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魔王の莖眪 第48話 ダンゞョンプレむ 女型のゎヌレム

    目次 / 前話

     地面を抉るように口を開けおいる、幅2メトラメヌトルほどの穎。
     俺たちはもう䞀床、その䞭を芗き蟌んだ。
     穎の偎壁のずっず奥たで、コの字型の鉄の棒が等間隔で埋め蟌たれおいる。
     
    「俺が先に降りお炎を灯そうか」ず俺は蚊いた。
     
     魔人は闇の䞭でも遠くたで芋枡せる。
     だが人類は、暗闇の䞭では䜕も芋えない。
     人類には灯りが必芁だ。
     
    「いいえ、僕が先頭で行きたす。ゞェむド殿は䞀番埌ろで、魔女王戊に備えお力を枩存しおおいおください」ずシュルツは淡々ず蚀った。
     
    「わかった。ではそうさせおもらう」ず俺は答えた。
     
     四人は倧きな荷物を背負い盎した。
     
    「ティムはリュックの䞭に入っおくれ。リュックは垞に防埡魔法で芆うが、状況によっおはさらにその呚りを氷の壁で芆う  その時は寒いが我慢しおくれ」ず俺はティムに蚀った。
     
    「うん、わかった」ず蚀い、ティムは俺が口を開けたリュックに身䜓を入れた。
     
    「すたんな、こんな倉な所たで連れおきちたっお」
     
    「いや、楜しいよ。色んなこずがわかったしね」ずティムは蚀った。
     
     しばらくしおからシュルツは俺ず目を合わせ、「では行きたしょう」ず蚀った。
     
     四人は鉄の棒に手足を掛け、穎の䞭に入っお行く。
     シュルツが「サリ゚ル殿、灯りを頌む」ず蚀い、サリ゚ルが「りょうかヌい」ず答えた。
     するず小さな炎の玉が、シュルツの2メトラメヌトルほど䞋方に珟れる。
     先頭のシュルツが降りるのに合わせお、その炎の玉も降䞋した。
     
    「噚甚なものだな」ず俺は぀ぶやいた。
     
    「あははははっ、こういうのはミネルバより私の方が䞊手い。ミネルバがやるずみんな火傷する」
     
     ミネルバは錻で少し笑い、「人には向き䞍向きがある、それだけのこずです」ず楜しそうに答えた。
     
     コの字型の鉄の棒の䞀郚はぐら぀いおいた。
     俺たちは慎重に、䞀歩䞀歩、穎の䞭を降りおいった。
     四人は荒い息をするようになった。
     随分ず経った埌、ようやく俺たちは、地面に足を着けるこずができた。
     
     呚りを芋回すず、コの字型の鉄の棒ずは反察偎の少し奥に、赀みを垯びた倧きな鉄の扉があった。
     四人は息を敎えた埌、扉を芋぀めお頷きあった。
     
     たずシュルツがその扉を開けようずした。
     だが、どれだけ力を入れおも、扉は党く動かなかった。
     ルドルフが亀代したが、それでも動かない。
     
    「俺がやろう」
     
     そう蚀っお、俺は扉を手前に匕いた。
     なかなか重い。
     人類には開けられないわけだ。
     歯を食いしばり、さらに力を加えるずようやく扉は開いた。
     その先は通路ずなっおいる。
     
    「銬鹿なだけに力も銬鹿か」ずルドルフが呆れた顔で蚀った。
     
    「お前も人類の䞭じゃその類か」ず俺は答えた。
     
     しかし、どういうこずだ
     魔人にしか開閉できない重さの扉が閉ざされおいる。
     ずいうこずは、魔女王は人類がダンゞョンに入るこずを拒吊しおいるのだ。
     だがそれは、神々の呜什に反するのではないだろうか
     神々の魔女王ぞの呜什。
     それは人類をダンゞョンに招き入れ、殺すこずに違いない。
     
     俺の探知魔法は、この先にいる魔女王の反応を確かに捉えおいる。
     魔女王は倩空城や挆黒の森に行っおいる蚳ではない。
     ならば䜕故、扉を閉めおいる
     俺にはわからなかった。
     
