまる?」
「私は大丈夫?」
「また悪くなることはない?」
知りたいのは結局、いつも同じことだった。
私は、この先どうなるんだろう。
入院した頃に比べれば、死への恐怖はずいぶん小さくなっていた。
でも今度は、
「また何か起きるんじゃないか」
という不安が出てきた。
喫煙してきたこと。
お酒を飲んできたこと。
中学生の頃から頭痛があったこと。
今回の解離も左側だったこと。
「あれも関係あるのかな」
「これも原因だったのかな」
いろいろなことを結びつけて考えた。
当時の私は、自分の生活を振り返って、
「自業自得なのかもしれない」
とまで思っていた。
でも、本当の原因が何だったのかは、私にはわからない。
ただ一つ確かなのは、
このときの私は、
もうすぐ退院できると思っていた。
来週の検査が良ければ、家に帰れる。
そう信じていた。
この先、先生からもう一度、
「退院できません」
と言われることになるなんて、
このときの私は、まだ知らない。
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「この検査結果が良好なら退院」のはずだった
