
心の盾⑤ 優しさのつもりだった
「私のせいで
あなたの望む生き方ができないね。」
そんな気持ちで
書き始めた夜がありました。
責めるつもりはなくて、
どちらかというと懺悔に近い気持ちでした。
赤いペンを持って、
ただ思いつくままに書いていく。
すると途中から
少しずつ違和感が出てきました。
――あれ?
出てくる言葉が、
優しさではなくなっていくんです。
気がつくと、
紙は怒りの言葉で埋まっていました。
自分でも驚きました。
私は、怒っていたんです。
胸が熱くなって、
身体の奥から何かがこみ上げてくる感覚。
そのまま
シートを破って捨てました。
全部は覚えていません。
でも、あの感覚だけは
はっきり残っています。
――そのあとが大事でした。
今度は別の紙に
「本当はどうしたかったのか」を書きました。
不思議なことに
するすると言葉が出てきて、
書き終えたときには
全身の力が抜けていました。
ぐったりするほどの脱力感。
そして最後に
いつもの「心の盾」を書きました。
その日の言葉は
今までとは少し違っていて、
静かに、でも確かに
胸の奥に響きました。
きれいな言葉では
心は守れないことがあります。
本音とずれた言葉は、
どこかで必ず苦しくなる。
もし書いていて
眠くなるようなら、
それは
心が「違う」と言っているサインかもしれません。
そんな時は一度、
心の奥にあるものを
そのまま書き出してみてください。
整えるのは、そのあとでいい。
本音に触れた言葉だけが、
心を静かに守ってくれます。
これも「心の盾」のひとつです。
心の盾➀
心の盾②
心の盾③
心の盾④
心の盾⑥