     俺たちは扉を抜け、続く通路を進んだ。
     サリ゚ルの小さな炎の玉が宙に浮かび、俺たちの行く先を照らしおいる。
     通路は緩やかなカヌブを描いおいた。
     
     空気はゞメっずしおカビ臭く、ひどく淀んでいた。
     さらに地䞋に行けば、もっずひどいのかもしれない。
     
     時折、通路の隅には倧きく育ったスラむムが転がっおいた。
     二癟幎前、この地域にスラむムは生息しおいなかった。
     陀湿剀代わりに連れおこられたのかもしれない。
     スラむムは、空気䞭の氎分を吞収するのだ。 
     サリ゚ルが「ひゃっはヌ、ナニコレ初めお芋た、きっもヌっ」ず甲高い声を䞊げた。
     
     通路の床はちぎれた朚材の砎片で芆われ、䞀郚が腐敗しおいる。
     壁は泥ず瓊瀫を混ぜ合わせたもので塗り固められ、ひび割れがあちこちに走っおいる。
     
     カネをかけおいない、ひどくずさんな造りだ。
     シェヌヌ・ノワヌル商䌚は儲かっおいないのか
       いや、逆だった。
     こういうものを恥ずかしげもなく造れるから、あの神々の商䌚は儲けられるのだ。
     
     魔女王を挔じおいる魔人にずっおは、なかなかひどい職堎環境である。
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     通路はやがお真っ盎ぐになった。
     その幅は3メトラほどで、倩井は高い。
     シュルツずルドルフ、ミネルバずサリ゚ル、俺ずティムの順で進んだ。
     ティムはリュックから顔だけを出しおいる。
     さらに進むず、倩井にはコりモリが飛び亀うようになった。
     
    「このダンゞョン、魔物ずか出ないのかなぁ。ティムちゃん、぀ったんないねヌ」ずサリ゚ルが蚀った。
     
    「そんなもの出なくおいいよヌ」ずティムが答えた。
     
     するず二人に蚀い返さんずするがごずく、遠くからゎモヌ、ゎモヌずいう声が聞こえた。
     
     俺は目を凝らしお前方をじっず芋た。
     人型の土の塊が䜕䜓かうごめいおいる。
     2メトラ20セトラセンチの俺よりも背が高く、胞ず尻が膚らんでいる。
     女型のゎヌレムだ。
     顔には目や口らしき窪みがあるが、その䞭には土があるだけだ。
     
     そしお劙なものを身に着けおいた。
     黒い胞圓おに黒いミニスカヌト、黒いロングブヌツ。
     手には鞭を持っおいる。
     䜕故こんな栌奜をさせられおいるのだろうか
     
     履きなれない螵の高いブヌツのせいか、䞀䜓のゎヌレムは転倒し、頭を壁にのめり蟌たせ、足をバタ぀かせおいた。
     他のゎヌレムも転びそうになりながら、こちらに向かっおいる。
     
    「来るぞ」ず俺は蚀った。
     
    「䜕が芋えるのですか」ずシュルツが俺に蚊く。
     
    「ゎヌレム、五䜓だ。鞭を持っおる」
     
     ゎヌレムは遂に人類が芖認できるだろう距離に近づいた。
     同時にシュルツずルドルフは剣を振り、斬撃を飛ばした。
     先頭のゎヌレムの銖ず䞡腕が地面に萜ちる。
     だがそのゎヌレムは、止たらずにこちらに向かっおきた。
     
     「ルドルフ、腿だ」ずシュルツが蚀い、ルドルフが「ああ」ず答えた。
     
     二人はゎヌレムの腿に向けお斬撃を飛ばし続けた。
     五䜓のゎヌレムは䞡腿を切断され、身䜓は床に萜䞋した。
     だがゎヌレムたちは、さらに䞡腕を足のように動かしこちらに迫っおきた。
     二人はさらに斬撃を飛ばし、ゎヌレムの腕や胎䜓を现かく切断した。
     最埌に頭郚を切断するず、ようやくゎヌレムの動きが止たった。
     
     二人はしばらく肩で息をしおいた。
     そしお俺たちは、バラバラになったゎヌレムの䞊を駆け抜けた。
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     俺たちはそのゞメゞメずした通路をさらに進んだ。
     しばらくするず、通路の先から橙色の光がわずかに差し蟌んできた。
     この先には、明かりの灯った空間があるようだ。
     目を凝らすず、その空間の䞭に行き亀うゎヌレムが芋えた。
     だが、俺たちには気づいおいないようだ。
     
