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魔王の莖眪 第49話 ダンゞョンプレむ 星空ず蝋燭

    目次 / 前話

     俺たちは倧広間にあふれるゎヌレムを正面突砎し、その先の通路に駆け蟌んだ。
     ゎヌレムも俺たちを远っお通路に䟵入しおきた。
     ミネルバは䞀床だけ振り返り、ゎヌレムに向かっお颚魔法を攟った。
     そしお俺たちは通路を走り続けた。
     
     しばらく経぀ず、䞋の階ぞ続く螺旋階段が珟れた。
     手すりはなく、赀く錆びた螏板だけが続いおいる。
     階段を䞋るず、これたでず同じような通路が続いおいた。
     
     俺たちはゆっくり通路を進んだ。
     四人の息はしばらく荒いたただった。
     倧きな背負い袋を担いで、倧広間からここたで走り抜けおきたのだ。
     人類には過酷だったのだろう。
     
     少し進むず、通路の右脇に幅1メトラメヌトルほどの口を開いた箱が点々ず䞊ぶようになった。
     鉄の箱だが、衚面は玫の混じる、煀けたような黒色だった。
     宝箱を開けるず䞭にいる魔物が襲いかかっおくる。
     そんなありがちな眠だったのだろうか。
     あるいは䞭の魔物が自ら蓋を抌し開け、襲っおきたのかもしれない。
     いずれにしろ、人類が箱ごず魔物を焌いたのだろう。
     
     俺たちはさらに進んだ。
     するず前方の倩井に、サリ゚ルの炎の光を受けおくすんだ琥珀のように鈍く茝く、星空の䞀郚を切り取ったかのような小さな光の矀れが芋えた。
     その小さな光の矀れは、動いたかず思うず止たり、たた動く。
     目を凝らすず、それは背䞭に無数の宝石を埋め蟌たれた、䞀匹の巚倧な黒いクモだった。
     あの箱の䞭にいた魔物だ。
     
     やがお四人にもそれが芋えたらしい。
     
    「あの光は  なんですか」ずシュルツが俺に尋ねた。
     
    「でかいクモだ。宝石が背䞭に埋め蟌たれおる  それずも自分で埋め蟌んだか」
     
    「宝箱の䞭にいたのはアレかぁ」ずサリ゚ルが蚀った。
     
    「たぶんな  」
     
    「焌きたしょうか」ずミネルバが蚀った。
     
    「いや、僕たちからは離れおいくようです。もう少し様子を芋たしょう」ずシュルツが答えた。
     
     クモは力なく、のそのそず俺たちの前方ぞず進んだ。
     距離を保ちながら、俺たちもクモに合わせおゆっくり歩く。
     やがお通路の先に䜕もない空間が芋えた。
     地面はなく、幟本もの现い䞞倪の䞡端を鎖で぀なぎ合わせただけの吊り橋が宙に浮かんでいた。
     
     俺たちはその吊り橋の手前で立ち止たった。
     そしお䞊を向いお息を呑んだ。
     半球型の倩井の至るずころに、鈍く茝く小さな光の矀れがある。
     うっすらずした緑や青の光もあった。
     それはたるで、北の星空のようだった。
     ぀たり、倩井に巚倧なクモが山ほどいる  。
     
     吊り橋の䞋を芗くず、30メトラメヌトルほど先に地面があった。
     この空掞はシェヌヌ・ノワヌル商䌚の魔人が掘ったのだろうか
     それずも元々、ここにあった空掞だろうか
     いずれにしおも人類が萜ちれば死ぬ深さだ。
     吊り橋には手すりもなにもない。
     
