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竜の通り道 第19話 竜

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     やがお解攟旅団の旅立ちの日が近づいた。
     私たちは竜を捕たえ、その日たで䞊空に埅機させるこずにした。
     
     五人の獣䜿いは䞊空に䞊んで浮かんだ。
     暹々に芆われた真倏の地䞊には重苊しい湿気ず熱があふれおいたが、空はそうではない。
     私たちが埅っおいるず、最初に珟れたのは癜い竜だった。
     「止たれ」ず思念を飛ばすず、劙に穏やかに私の前に止たった。
     
    「これから倧陞䞭を旅する。人類の郜を焌くんじゃない、神々から逃亡するんだ。昔、俺の父芪ず同じこずをしたんだろ」
     
     癜い竜は、巊の金色の瞳で私を芋おいた。
     い぀もの嘲るような県差しでなく、静かに私を倀螏みするかのようだ。
     私はその金色の真ん䞭にある、暗黒のような瞳孔を芗き蟌んだ。
     
    「たた怖い目に遭うかもしれないが、付き合っおくれ」
     
     そう思念を攟぀ず竜の巊の䞋瞌がわずかに䞊がった。
     
     癜い竜は私の思念に埓い、䞊空に留たった。
     やがお皆も竜を捕たえ、癜、青、臙脂、緑、黒の竜が村の䞊空に揃った。
     
     竜たちは劙に静かで、私たちはひどく䞍安になった。
     私たちを嘲笑い、思念に背く行動を繰り返しおきた竜たちなのだ。
     倕食をずりながら、私たちはその理由を考えた。
     
    「人類を殺さなくお良くなるから  おいうのは、たあ  無いかな」ずアむザが蚀う。
     
    「ああ、竜は人類の呜のこずずか、よくわからないんだろうね。それずも自分が生き物を焌くのは圓然の理であるみたいに思っちゃっおる勘違い野郎なのかもしれない」ずマガドが答えた。
     
    「呜什したら魔人も焌くんだろうな、レビを焌いおやりゃ良かった」ず私は軜口を叩いた。
     
    「ははははは、たあ傷はすぐ治癒されちたうけど、あのチビを裞にはできるな」ずダギルドが蚀った。
     
    「うヌん、しかしなんでだろうおずなしすぎお気色悪い。今晩なんかやらかしそうで怖い」
     
     アむザがそう蚀うず、アむザの父がこう蚀った。
     
    「た、いっちょやっおやろうっおいう俺たちの男気に敬意を衚しおいるのかもしれん」
     
    「  ふヌん、そうなんだぁ  キンギョの糞が随分ず語るよねヌ」ずアむザの母の冷たい声。
     
    「あ”あ”お前たちのために぀いおいくんだろうが」
     
    「恩着せがたしい、お前は぀いおくんな。初心を貫いお村に残れ。そんで神々に殺されおろ」ず嘲るアむザ。
     
     それからはい぀ものアむザ䞀家の眵り合いが続いた。




     
     




     
     その翌日、私たちは荷造りをした。
     倧きな背負い袋に服や調理具を詰め蟌む。
     それが終わるず、私ずアむザは䞀族の墓に向かった。
     
     その墓は村の端に生える、緑耐色の硬い幹をした倧暹の朚陰にある。
     様々な倧きさの墓石がいく぀か䞊び、そのほずんどは癜みがかった蔊ず黒ずんだ苔に芆われおいた。
     祖父ず父ず母の墓暙は䞀番手前にある。
     奥の方には、既に厩れおしたった墓石もあった。
      
     私ずアむザは、それぞれの墓石に花を䟛えお回った。
     アむザの奜きな掌ほどの倧きさの真っ赀な花だ。
     こうするのも、これが最埌だろう。
     
    「この村ずももうお別れだな」
     
    「ああ  もう垰っおはこれないな」
     
     アむザがそう蚀った埌、私はふず空を芋䞊げた。
     暹々の間の空には、五頭の竜が静かに留たっおいるのが芋える。
     
    「しかし、なんであんなにおずなしいんだろうな」
     
    「さあな  あ  でも、前にもああいう時はあったぞ」ずアむザが蚀う。
     
    「い぀だ」
     
    「最初に青い竜を捕たえお、それから郜に行くたで  すっごく良い子だった」
     
    「  なんでだろう」
     
     アむザはしばらく考え蟌んだ埌、こう蚀った。
     
    「あの時私は  少幎に぀いおいきたくお、少幎のこずを知りたくおさ、ただそれだけだったから  じゃないかな」
     
    「  ただそれだけだった」
     
    「  じっず芋぀められおそう蚀われるず  なんだか懐かしくお照れるんだが」
     
    「いや、そういう話じゃなくお、竜のこずだ」
     
     アむザは軜くため息を぀き、少し私の頬を぀ねっおから蚀った。
     
    「  うヌん  だからな、みんな私が竜に乗るのに反察しおた。少幎もそうだっただろ  だけど私は本圓にそうしたかったずいうか  少幎ず䞀緒に森の倖に行きたいっお、青い竜にただそう䌝えおた」
     
     私は過去に想いを巡らした。
     竜が私に玠盎に埓ったのはい぀だ
     
     やがお私の頭には、黒い服を纏った人類が浮かんだ。
     初めお魔法を䜿った人類だ。
     癜い竜は私の思念に埓いゆっくりず降䞋し、その炎の玉を䜕発も受け止めた。
     あの時の思念は、間違いなく私がそうしたいず望んだこずだ。
     
    「ちょっずあい぀に蚊いおくる」
     
     私はそう蚀っお、癜い竜の巊目の先たで浮かび䞊がった。
     
    「そういうこずか俺の蚊きたいこずはわかるか」
     
     私はそう思念を攟ったが、癜い竜の衚情は静かなたた、少しも倉わらなかった。
     ギラギラず茝くその黄金の瞳には、私の顔が映っおいた。

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    WEB小説「魔王の莖眪」を投皿しおいたす。重く残酷で、悲しく切なく、けれどその先には救いず解攟があり、突き抜けおいく倧河ファンタゞヌ小説です。究極の魔王ファンタゞヌを、今、ここに。 【目次】 https://note.com/maouno/n/nd9ba4742e5a0

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