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30年越しの挑戦 第2話 データは入力しない。「つなぐ」という発想

    Excelは紙に印刷して終わり?

    各種帳票のExcelは、
    紙に印刷して終わりになっている。
    入力されたデータが、
    次の業務に連携されていないのはなぜだろうか。

    私がExcelの限界を感じた仕事

    定年延長の終了間際、
    私は書類作成の応援に呼ばれました。
    作っていたのは、
    建築現場へ提出する 「グリーンファイル」 という書類です。
    入力項目はどの提出先も
    安全衛生法対応でほぼ同じ。
    しかし提出先ごとに
    帳票様式がすべて違う。

    帳票作成の実態

    作業はこうです。
    まず、前回提出した書類を探す。
    そこからExcelを開く。
    次に、FAXやExcelで送られてきた内容を
    全項目書き換える。
    つまり
    完全な手入力転記作業。
    まさに
    転記地獄の帳票作成でした。

    それでもExcelは便利だった
    短期間で確実に仕上げられる。
    数式はすぐ反映し、
    入力結果を確認しながら作業できる。
    そして最後に
    印刷すれば完成。
    そのとき私は思いました。
    「だからExcelは使われるのだ」

    10年使われたExcel管理表

    別の会社で見た管理表は、
    さらに衝撃的でした。
    案件管理のExcelには
    300項目以上のデータがありました。
    内容は
    • 見積
    • 顧客情報
    • 作業内容
    • 完成情報
    など、案件のすべて。
    それを
    数枚のシートにまとめた
    案件マスターファイル
    として使っていました。

    新規案件の作り方

    新しい案件を作るときは
    過去のファイルをコピー
    して作ります。
    新しい項目が増えても
    古い様式を改造しながら使い続ける。
    こうして
    10年分の改造様式が積み重なっていました。

    Excel運用の問題

    実際の運用はこうでした。
    ・関連帳票が多く、作成前後にファイルを開く
    ・他の人が開いていると登録できない
    ・終了待ちが発生する
    さらに、
    セルの中に
    過去データを履歴として残す
    という使い方までありました。
    印刷するときは
    最新データだけ表示させる。

    紙中心の業務

    印刷された帳票は
    A4用紙で次の業務へ渡されます。
    そして
    新しく発生した情報は
    紙に手書きメモ。
    最後の登録まで
    情報が伝わるか心配でした。

    次の部署で起きること

    次の部署では
    渡された紙を見て
    作業予定を確認します。
    受付トレイに入った紙を
    日付順に並べ替えます。
    さらに
    機器準備や消耗品管理のために
    別のExcel一覧表を作る。
    当然、
    紙から 手入力 です。

    進捗管理

    案件の進捗は
    フォルダで管理されていました。
    • 作業前
    • 作業中
    • 完了
    状況に応じて
    フォルダを移動させます。

    Excel運用の実態

    こうして見ると
    実際の業務はこうなっています。
    帳票Excelは紙を印刷して終わっている。
    そして
    次の部署では
    その紙から
    別のExcelへ転記。

    終わらない作業

    結果として残るのは
    重複入力の連鎖
    でした。

    解決策を探す

    この問題を
    webで検索してみると
    同じ悩みを
    多くの人が持っていました
    。
    解決策として出てくるのは
    • デジタルツール
    • Webシステム
    しかしそれらは
    今使っている
    Excel帳票とは
    まるで別の世界。

    本当に必要なのは?

    長年使ってきた
    • 管理項目
    • 業務の流れ
    • 帳票の形式
    それらを
    大きく変える必要はないのでは?
    私は考えました。
    帳票のデータを
    データベースにまとめればいいのでは?

    そして思いついた

    「帳票Excelも
    DB化できるのではないか?」

    帳票のすべての項目を
    DBに登録する。
    そうすれば
    「現状Excelのままデータはつながる」

    ETLシートの実験

    こうして
    まずは、各帳票の全項目データを
    取り込むテストを始めました。
    ETLシートに
    帳票データを集める実験です。
    目標は3つ。
    ・多様な帳票様式から簡単に取り込めること
    ・複数テーブルをまとめて処理できること
    ・誰でも理解できるシンプルな仕組みであること

    次回

    帳票データの取り込みテストを
    実際に行います。
    その結果を
    次回紹介します。

    「30年越しの挑戦」シリーズ

      お読みいただき、ありがとうございました。

    本シリーズは、30年間現場で考え続けてきた業務改善の歩みを、4話構成でまとめた作品です。

     
     
    30年Excelを使い、現場業務の中でVBAとAccessを独学。外注に頼らず改善する仕組みづくりを追求してきました。現在は既存Excel+Access+生成AI+VBAを組み合わせ、業務データの一元化と転記手入力レス化を実現する「ETLシート」の実用化を進めています。

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