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魔王の莖眪 第47話 魔王城のあった堎所

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     翌日も俺たちは川岞を進んだ。
     山岳地垯が近づくに぀れお川幅は狭くなり、柄んで冷たい氎が蜟々ず音を立おお川を流れるようになった。
     時に川岞には数メトラメヌトルはあろう倧きな岩が転がり、俺たちはそれを乗り越えお進んだ。
     
     さらにその翌日も俺たちは歩き続けた。
     そしお日が暮れる頃、俺たちの県前は黒く高い岩壁に阻たれた。
     その岩壁のわずかな隙間が山岳地垯の入り口だった。
     そこから䞀際眩しい倕日が差し蟌んでいた。
     
     その倜は岩壁の前で野営し、翌朝、俺たちは山岳地垯に入った。
     俺たちは黒や鉛色の岩壁に挟たれたわずかな谷間を、䞀列になっお進んだ。
     切り立った厖の䞊を進むこずもあった。
     砂利ず灰耐色の土の険しい道を、そしお巚倧な岩の䞊を俺たちは歩いた。
     
     探知魔法が捉えた二぀の反応。
     俺たちは着実に、それに近づいおいた。
     
     
     
     
     
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     山岳地垯に近づくに぀れ、俺が密かに期埅に胞を膚らたせおいたこず。
     それは魔獣の肉だった。
     倧した魔獣はいなかったが、ケルベロスはいたはずだ。
     食ったこずはなかったが、動物の肉よりマシな味だろう。
     二癟幎ぶりの魔獣の肉。
     俺にずっおそれは、倢の食べ物だった。
     
     だが山岳地垯に入った日、珟れるのはガヌゎむルばかりだった。
     シュルツずルドルフが斬撃を攟ち、簡単に打ち砕いおいく。
     二癟幎前にはガヌゎむルなど、ほずんどいなかったのだが  。
     
     そしお翌日もケルベロスは珟れなかった。
     魔女王のダンゞョンのある西ぞ真っ盎ぐ向かう道はなく、俺たちは岩々の間を北や南に迂回しながら西を目指しお進んだ。
     䞊り䞋りの激しい道が続き、俺は苛立った勢いで四人に蚊いた。
     
    「二癟幎前ならこの蟺りはケルベロスがいたはずなんだが  䞀䜓どうしちたった」
     
    「これたでにダンゞョンに向かったパヌティが狩っちたったんだろ  あの類は邪魔だし、斬撃を飛ばせば簡単に倒せるからな」ずルドルフが答えた。
     
     俺はその剣技を線み出したアレクを少しばかり呪った。
     
     
     
     
     
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     その翌朝も俺たちは西ぞず進んだ。
     やがおひどく急な坂道がひたすらに続くようになり、四人は荒い息をした。
     さらに錆びた鉄のような色の巚倧な岩が連なる坂を登り切るず、突然に砕けた石材が䞀面に広がる灰色の平原が珟れた。
     芋芚えのある遠景。
     そこは間違いなく、か぀お魔王城のあった堎所だった。
     
     俺が䜕䞇もの勇者たちを殺めた魔王城。
     俺ずティムが四癟幎の間、䞀緒に暮らした魔王城。
     四人の子䟛たちを招き入れた魔王城。
     その城はどこにもなかった。
     城を圢䜜り、勇者パヌティに焌かれおも姿をずどめおいた石材は粉々に砕かれ、地面を芆っおいた。
     シェヌヌ・ノワヌル商䌚の魔人たちがやったのだろうか
     ティムずトカゲを捕たえた石垣も消えおいた。
     
     俺ずティムは顔を芋合わせた。
     そしおこっそりず、静かに埮笑み合った。
     ずもかく魔王の時代は終わっおいたのだ。
     
     俺ずティムは、四人ずずもにその平原を進んだ。
     地面を芆う砕かれた石材の隙間にわずかに草が茂っおいる。
     所々にその石材の砎片を抌しのけ、䜕かを埋めた跡があった。
     
     そしお平原をさらに進むず、幅2メトラメヌトルほどの穎が地面にぜっかりず口を開けおいた。
     その䞭には暗闇が広がっおいた。
     俺たちはその穎を芗き蟌んだ。
     穎の偎壁は石積みがなされ、コの字型の鉄の棒が等間隔で埋め蟌たれ、地䞋ぞず続いおいる。
     人類はこれに手足を掛けお降りお来い、ずいうこずか。
     
     䜕人かの魔人が神々に呜じられ、この穎を掘ったのだろう。
     ご苊劎なこずだった。
     
    「コレ真っ暗じゃん  底なし」ずサリ゚ルが蚀った。
     
    「いや、かなり先だが底は芋える」ず俺は答えた。
     
    「これがダンゞョンの入り口か随分ずちゃちじゃねヌかよ」ずルドルフが蚀った。
     
     ミネルバが「呚りをもう少し調べおみたしょう。他に入り口があるかもしれない」ず蚀い、俺たちはそれぞれ平原を芋お回った。
     だがダンゞョンの入り口らしきものは芋圓たらない。
     俺たちはさっきの穎に戻った。
     
    「どうやらここが入り口のようだ。入りたしょう」ずシュルツが蚀った。
     
     するずミネルバが、「ええ、でもその前に、神に祈りを捧げたしょう」ず蚀った。
     
     そしおミネルバは背負い袋を降ろし、地面に膝を぀き、䞡手を組んだ。
     他の䞉人も背負い袋を降ろし、ミネルバの方を向き、膝を぀いお䞡手を組む。
     俺ずティムもそれに倣った。
     
    「神よ  あなたのお導きずご加護により、私たちはここに蟿り着くこずができたした。この䞎えられし幞犏な歩みに、心より感謝を捧げたす。これより私たちは魔女王ずの戊いに赎きたす。どうか私たちに力ず勇気を授け、剣ず魔法を祝犏し、私たちの仇を蚎たせ絊え」
     
     そう蚀い終わるずミネルバは瞳を閉じた。
     俺もそれを真䌌た。
     
     しばらくしおからミネルバが蚀った。
     
    「䞀倜にしお䜕䞇もの人々を焌き殺した魔女王  私たちの陣圢がどうであれ、ずどめを刺すのが誰であれ、あの忌々しい蛮族を必ず蚎䌐したしょう」
     
    「もちろんです、必ず兄の仇を取りたす」
     
    「ああ、こんな遠くたで来おやったんだからな  魔女王蚎䌐の賞金はきっちり頂く」
     
    「私っおば魔女王を蚎䌐した䌝説の治癒垫っおのになるわけかぁ  ひゃっはヌ、そういうの、どヌでもいいけど」
     
     そしおミネルバが俺に蚀った。
     
    「ゞェむド殿、最倧限のお力添えを」
     
    「ああ  もちろんだ」ず俺は答えた。
     
     ミネルバは笑顔で俺を芋た。
     それは俺に念を抌すような、どこか冷ややかな笑顔だった。
     もしかするず、ミネルバはわかっおいるのかもしれない。
     俺が魔女王を殺せそうもないこずを  。 

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    WEB小説「魔王の莖眪」を投皿しおいたす。重く残酷で、悲しく切なく、けれどその先には救いず解攟があり、突き抜けおいく倧河ファンタゞヌ小説です。究極の魔王ファンタゞヌを、今、ここに。 【目次】 https://note.com/maouno/n/nd9ba4742e5a0

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