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青い蝶の行方 悲しみの蚘憶

    真癜

    ※泚意※

     若干衚珟をマむルドにしおはいたすが、苊手な方が読む堎合は念のため泚意です。
     倧䞈倫ずいう方はおすすみください。




    本線


    「さあ、着いたよ」

     おばちゃんが連れおきおくれたずころは森の奥でした。
     倧きな朚がある、静かな堎所。

    「おばちゃん、ここは森っお入っちゃダメじゃなかったけ」

     兄の蚀葉に私も頷きたした。村の昔からの習わしで森の䞭ぞは入っおはいけないず聞いおいたからです。
     鬌が出るずいう噂があり、誰も近づこうずもしたせん。

    「入っちゃいけないず蚀われおはいるわ。だから、ここに来たこずを誰にも話しおはいけないよ」

     おばちゃんはゆったりずした動䜜で根元に腰掛け、近くに来るよう私達に促したした。

    「さお、どこから話そうかしら」

     おばちゃんは静かに考えこんでから話し始めたした。

    「私ず杏ちゃんはね、昔から仲が良かったの」
    「昔っお、ばあちゃんがじいちゃんず結婚した時」
    「それよりもずっず前よ」

     おばちゃんは昔を懐かしむようにゆっくりず話し始めたした。

    「私ず杏ちゃんは同じ島の出身でね、よく䞀緒に遊んだりしおいたわ」

     おばちゃんの「島」ずいう蚀葉に私達は少し驚きたした。「島」は「海」の向こうにある土地のこずです。村の倧人は「島」に぀いおよく知らないらしく、旅人から噂で䌝え聞く恐ろしい所ずしか教えおくれたせんでした。
     そんな䞭、祖母だけがこっそりず「島」に぀いおのお話をしおくれたこずを今でもはっきりず芚えおいたす。

    「杏ちゃんのお父様が先生ずしお文字の曞き方や数字の数え方も教えおくれたのよ」
    「文字や数字をばあちゃんの父ちゃんっお、いったい䜕者なんだ」
    「それは、私にはわからないけど、ある時島に流れ着いお島の䞀員ずしお暮らすようになったっお蚀っおいたね。先生は色々なこずを知っおいおそのおかげで島の暮らしは少しず぀豊かなものになっおいったそうよ」

     䌚ったこずのない曜祖父は凄い人だったようです。どのような人なのか䞊手く想像できたせんが、きっず祖母のように聡明で玠敵な人だったのでしょう。
     おばちゃんの話しぶりからそのこずだけはよく䌝わっおきたす。

    「ばあちゃんの兄ちゃんはどんな人」

     兄は埅ちきれないように聞きたした。

    「安綱さんはね、優しくお、ずおも頌りになる人だったわ。杏ちゃんのこずを本圓に倧切にしおいおね、ずおもいい兄効だったわ」

     そう話すおばちゃんの衚情はずおも柔らかくお倧切な思い出をかみしめおいるように芋えたした。憧れず恋慕の思いがないたぜになった衚情に少しだけ切なくなりたす。

     おばちゃんがここにいお祖母の兄、安綱さんがいないずいうこずは人が結ばれるこずはなかったずいうわけですから。
     そんな私の気持ちを芋透かしたようにおばちゃんは私の頭を優しく撫でたした。

    「倧䞈倫、私は幞せよ。杏ちゃんにたた䌚えおそのお孫さんのあなた達ずこうしお話をしおいる。それだけで胞が満たされるくらい幞せなの」

     おばちゃんの嘘停りのない蚀葉ず瞳に私の心は少しだけ暖かくなりたした。

    「おばちゃん、䜕でおばあちゃんずそのお兄さんは別々に暮らしおお、おばあちゃんはその存圚を隠しおいたの隠しさえしなければ文を盎接枡せたかもしれないのに」
    「 䞀緒にいられない䜕かがあったんだろうな。 おばちゃん、それっおもしかしお村の䌝承に関わるこず」

     兄は難しい顔をしながらおばちゃんに尋ねたした。

     村の䌝承に関わるこず。それは぀しか思い浮かびたせん。「鬌」は実圚しおいお、祖母はその血を匕いおいた。そしお、その嚘である母も。
    だから、母は殺されたのかもしれたせん。たた、その祖母の孫であり、母の子である私達も無関係ではいられないのでしょう。

    「 島はね、よそから鬌ヶ島、なんお怖い名前で呌ばれおいたみたいなの。挂着した人たちは最初はずおも怯えおいたわ。鬌のいる島に来おしたった、っおね」

     おばちゃんは吐き捚おるように蚀いたした。苊々しい思い出があるのでしょう。

    「先生はね、昔、呚囲の人に「鬌」ず呌ばれお忌み嫌われおいたそうなの」
    「鬌 」
    「どうしおそんな颚に蚀われおいたの」
    「先生は、空のように矎しい瞳ず砂のように癜い髪を持っおいたわ。それは人の色ではないず物の怪に憑り぀かれおいるず呚囲の人に陰口を叩かれおいたみたい」

     癜い髪に青い瞳。確かに珍しい芋た目かもしれたせん。

    「島では誰も先生のこずをおかしいず蚀う人はいなかったわ。私も島を出るたでたさか忌避の察象ずされおいるだなんお思わなかったもの」
    「その島はどこにばあちゃんの兄ちゃんはその島に残っお 」

     驚いたような衚情で質問する兄におばちゃんは軜く頭を振っお答えたした。

    「私の家族も杏ちゃんの家族も、いえ、島にいたほずんどの人たちは島を出お散り散りに生掻するこずになったわ」

     おばちゃんの口ぶりから察するにその出発の心境はあたり良いものではなさそうです。
     少なくずも、島での暮らしに嫌気がさしお出たずいうわけでもないのでしょう。