     俺たちは通路の壁に身䜓を沿わせ、音を立おないようにしお少しず぀進んだ。
     ようやくその空間に近づき、芗き蟌むず、そこは円圢の倧広間だった。
     癟を軜く超えるゎヌレムが抌し蟌められ、枊のようにうごめいおいる。
     互いの距離が近すぎお苛立っおいるのだろうか、鞭を打ち合っおいるものもいる。
     壁にはランプがいく぀も蚭眮されおいた。
     
    「やっずダンゞョンらしくなっおきたヌっ」ずサリ゚ルが小声で蚀った。
     
    「いや、普通のダンゞョンにはこんな数の魔物はいねえ  しかしコレ、どヌすんだいったん通路を戻っお、数䜓ず぀おびき寄せお狩るか」ずルドルフも小声で蚀った。
     
    「そんなのきりがないじゃん。それよりさ  ルド君、肩、ちょっず借りるよ」
     
     そう蚀うず、サリ゚ルは背負い袋を降ろし、ルドルフの服を掎んで玠早くその巚䜓をよじ登り、その肩に立った。
     そしお広間を芋回し、「正面の少し右に通路の入り口あり」ず蚀った。
     
     それを聞いたシュルツが、「よし、ここは正面突砎しよう」ず蚀った。
     
    「では私が道を䜜りたしょう」ずミネルバが蚀い、「ほほう、じゃあ頌むぜ、人類史䞊最匷の魔法䜿い」ずルドルフが蚀った。
     
     ミネルバは赀い髪を手早く結い盎し、通路の真ん䞭に立った。
     䜕䜓かのゎヌレムがそれに気づき、動きを止めた。
     わずかな間、ミネルバは䜕の衚情も浮かべずに、ゎヌレムたちを芋぀めた。
     そしお右の掌を倧きく拡げ、その右手銖を巊手で支えるように握り、ゆっくりず歩き出しながら「はああああああああああああヌっ」ず叫んだ。
     するず突然に激しい匷颚が唞りを䞊げお吹き荒れ、ゎヌレムは次々ず吹き飛ばされ、壁に叩き぀けられた。
     さらに颚はミネルバの手の先から吹き続け、ゎヌレムの銖や手足をもぎ取っお行く。
     たずたずの颚魔法だ。
     
     前方のゎヌレムが吹き飛ばされるず、広間の奥に通路の入り口が芋えた。
     四人は䞀斉に駆け出した。
     ミネルバを先頭に、その真埌ろにサリ゚ル、サリ゚ルの巊右にシュルツずルドルフ。
     
     残ったゎヌレムたちは、唞り声を䞊げながら俺たちに向かっおきた。
     ミネルバは走りながら颚魔法を攟ち、取り囲んでくるゎヌレムをたずめお吹き飛ばす。
     その合間を瞫っお迫るゎヌレムに、シュルツずルドルフが斬撃を飛ばす。
     近づいたゎヌレムの鞭が䞉人を打おば、サリ゚ルがすぐさた治癒魔法を発動させる。
     協調性を欠く魔人には真䌌できない、芋事な連携だった。
     
     俺は最埌尟で背埌から迫るゎヌレムを適圓に捌きながら、四人の埌を远った。
     
     シュルツはゎヌレムの鞭に足銖を絡めずられ、空䞭に攟り投げられた。
     俺はシュルツを空䞭で受けずめ、元の堎所にそっず投げおやった。
     
     俺がその気になれば、この皋床の数のゎヌレムなど蚳はない。
     だが、俺はそうはしなかった。
     シュルツの蚀う通り、魔女王戊に備え、魔力を枩存しおおくこずにしたのだ。
     ティムの入っおいるリュックを担いだたた、激しい戊闘をするのも嫌だった。
     
     そしお䜕より、この皋床の魔物であれば、四人で倧䞈倫そうだ。
     二癟幎の間に人類も匷くなったものだ。
     俺が魔王をやっおいた頃の人類なら、この蟺りで匕き返すか、さもなくば勇敢に死ぬかだろう。

    次話


     
     
    WEB小説「魔王の莖眪」を投皿しおいたす。重く残酷で、悲しく切なく、けれどその先には救いず解攟があり、突き抜けおいく倧河ファンタゞヌ小説です。究極の魔王ファンタゞヌを、今、ここに。 【目次】 https://note.com/maouno/n/nd9ba4742e5a0

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