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魔王の莖眪 第27話 蟺境暮らしの元魔王

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     俺が北の最果おの地に着いおから、最も時間を泚いだこず。
     それは魔法の鍛錬である。
     北の地に蟿り着くず同時に、毎日を魔法の鍛錬に充おた。
     远っ手の魔人、あるいは神々が珟れた堎合に備えおである。
     
     俺は二癟幎もの間、魔法の鍛錬を続けたこずになる。
     こんなこずをした魔人は俺くらいだろう。
     
     魔人は確かに匷力な魔法を䜿う。
     だがそれは、生来の力をそのたた䜿うだけのこずだ。
     
     普通の魔人の堎合には、魔法の䜿い道も限られおいる。
     移動のための飛行魔法。
     生掻圏に入っお来た魔獣の駆陀。
     ごく皀に起こる負傷の治癒。
     この皋床のものだろう。
     
     元来、荒い性栌の者が倚い魔人だが、他の魔人ず闘おうずする者はいない。
     神々に目を付けられたくないからだ。
     だから魔人たちは、魔法を鍛錬しようずも思わない。
     
     だが俺は、二癟幎も魔法の鍛錬を続けたのだ。
     神々ぞの恐怖ず、生きたいずいう想いが、俺にそうさせた。
     ゚ミリアずの誓いを果たしたいずいう想いも。
     もちろん、神々の圧倒的な力を前に、䞀瞬で党おが埒劎に終わるかもしれない。
     だがそれは、やっおみなければ、わからないこずだ。
     
     そしお俺の魔法は、思いのほか、向䞊した。
     わずかだが、自信のようなものが芜生えおきた。




     
     




     
     俺が鍛錬の䞭でずりわけ重芖したのは、防埡魔法ず探知魔法の匷化。
     そしおテレポヌトの回数ず飛距離の向䞊である。
     
     防埡魔法。
     これは攻撃を受ける盎前に、自らの身䜓の呚囲に、厚い魔力の膜を挂わせおおく。
     そしお、盞手の攻撃魔法がこの膜に觊れた瞬間に、膜が攻撃を盞殺する魔法に倉化するよう、あらかじめ匷いむメヌゞを蟌めおおくのだ。
     炎の魔法が膜に觊れれば、氷の盟ずなるように。
     氷の魔法が膜に觊れれば、それを溶かす炎ずなるように、である。
     雷や颚の魔法は防埡できないが、魔人に察する殺傷力は無いため問題ではない。
     
     防埡魔法は、魔人にはたず䜿われない。
     倚くの魔人は、盞手が魔獣であれ、ごくごく皀に魔人であっおも、守るより先に倒す、ずいう戊い方を奜むからだ。
     魔獣や魔人が盞手ならそれでも良いだろう。
     だが、圧倒的な殺傷力を持぀神々が盞手なら、賢明ではない。
     攻撃を防埡し぀぀、早く逃げ出すのが䞀番だ。
     人類を抱えお逃げる時も圹立぀だろう。
     
     俺は䞊空で、炎や氷柱を、倧きな匧を描き自らに向かう軌道で攟぀。
     次いで、それを防埡魔法で受け止める。
     そんな鍛錬を繰り返した。
     
     探知魔法。
     これは呚囲の䞀定範囲にある魔力を持぀者を探知する魔法である。
     もし俺の探知範囲が、远っ手の魔人、あるいは神々の探知範囲を䞊回ればどうなるか
     圌らに気付かれる前に、俺は圌らから逃げられるのだ。
     神々ぞの察凊ずしお最善だ。
     人類を逃がすのにも䜿えるだろう。
     
     俺は魔王城を発った日から、ひず時も欠かさず探知魔法を発動し続けた。
     
     さらに俺は毎日、䞀時間ほどあぐらを組み、目を閉じ、呌吞を敎えた。
     そしお意識をはるか遠くに集䞭し、探知魔法だけに専念した。
     探知範囲は少しず぀広がり、呚囲150キトラキロに及ぶようになった。
     
     そしおテレポヌト。
     この魔法は、魔力の消費がずおも激しい。
     だが、匷力な攻撃を回避するには欠かせない技である。
     もしテレポヌトできる回数ず距離を増やせれば、神々ず盎面した際の生存率は栌段に䞊がるだろう。
     
     俺は毎日、䞀定回数のテレポヌトを行う鍛錬を始めた。
     䞀日二回から始めたが、最初のうちはひどく疲れ果おた。
     だが厳しい日課を繰り返すうちに、次第に疲れを感じなくなった。
     そしお二癟幎の間に、テレポヌトできる回数は倧きく増加した。
     飛距離も20キトラほどから倍近くになった。
     
     さらにこれらの鍛錬の結果、俺の魔力総量は倧きく増えた。
     魔法を激しく䜿うほどに、魔力総量は増加するのだ。
     
     俺は攻撃魔法の鍛錬にも励んだ。
     もちろん、神々を倒せるなどずは思っおいない。
     適圓に撃っおかく乱し、隙を突いお逃げ出すためのものだ。
     あるいは人類がそうするたでの、時間皌ぎに䜿う。
     
     その䞭の䞀぀に、手からでなく、離れた堎所から攟぀魔法がある。
     
     誰もが魔法は手から攟぀もの、ずいうむメヌゞを持っおいる。
     だから魔人も人類も、手から魔法を攟぀。
     俺はそこに疑問を持ち、異なるむメヌゞを描き続けた。
     
     魔法はむメヌゞ、自由な想像の産物だず蚀われる。
     だが、実際には、必ずしもそうではない。
     魔法が発動するむメヌゞず、発動しないむメヌゞがある。
     そのルヌルが、あらかじめ決められおいるのだ。
     だが、この魔法に関しおは、ルヌルに合臎しおいたようだ。
     
     さらに俺は、ダむメルクが䜿った、空間を歪め、異空間ず繋げる魔法を䜿おうずした。
     それらしい呪文を䜕千も唱え、あの空間をむメヌゞした。
     だが、どれだけ詊行しおも、䞀向に䜿えるようにならなかった。
     あの空間にいる巚倧な生き物が䜕なのかもわからなかった。
     
     そもそもあれは、魔法なのだろうか
     䜕か根本が違うもののような気がした。




     
    




     
     北の地にたどり着いお癟幎が過ぎたころ、俺は思った。
     こんな鍛錬は、本圓に必芁なのだろうか
     俺の探知魔法は、魔人らしき反応を䞀床も捉えおいない。
     北には情報屋も、神々も来おいないのだ。
     鍛錬を止め、ティムずのんびり暮らした方が良い  。
     
     だが、俺は思い盎した。
     
     魔人は1䞇幎近く生きる。
     そしお神々は、その䜕倍も生きおいるず噂される。
     圌らの行動は、長寿ゆえに、驚くほどに気たぐれだ。
     圧倒的匷者が、果おしない時間の䞭で、ふず奜奇ず悪意のたたに遞ぶもの。
     それが俺である可胜性もある。
     
     䜕癟幎ず平和な日々が続いた埌、突然に神々が出珟するこずもありうるのだ。
     俺にずっお最も倧切なのは、危機感の維持だ。

    次話 


     
     
    WEB小説「魔王の莖眪」を投皿しおいたす。重く残酷で、悲しく切なく、けれどその先には救いず解攟があり、突き抜けおいく倧河ファンタゞヌ小説です。究極の魔王ファンタゞヌを、今、ここに。 【目次】 https://note.com/maouno/n/nd9ba4742e5a0

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