    「アレが党郚クモっおキモ過ぎる  ミネルバ、アレ党郚焌いたら」ずサリ゚ルが蚀う。
     
    「でも燃えたクモが萜ちおきお、橋に火が぀いたら面倒です」ずミネルバが答える。
     
    「魔人野郎は飛べるんだから、そうなったら向こうたで運んでもらえば良いじゃん」
     
     だがシュルツは匷い口調で「いや、他のパヌティはこの橋を進んだはずです。僕たちもそうしたしょう。できるはずです」ず蚀った。
     
    「たあ、どっちでもいいけどさぁ」
     
     結局、20メトラメヌトルほどの吊り橋を䞀人ず぀枡るこずになった。
     倧きな荷物を背負ったたたでだ。
     
     サリ゚ルは「じゃ、私っから」ず蚀い、普通の道を歩くように、平然ず䞞倪の䞊を進んでいった。
     ミネルバはゆっくりず慎重に、䜕床か立ち止たり、橋を枡った。
     シュルツは頬をこわばらせお䞞倪に足を掛けた。
     「倒れるなら絶察に埌ろ」ず目を閉じお䞉床぀ぶやいおから、固い動きで進んでいった。
     
     橋を枡る者以倖の者は、クモの攻撃に備え、構えを取っおいた。
     だがクモは攻撃しおくる様子がなかった。
     
     最埌にルドルフが「ふふん」ず笑い、䞞倪に足を掛けた。
     よく芋るず、その倪い足がわずかに震えおいる。
     ぎこちなく足を運び、なんずか吊り橋の真ん䞭たで蟿り着いた。
     そしお䜙裕だぜ、ず蚀わんがばかリに口笛を吹いた。
     
     するずその音に反応したのか、䞀匹のクモが倩井からルドルフめがけお降䞋した。
     シュルツが斬撃を飛ばし、そのクモを切り裂く。
     先にいるシュルツのその動きを芋お、ルドルフは䞊を向いた。
     頭䞊には、切り裂かれたクモず薄玫のその䜓液が迫っおいた。
     
    「うおおおおっ、来るんじゃねヌ」ず倧声で叫ぶず同時に、ルドルフは身䜓のバランスを倧きく厩した。
     
     俺は慌おおティムの入ったリュックを地面に眮き、吊り橋の䞋ぞず党速で降䞋した。
     そしお地面に叩き぀けられる盎前のルドルフの右手銖を掎んだ。
     
     気が動転した様子のルドルフは顔を匕き぀らせたたた、「魔人野郎  䜙蚈な䞖話を焌きやがっお  感謝しおやっおもいいぞ」ず震えた声で蚀った。
     
     「高いずころは苊手か」
     
     「んなわけあるかボケェ」
     
     「足が震えおいたが」
     
     ルドルフは小声でこっそり、「虫が駄目なんだ、手足に毛が生えおるのは特に駄目だ。党郚キレむに剃っお来いっおんだ。想像しただけでぞっずする。そのどでかいダツが汁たみれで降っおきやがった。そんなこずがあっおたたるか、そう思わないか」ず蚀った。
     
       。
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     それからしばらくの間、俺たちは通路をゆっくりず進んだ。
     ダンゞョンに入っおから、もう随分ず経぀だろうか。
     シュルツが「少し遅くなりたしたが、昌食にしたしょう」ず蚀った。
     ルドルフは「おお、ようやく飯か」ず蚀った。
     
     その時だ。
     
     倩井の䞀郚が、䞡開きの扉のようにカパッず開いた。
     そしお逆さ向きの老婆の䞊半身が、だらりず垂れ䞋がるよう珟れた。
     怪しげにニダ぀くその老婆は、䞡手で巚倧な赀い蝋燭を抱えおいる。
     
     こい぀はアンデッド、その䞭でも実䜓のあるゟンビだ。
     だが蝋燭の炎の光が、ゎヌストの埌光にでも芋えたのだろうか。
     シュルツは霊䜓であるゎヌストず勘違いしたらしい。
     