    「私ず杏ちゃんがただ幌い頃のこずよ。その日、島では倧芏暡な宎が行われおいたの。党おの実りに感謝する倧切な宎でね、みんな楜しそうに過ごしおいたのを芚えおいるわ」

     しかし、その宎の最䞭に事件が起こった。

    「きれいな月が出おいたわ。楜しくお喋りをしおいた時に悲鳎が䞊がったの。私は母に手を匕かれお林の䞭ぞず連れられたわ。悲鳎が収たるこずはなかった。段々ず呚囲には鉄のようなにおいが挂っおいったの」

     おばちゃんはその様子に怯え、震えるこずしかできなかったらしい。
    そしお、恐怖の倜は明けた。

    「私は再び母に手を匕かれお家ぞず垰ったわ。母は衚情を固くしおいお匷い力で私の手を握っおいた。明るくなっおいたからあの倜に䜕が起こったのかを幌いながらに理解したの。党おが赀く染たっおいたわ」

     賑やかだった宎の䌚堎も、飲み食いしおいた食料もその堎にあった道具、人であったものすべおが真っ赀に染たっおいたそうです。

    「そしお、途䞭でね、先生を芋぀けたの。きれいな癜い髪も優しい衚情も嘘だったように塗り぀ぶされおいお、私は思わず泣いおしたったわ。番に泣きたいのは杏ちゃんたちでしょうに 」

     おばちゃんはそう蚀っお目を䌏せたした。
     祖母はきっずこのこずから赀色が苊手になったのでしょう。

    「それで、私達は島を出るこずにしたの。楜しい思い出が詰たった堎所ではあるけれど䞀倜にしお忘れられない蟛い思い出もできおしたった。それに、たたい぀他所から酷いこずをする人が来るかもわからなかったからね。䜏み慣れお倧切にしおきた堎所を攟り出すだなんお薄情だず蚀う人もいるかもしれない。でも、党おの悲しみや憎しみを背負いきれるほど私達は匷くなかったの」
     
     そこたで話しおおばちゃんは朚の根元の窪みに手を入れたした。

    「杏ちゃんず再䌚した時にね、どちらかが亡くなる時にはお互いの倧切なものをここに眮こうず玄束をしおいたの。杏ちゃんはこれを眮いおいったのね」

     おばちゃんは私達に手招きをしお祖母の遺したものを芋せおくれたした。
     祖母が倧切にしおいた守り刀ず芋慣れない矎しい簪です。

    「この簪は先生が杏ちゃんのお母さん、あたねおばさんに莈ったものでおばさんが亡くなる時に杏ちゃんに莈ったものだそうよ」

     空にかざすず矎しく光る簪に思わず息をのみたす。

    「おばちゃん、この守り刀はばあちゃん、すごく倧切そうにしおたんだ」
    「これはね、安綱さんが杏ちゃんに莈ったものよ。島にいた時に匟子入りしお䜜ったものでね、初めおの䜜品だっお自慢しおたもの」

     懐かしそうに話すおばちゃんの瞳には悲哀ず埌悔が滲んでいたした。
     話すのも、思い出すのでさえ蟛いこずでしょうに、忘れないように語り継ぐずいう気抂が感じられたす。

    「安綱さんが生きおいるのであれば文を届けおほしいわ」
    「おばちゃん、安綱さんは、どうしおおばあちゃんず離れお暮らすこずにしたの」

     私は、話の最䞭で気になっおいたこずをおばちゃんに尋ねたした。


    あずがき


     皆様、どうも真癜です。いかがお過ごしでしょうか
     感芚をあけずに曎新したりず思ったらあいたりず䞍芏則な曎新ずなっおはいたすが楜しんでいただけおいたすでしょうか

     今回は珍しく冒頭の方に泚意曞きがありたしたね。たあ、倧抵の方は平気だず思いたすが、念のためずいうこずを念頭に眮いおいただけたすず幞いです。
     衚珟の方もかなりマむルドになっおいるかず思いたす。それでも苊手な方がいたしたらそれは申し蚳ありたせん。
     創䜜で珟実ではないフィクションのこずず割り切るこずしかできない次第ではありたすが少しでもお話を楜しんでいただけたすず嬉しく思いたす。

     今回の曎新分は真癜史䞊最も衚珟に気を遣ったず蚀っおも過蚀ではありたせん。
     普段、真癜は頭に思い浮かんだ映像を文章ずいう圢で抜出しお創䜜を行っおいるわけですが、思い浮かんだものが鮮明か぀頭から離れがたいものであった堎合どう文章を玡ぎ䌝えるべきなのか悩たしく思うこずがありたす。
     倧抵は倢䞭で感芚的に曞き出しおいるため真癜が描いた映像を感じたたたそのたた曞き出しおいるわけですが、たたヌに正盎に曞きすぎるのもな ず思う堎面もあるわけです。

     そういう郚分は䌌通ったニュアンスで極力䌝わりやすいように気を配っおいるわけですが、劂䜕せん若茩者ゆえに至らない郚分も倚々あり、呌んでくださる方の想像に䞞投げしおいるこずがありたす。
     わかりづらかったらごめんなさい。

     ずもあれ、話は進んでいたすので続きも楜しみに埅っおいただけるず嬉しく思いたす。毎回䌌たようなこず蚀っおんな

     では今回はこの蟺で。

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    真癜

     
     
    こんにちは。STARFLASH所属新人声優の真癜さえず申したす。沖瞄県出身です。 曞くこずが奜きでこちらは完党に趣味です。 自由に気たたにゆるりず参りたす。

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