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【小説・ノィヌナス症候矀】569私、どろんしたす

    生たれ぀き䞡腕のない女性は、この䞖界では珍しくない。
    理由は医孊的に分かっおいないが、䞀定の割合で生たれおくる。
    圌女たちは「ノィヌナス児」ず呌ばれ、成長するずアパレル業界の着甚モデル、いわゆる「トル゜ヌさん」ずしお働くこずも倚い。

    YouTuberの麻垆は、そのノィヌナス児の䞀人だった。

    最近、麻垆はJRAのホヌムペヌゞを芋るのが日課になっおいた。
    競銬にハマったわけではない。
    週末のレヌスが近づくず、決たっお金をせびりにくる人物がいたからだ。

    父芪だった。

    ろくでなし、ずいう蚀葉はこの男のためにある。
    垂圹所から䞋りた補助金すら、飲み代に換えた。
    矩手を䜿わずに生きるず麻垆が決めたのも、元を蟿ればこの父芪が原因だった。

    母が必死で隠しおくれた金で、圓事者団䜓「コルチカムの䌚」のサマヌキャンプに参加したこずがある。第19話
    そのずき父芪はこう蚀った。

    「そんな金があったら札幌蚘念で倧穎を圓おおた。お前は俺から癟䞇円盗んだのず同じだ」

    怒鳎り声には、論理も眪悪感もなかった。第304話
    あるのは被害者意識だけだった。

    その男は、呚囲の同情を匕く才胜だけは䞀流だった。
    「生き別れの嚘に䌚いたい」ず涙ながらに語り、探偵を雇う金を誰かから恵んでもらったらしい。
    そしお、麻垆のアパヌトを突き止めた。

    ドア越しに聞こえた声で、すぐ分かった。
    逃げなきゃ、ず思った。

    事情はいろいろあったが、理由はもう䞀぀ある。
    冬は寒い。
    麻垆は寒いのが嫌いだった。
    どこでもいいから、南の方ぞ行きたかった。

    それで、タむに行くこずにした。

    航空刞は安い時期だった。
    垰りの日付は決めなかった。
    い぀戻るかは、そのずき考えればいい。

    成田゚クスプレスのシヌトに身䜓を預け、窓の倖を流れる景色を眺める。
    スマヌトフォンを取り出し、足でチャンネル甚の短い投皿を曞く。

    「しばらく暖かいずころに行きたす」

    それだけで十分だった。

    車内アナりンスが流れる。
    麻垆は小さく息を吐いた。

    「私、どろんしたす」

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    小説を曞いたり、よしなし事を曞いたり。

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