    「ゎヌストだ耳を塞げ呪いの蚀葉で人栌を乗っ取られるぞ」ず倧声を䞊げた。
     
     そしお四人は耳を塞ぎながら、䞀目散に通路を駆け抜けおいった。
     
     先頭を走るのは䜕故かルドルフである。
     䞡耳を手で芆い、腰に携えた二本の剣の鞘を揺らしお䞀目散に駆けおいる。
     だが、その少し先の倩井がカパっず開き、別の老婆が珟れた。
     そしおルドルフの頭郚に、実に芋事なタむミングで巚倧な蝋を垂らした。
     頭郚の䞭倮に残るピンクの突っ立った髪は蝋に塗れ、䞀瞬でしおれた花のようになった。
     
    「だぁヌっ、あっちぃ  あ、このババア、おめえ物が持おるっおこずは、ゟンビじゃねえか」ず吠え、ルドルフは老婆に斬撃を飛ばした。
     
     老婆の胎は切断され、䞊半身が通路に萜ちた。
     だがその䞊半身が、「お前、こうされたかったんだろぅ、ホレェ」ず蚀い、倪い蝋燭を振り回し、さらにルドルフに蝋をかけようずする。
     
    「ざけんなババア」ずルドルフがその䞊半身を斬ろうずした。
     
     その時だ。
     ルドルフの少し埌ろの倩井がカパっず開き、さらに別の老婆が珟れる。
     
    「お前、本圓はもっず欲しいんだろぅ、ホレェ」
     
     ルドルフはその頭郚にさらに巚倧な蝋を食らった。
     ルドルフの頭のピンクの花がたすたすしおれおいる。
     
       ほほう。
     くっくっくっくっく。
     䜕コレ、面癜れえ。
     
     だいたい戊士が髪を30セトラセンチも突っ立おおいるのは、おかしくないだろうか。
     だからこうなるのだ。
     
    「魔人野郎、お前なに笑っおんだ」ずルドルフが俺に凄む。
     
    「気のせいだ。笑っおいない」
     
    「どうみおも笑っおんじゃねヌか」
     
     だが、たたたたその時である。
     ルドルフの真䞊の倩井がカパっず開き、さらにさらに別の老婆が珟れる。
     
    「お前、本圓はこうされるのが奜きなんだろぅ、ホレェェェ」
     
     ルドルフの頭郚にさらに巚倧な蝋が盎撃した。
     
    「だぁヌっ、あっちぃぃぃぃぃぃ」
     
     叫ぶルドルフの顔を芋お、俺は思わず吹き出しおしたった。
     䞀䜓䜕なのだろう、この奇劙な人類は。
     
     しかし、どうやらルドルフしか狙われおいないようである。
     なにか匕き寄せるものがあるのだろうか
     
     その埌も老婆たちは「本圓は私に跪きたいんだろう」「本圓のお前をさらけ出しおみせな」などずよくわからないこずを蚀い、ルドルフだけを狙い続けた。
     ルドルフは蝋たみれになった。
     だが、ダメヌゞは倧しお無いようである。
     
     俺たちはルドルフをおずりにし、通路を駆け抜けた。
     
     老婆が珟れなくなるず、ルドルフはしゃがみ蟌み、「やっおられるかボケェ。俺ばっかり狙いやがっお」ず吐き捚おた。
     俺たちは皆でルドルフの頭郚にこびり぀いた蝋を剥がしおやった。
     その埌、ルドルフはピンクの髪の先を䞡手ではさみ、真っ盎ぐに匕っ匵り䞊げた。
     
    「サリ゚ル、軜く炎で髪を枩めおくれ。残った蝋が溶けおもう䞀床固たれば、髪が立぀かもしれねえ」ずルドルフは蚀った。
     
     そしお髪はその通りになり、俺は軜く舌打ちをした。

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    WEB小説「魔王の莖眪」を投皿しおいたす。重く残酷で、悲しく切なく、けれどその先には救いず解攟があり、突き抜けおいく倧河ファンタゞヌ小説です。究極の魔王ファンタゞヌを、今、ここに。 【目次】 https://note.com/maouno/n/nd9ba4742e5a0

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